チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

玉鬘の章

2010年12月04日 15時18分11秒 | 日記
今年最後のナイトコスモスは
「源氏物語とオーラソーマ」

チャコちゃん先生が
オーラソ-マの美しいボトルに気を引かれたのは
二重になった色のボトルに
王朝文学の襲の色目が重なったから

玉鬘の章では
光源氏がご自分と関係した女人に
お正月の晴れ着を紫の上の前で
それぞれの性格に合わせて選ぶシーンがある

この時紫の上は
それぞれの色あわせを観ながらひっそりとお相手の性格
またその女人に寄せる光源氏の気持ちを量る

いい気な男といってしまえば其れまでだが
光源氏の場合関係した女人には
一生の面倒を見る
そこらあたりがいまどきの男と大違い


それはともかく
色と性格紫式部の色彩感覚の鋭さに感動をする
そして其れが
イギリスで構築されたオーラソーマとあい通じるところがあった

例えば
光源氏が紫の上に送った衣装は
紅梅とぶどう色の襲
これはオーラソーマボトルの25番
マゼンタ色と紫のボトル
そしてボトル名は「ナイチンゲール」

忍耐強く全てを受け入れ人を癒す心を持っている
まさしく紫の上の性格と同じ
しかし
この源氏物語は世界最古の小説だ千年以上前の話
一方オーラソーマはまだ生まれて20年そこら

日本の文化の奥深さにナイトコスモスは盛り上がる

無農薬の白菜をセキドの友人が送ってきたので
鶏白菜鍋にしておいしかった
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都庁45階

2010年12月03日 16時21分34秒 | 日記
クリスマスイヴェントで都庁の45階を会場にした
様子を感じるために
スタッフ一同ランチをその場所で摂る

イタリアのドームのような会場で
真ん中にグランドピアノがあり
周囲は都会のビルの景観

お味はまあまあでも景色が大ご馳走

食後博品館と銘打った土産店を覗き
金百両の「東京の水」をゲット
そして窓の外を覗く

残念ながら富士の勇姿はお目にかかれなかったが
愛している新宿中央公園の紅葉を上から満喫
なるほど良く整理された公園だわ

我がオフイスも良く見えて
小さな薔薇の姿も目に入る
もっともっと屋上を緑にするといい

12月25日はきっと富士山の夕焼けが美しい
皆で肚から声を出して
来年につなげたい
当初の目標50人が集まり胸をなぜ下ろす

着物の似合う殿方も10人ほどの人数
帆足先生たちの歌声がこのドームに響く
そしてけい子さんの華やかな花も趣を添えてくれる
それよりもなによりも
お集まりの皆さんのお着物姿が一番の楽しみ

はあやあくこいーー25にち
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繋げる

2010年12月02日 13時56分37秒 | 日記
思いがけない素晴らしい夜
エルメスのテーマーは「繋げる」つないでいく
と言うことで
昨夜は草月会館でたった一夜の三番叟の舞台に招待を受けた
三番叟を演じるのは当代きっての狂言師野村萬斎

囃し方も
笛の一噌幸弘 小鼓は大蔵源次郎 大鼓亀井広忠
地謡も石田幸雄はじめそうそうたるメンバー
舞台装置がシンプルで力強い「根」が美的に描かれていた

三番叟を舞う野村萬斎は心霊の姿が見え隠れする気配を
静かにまた激しく舞う
300人あまりのたった一度限りの客は
固唾を呑んで舞台とともに息をする

外国の企業が日本の古典芸能をつないで見せる

終わったら日比谷のペニンシュラホテルまで全員ハイヤーで移動
其処には素晴らしい料理とシャンパンが待ちうけ
立食ではあるが、料理の皿が空になることがない
この「おもてなし」に感動

主宰のエルメスの社長、日本の支社長はともに
ただ静かに客と話をしているだけ
仰々しい挨拶もない
チャコちゃん先生は
淡い藍色地に若冲の葡萄から草を白あげした訪問着を着用
其れを社長、支社長ともにしきりに褒めてくださる

それよりこの会社の
「文化をつないでいくことに力を注ぐ姿勢が素晴らしい」
と通訳を通じて訴えると
にっこりと握手

デザートルームに席を移し
アルコールも入って少し賑やかな雑談がアチコチで始まる

当然のことながら
ほとんどの女性はこの会社のバックをもちドレスを着ている
連れの男たちもエルメスフアミリー

最近さっぱり購入歴のないチャコちゃん先生肩身が狭い
しかし担当のIさん
「ナカタニサマは日本の文化に造詣が深いので」
誘ってくださったのだという
彼女の客はチャコちゃん先生のところ二人のみ

このおもてなしも見事
最後はハイヤーで自宅まで
そういえば
「御車でのご来場はご遠慮ください」
としたためてあった
お神酒を飲んでゆったりとして欲しいとのもてなし

今この時代にこの「おもてなし」

そうそうエルメスのスカーフを割き織りして
袋帯仕立て締めていた婦人がいた
ナルホド

「つなぐこと」「おもてなし」を考えさせられた夜だった
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手間隙かけて

2010年12月01日 11時41分06秒 | 日記
アレだけ手間をかけて作っても現実は売れない
何の話?
きものの話
いい糸できものを作りたいと
ついには桑を植え蚕を育て繭から糸を引き
更に染色材料の栽培もする
当然デザインもーー

此処までは大日本蚕糸会の提携システムを使えば
いくばくかの研究費は出る

染織家の大御所ばかりを集めたシンボジウムが
昨日道明文化女子大学名誉教授の司会で開かれた

秋山眞和 山岸幸一 小宮康正 志村 明
お一人お一人の真摯ものづくりの様子が縷々わかって
逆にこんなに手間隙かけたら
いったいどれくらいの着物の金額になるのかというのが
チト怖い

日本の養蚕を栄えさせるためのシンボジウムでもあるが
こういう会は「着る人」がいつも置き去り
きものは着る人がいて何ぼの世界なので
着る人のことを考えなあかん

ところで
日本の絹を着ましょうということが趣旨なのだが
日本の絹はいいに決まっているという前提でもある

デモ残念ながら
他国の絹もいいものはいい
しかも日本の絹より安価

それでどうだろう
きものも「エコ免税」の仲間入りをしたらいい
日本の絹で作られたきものを買う人には50%の補てんを国がする
というのはーーーー
日本の絹のきものを着る人がジャンジャン増えるね

本当に手間隙かけてきものを作っている人に報いるためにも
「着る人」のことも国は視野に入れたい

断っておくが
きものがもしこの日本から消え去ったら
日本の伝統文化は全部消える


コメント (1)
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