チャ子ちゃん先生は着物の寸法にとても気を使っている
50年かかってい一分二分(3ミリ5ミリ))とうるさいのだ
更に夏の着物冬の着物と寸法を替えている
これは50年かかって自分の寸法を見つけた結果だ
初めてチャ子ちゃん先生の着物を仕立てる方は一つ一つ質問をしてくる
そのたびになぜその寸法であるかを説明する
特に袖の丸み、これを三寸にしている、なぜなら運動量が激しいので袖の先で物をひっくり返したりする、その為に丸みを多くし机の物に当たらないようにしている
それから袖付け、標準と言われる寸法より五分から七分深く縫う、これも袂が逃げないようにするためで、ドアのノブに引っかかったりしないようにという工夫
そのうえ抱き幅が狭い、この抱き幅の寸法で仕立ての方は頭を悩ますらしい、抱き幅の狭くなった布をどこで処理するのか、正しく幾何なのだ。着物の寸法って平面仕立てだけど着る人の体は丸いので、仕立ての方々の苦労が痛いほど理解できる
更にまだある
成長期にテニスをしていたので右肩の骨が内側に向いている、その為胸元に大きい立てしわがでる、それを消すために胸幅の寸法は左右均等ではなく、襟のカーブに布を始末するという仕立てだ
もう一つ袖口の寸法
それは電車に乗ることが多いのでつり革につかまる、その時うでがにょきっと出ないように袖口を狭くしている。人前で
お話しすることも多いので手が袖口から出ないように気を付けている
面倒な「おなご」だよね
でも仕立てが好きな方はそのうえいろいろと提案してくださって、今は非常に着心地の良い寸法になっている。もちろん長襦袢も着物の寸法に合わせているので、袖口、振りの寸法がきちんとあってなぜかうれしい
ところが久しぶりにというか何十年かぶりに着物を購入し初めてのところに着物の仕立てを流れの中でお願いした
勿論ややこしい寸法表もともに渡した
この苦節50年の寸法はすべて無視されていた
勿論お直しをしていただくが、仕立てる方が仕立てやすいように仕立てるのが現状なのだと気が付いた
日本のすべてのところで着物の仕立て以外にも「自分がやりやすいようにやる」という気風になっていることを痛感した
昔の女性は自分で縫っていたから自分の着やすいような寸法を見つけ出すことが簡単だった
いまはチャ子ちゃん先生のようなうるさい寸法を提示する人はあまりいないのだろう。それだからできあがあった寸法に自分の体を合わせるので「補正」が必要になってくるのだわね
変に納得
この事件は「補正」についての新たな認識を教えていただいたのだ
しかし早く自分の寸法に直していただこう