チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

きものを着るtoいうこと

2024年12月06日 09時45分23秒 | 日記
きものを毎日着ようと思ったのは33歳
そして20年其れは続いた
チャ子ちゃん先生は西洋かぶれをしていたので、きものなんて全く着る気にもなっていなかった
しかし
きものの取材が始まり全国の産地に出向いたり、いろんな着物のページを作ってみたり、ポスターやコマーシャルの着物のスタイリストをしているうち、きものの奥深さに引き込まれていった
そしてある時
きもののことをあれこれと偉そうな文書を書いたり、話したりしているけど「きものを着る」ことのない自分の生活態度に疑問を持ち始めた時、ある工房取材で「きものを着続ける」ということに背中を押された

きものを着初め着続けるといろんな疑問が生まれ叉発見もあり、日本の様々な現状も見えてきた
そして毎日着物を着るというのが、一年たち、五年たち、ついに20年も過ぎた時いったんきものはやめて洋服に戻った

そこで今度は健康問題が生じた
着物が日本人の体に合っていたことや、日本の気候の移り変わりに微妙な形で反応しそれが内臓や血流、筋肉そして骨に影響をしていることが改めて理解できた
洋服と比べた時に分かったことだ

そして今度は誇りを持ってきものを着るようになった

先日大学の後輩たちに「絹と糸」についての講義をさせてもらった
その様子を
「今さらきものを着て絹と糸の話をするなんて」
という批判を受けた

日本の絹と糸はきものを作るために発展してきて、今はその絹からさらにきもの以外の医学、建築、食品などにも利用をする科学が発達した(正確には繭)
しかし元は「衣」だったのだ

心地よい着物を着られる恩恵を蚕に感謝したい
だから絹や糸や蚕の話をする時きものを着る

コメント
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