チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 525

2023年11月04日 08時06分20秒 | 日記

加賀友禅というきものを改めて眺める機会をいただいた

糸目の技術を駆使した美しい友禅だ

楚々とした小さな花を丹念に描き友禅染している、そこに自然の風景を見る

チャ子ちゃん先生はそのお話会で「初代由水十久」さんとの親交の話をさせていただいた

由水さんの「唐子模様」が代表作になる前の「東海道五十三次」を染めた時の話

由水さんはもともと日本画家になりたくて、小さいときから絵の勉強をし、表に出るときも家にいるときもスケッチぶっくを手放さず、目に映るものを描き留めていた。そのスケッチブックを見せていただいたこともあるが、あらゆる分野のスケッチだった

スケッチをするものが無くなると、古典を読みその中の物語を想像で描いていく作業もしている

伊勢物語が最も想像の絵になりやすいといって、何回も読んでは絵にしたものを見せていただいたりもした。今風には「挿絵」ということになるのかもしれないが、何でも絵にかいてみるということだった

その中で東海道五十三次を帯に描いてみたいと思ったそうで、ご自分で絵にあるような草鞋のひもの結び方を実際に試してみたり、では東海道を歩くとどんな感じがするのか、と歩いてみたり、現場に身を置いて新たにスケッチをする

ある時「京劇」の舞台を「一緒緒に見よう」と誘われ行った

京劇など全く興味がなかったけど、料亭弁当につられたのだ(卑しい}

そして観劇の間中由水さんは目は舞台、手はスケッチブック、日頃の好好爺の雰囲気は全くない、目がランランと輝いている。休憩時間に弁当をいただくのだが、こういう時は食欲もないらしい。いつもは少し肩を丸め、マールい顔にかけた眼鏡の奥で目が優しく、冗談の連発なのに、今舞台で描き留めたデッサンを食い入るように見つめて手を加えている

そばで私はひたすら食ってる

「おいしいかい?」

「はい」

京劇の激しい動きが人の体の躍動美をとらえるのに一番早道なのだと、あとで教えてくれた

この人の動きがのちの「唐子」の可愛さにつながっていく

孫の寝姿、ハイハイしている姿の可愛さ、そういうスケッチも見せてもらった

一枚の着物の模様の奥に隠された精進、これが加賀友禅の伝統なのだろう

 

 

 

 

 

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秋桜の花

2023年11月01日 08時07分58秒 | 日記

秋桜の花弁が8枚

きもののパーツも8枚

この二つが重なったとき会社名を「秋櫻舎」とした

その命名者は今は亡き本多光夫さん

編集の神様といわれ家庭画報の初期の編集長で、きものサロンの創設者、更にレジデント社の社長に就任、プレジデントの創刊

女性誌、ビジネス誌、料理などなんでもござれの編集感性は今もそれぞれの場で脈々とつながれている

 

家庭画報で着物の取材を始めた時、最初が奄美大島の大島紬、そして岡山の作州絣、更に八丈島の黄八丈、白生地の丹後と一緒に取材に回った

きものの着方も大事だけど、その着物を作っている人たちのことをもっと理解する必要がある、という教えでああった

本田さんの直属の部下として鍛えられた

きものの現場取材がいまだに続いているのは、この教えのおかげと思う

 

そういう時秋に出かけることが多く、いつも秋桜に迎えられていた

その頃の秋桜はひなびた場所に楚々と咲いている風情が多く、群生で秋桜が咲いている風景にはあまり出会わなかった

野に咲く秋桜を手でちぎっては滞在する宿のコップにさして楽しんでいた

そんな私の姿を見ていたのであろう、会社を作るというとき

 

「会社名を秋桜にしたらいいね、秋櫻舎というのはどうだろう」

いつの間にか秋桜のことをいろいろ知らべてくださっていた

秋桜はcosmosというと宇宙を意味する

秋桜はKosmosとKで始まるとギリシャ語の「美の伝達者」

花びらの8枚は八方を意味しててすべての方角を指す

「それからきもののパーツは8枚です!」

「そうか決まったね!会社の社を使わず、ずっときもののことを学び続けるという意味で舎にしたらいいね」

「きゃーきまり!!!」

 

そしてなんと秋櫻舎は40期を迎えた

今日もコスモスの花を活けて「チャコちゅぶ」

 

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