あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

亡くなっても、無くならない

2012-03-31 22:37:22 | ドラマにハマる
「おはようございます。死にました。」

そんなセリフと共に、朝ドラ『カーネーション』が最終回を迎えた。ほぼ録画だったが、全話を観続けた。

エンディングまであと1カ月というところで、力強い演技でこの作品を引っ張ってきた尾野真千子さんから夏木マリさんに主役が交代した。今もこの主役交代に異を唱える人は多いようだが、僕も直前まで一切公表されていなかったことに違和感を感じつつ、それでも夏木さんの演技に引きこまれていた。

確か、夏木さんの登場は「おはようございます。歳をとりました」だった。その一言で観る者を一気に引き寄せたと思う。年齢を重ねた人の魅力をメイクだけで処理するのは難しいだろう。娘たちの若さに違和感を感じる人たちも多々いるが、それは、主役ではないから許されるんじゃないだろうか。

先週、心震わす「奇跡」を見せられ、これでまだ1週間あるんだと、いい意味で驚いていた。ただ、主役交代の時に、晩年を描くことに意味があるといった話があったので、期待していた。そして、その期待を越えるエンディングを見せてくれた。

最終回を観終えてすぐTwitterに書いた言葉に、気持ちを込めた。
「人は亡くなっても、その存在は無くならない。糸子はその生涯を通じ多くの人たちの人生を縫い合わせていった。サロンに集った人たちはそのごく一部。そして「朝ドラ」になることでさらに多くの人と繋がっていく。そんな、岸和田に生まれた一人の女の子の奇跡のお話だった」と。実際、先週から今週にかけて「奇跡」を感じた。

年を重ねてなお気持ちの赴くまま全力で相手に向かい合った糸子の姿に、「歳をとったから」ということを理由に引っ込むことはないという思いが重なった。積極的に前に出ることはないだろうが、かといって、舞台裏に引っ込んでしまうこともない。このドラマを観ていた高齢の方々の感想を伺いたいと思った。

今はまだこのドラマ全体の「感想」をまとめることはできないが、少なくとも、初めてこの作品について書いた時の期待をはるかに超える内容だった。この半年間の楽しみを与えてくれたスタッフやキャストのみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。
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平清盛 4話

2012-01-30 23:37:04 | ドラマにハマる
昨夜見ることができなかった大河ドラマ「平清盛」第4話を見ていた。

平氏と源氏、清盛と義朝、忠盛と為義、武士と王家・貴族、そして、清盛と忠盛…父と子。さまざまな対立軸を引き、それらをさらに重ねることで厚みのある物語が紡がれている。

特に中盤で、貴族の長である藤原定実にそそのかされた為義が忠盛を討とうとするシーンは、忠盛の堂々とした振る舞いと、弱々しい為義の悲哀が対峙するシーンには、それをそれぞれの息子である清盛と義朝の軸が重ねられていた。親同士の対決は息子たちに何かを与えたようだ。

そして、終盤の忠盛と清盛の親子会話のシーン。子を思う親心に触れた息子は、今後さらに成長していく。その予感と共に、父と子の絆の強さも感じられた。「王家の犬になどなりたくない」との思いは息子と同じ。だが、それを息子の前で語ろうとしなかったのは、その思いに強さからだろうか。そう、その親子のシーンにホームドラマを見た。そう、この物語は平氏と言う家を描いているんだよな…

ますます物語のおもしろさに惹かれつつ、そろそろ眠ろうと思う。
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平清盛 3話

2012-01-22 22:58:05 | ドラマにハマる
昨日の大学病院での診察がよっぽど疲れたのだろうか、病院から帰ってから今日までほとんど眠っていた。だが、この時間にははっきり起きていなければとテレビの前に座った。

「画面が汚い」、「視聴率が低い」、「王家とは何だ」などと、本筋からずれた部分での話題がクローズアップされている大河ドラマ「平清盛」だが、僕はそんなことは関係なく楽しんでいる。

今夜の第3話は、武士を「王家の犬」として蔑んだ清盛が、海賊に襲われる漁師を助けるという日々を送っていたものの、結局は平氏一門に守られながらの暮らしであり、「漁師を助ける」ための行為が単なる思い上がりに過ぎないと父の忠盛に諭され、また「御曹司」という言葉を軸に源義朝との出会いを絡めながら、清盛が成長する一過程を描いていた。中でも、父・忠盛の存在の大きさが強く感じられた。

そのエピソードに、今の自分を重ねて見た。良かれと思ってやったことは単に自己満足に過ぎない。それどころか、周りの人に迷惑を掛けてしまっている。そんなことは一度や二度ではないが、そのたびに上司や仲間が助けてくれていることに思いが至っていただろうか。

賊と間違われて捕えられた仲間を牢獄から逃したものの、その仲間が再び捕えられた。名乗り出て責任を負うという清盛に対し、忠盛は毅然とした態度で彼を諌めた。若い時に清盛の実の母、白拍子の舞子を助けた自分を対比させていたのだろうか。

おどろおどろしい白河院が世を去り、重しが取れたように権勢を振るう鳥羽院と、その彼の心を弄ぶかのような、いや、単に素直なだけなのかわからない璋子の笑みを見ながら、少し身震いがした。

伊東四朗さん演じる白河院が登場しなくなった分、画面から溢れる迫力は幾分落ちた気もするが、画面作りは迫力がある。そういえば、この作品がアナログ放送されない初めての大河ドラマとなるからなのだろうか。16:9の画面が有効に使われている感じがする。

藤本有紀さんはこの複雑な人間関係をどのように編みあげていくのだろう。次回も波乱の展開が予想されるが、それだけに楽しみでもある。
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人生は一度きり…だから

2012-01-16 21:53:30 | ドラマにハマる
今日の『カーネーション』を見ていた。

冒頭から安岡さんの家でのシーンから始まる物語は、玉枝と奈津、そして安岡家の再生の話だった。

先週末に糸子が投げた小石は、玉枝を動かし、そして奈津を動かした。奈津が来たことを玉枝に知らせる八重子の心が静かに高まる様子は、見ている僕の心に通じるものだった。

後半になりようやく糸子が姿を現す。奈津の借金の保証人となった彼女を松田や昌子は責めるが、糸子の心は自分の行動に対し揺るぎない信念を持っている。祝言の時の借りを返したからというその言葉には、奈津にこれ以上負い目を負わせたくないという糸子の優しさが溢れていた。そんなことを決して顔色には出さなくても。

やはり、脇役が魅力的なドラマは見ていて面白い。「意外」と言っては失礼だが、田丸麻紀さんの芝居がいいなあと思う。勘助が二度目の出征に向かう時の、哀しみを隠しきれない表情も良かったが、今日の、玉枝とのやりとりもいい表情だった。

安岡美容室で糸子や太郎と記念写真に写る三人は、糸子がデザインした真っ白なユニフォームに包まれ、新しい一歩を踏み出す。どんなに悲しいことがあっても、生きていく。人生は一度きり。だから、やり直せるんだなって思いながら、また目を潤ませてしまった。

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平清盛 2話

2012-01-15 23:05:34 | ドラマにハマる
大河ドラマ『平清盛』第2話。いよいよ松山ケンイチさんが登場した。

第1話での、まえだまえだの旺志郎くんも熱演でまだまだ見たいという気持ちもあったが、やはり松山ケンイチという役者への期待が高く、彼の登場を楽しみにしていた。そして、その存在は画面いっぱいに溢れていた。

中でも中盤の、伊東四朗さん演じる白河法皇と対峙するシーン、そして、終盤の舞のシーンは、ただならぬ緊張感が溢れ、見る者に強く迫って来た。

登場人物を縦横に織り上げる藤本有紀さんの脚本を、「カメレオン俳優」と言われ、共演する俳優さんごとに異なる面を魅せる松山ケンイチさんらが演じるという、その作品の魅力を2話目から存分に楽しんだ。

ところで、その藤本有紀さんのコメントを読みたくて、ドラマのガイドブックを買い求めた。『ちりとてちん』のガイドブックでも、藤本さんのコメントは愛情溢れるもので、正直、目を潤ませてしまった。で、今回の藤本さんのコメントには、「ジーン」より「ワクワク」が募った。

このワクワク感を最後まで味あわせてくれるだろうことを確信し、次回を楽しみに待とう。
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平清盛

2012-01-08 22:53:14 | ドラマにハマる
大河ドラマ『平清盛』を観終えた。そして、満腹感に浸っている。

『ちりとてちん』の藤本有紀さんが脚本を書き、『セクシーボイスアンドロボ』の松山ケンイチさんが主演するという情報が伝わった時点で、この日…ドラマが始まる日に期待していた。そして、ようやくこの日を迎えた。

歴史に疎いため、史実と合っているのかはわからないし、そもそも、ドラマはエンタテインメントであり、次代の大きな流れと違わない限り問題ないと思う。なので、そういう点に全く気を留めることなく最後まで見続けた。で、松山ケンイチさんはまだ登場していないものの、この日までの期待は裏切られることがなかった。いや、期待を大きく超える満足をもらった。

特に、前半の話の中心である、中井貴一さん演じる平忠盛と吹石一恵さん演じる舞子とのエピソードは、互いの不器用さと優しさが伝わってきた。そして、舞子とその子を守ろうとする忠盛の愛と、その忠盛を苦しめたくない、そしてわが子を守りたいとの気持ちから白河法皇に歩み寄った舞子の愛とその結果に涙を抑えることはできなかった。吹石一恵さん、『高校生レストラン』でも感じたが、大人びた表情に年齢が追いついたようで、一際きれいになった気がする。今後は回想シーンなどで登場するだけなのだろうが、印象深いいい役を演じられたと思う。中井貴一さんも、その真面目さもピッタリだが、強さや繊細な優しさがピッタリだった。舞子を守ろうと白河法皇に対し意見する姿が強く印象に残った。ここまでで描かれた「武士の世の切なさ」にぐぐっときた。

そのほかの役者さんも良かったな。白河法皇を演じる伊東四朗さんはドラマだとわかっていても妖しく不気味だった。そして「金麦姫」檀れいさんの妖しさも… 鳥羽天皇を演じた三上博史さん、野島伸司さん脚本の『リップスティック』を思い出してしまった。
松田聖子さん(!)、小日向文世さん、そして、まえだまえだ(!!) あの兄弟げんかのようなシーンは思わず笑ってしまった。

そんなこんなで、藤本さんの描く人物たちが織り上げる物語の展開が楽しみだと思う第一回だった。そして、松山ケンイチさん、お父さんになられたそうで、おめでとうございます。
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妖怪人間は…

2011-12-25 22:46:15 | ドラマにハマる
昨夜で『妖怪人間ベム』が終わった。

一体このドラマを見ている子どもたちのどれだけが「善と悪」とかを理解して見ているのだろうかと思うこともあったが、それはいつか「こんなドラマあったなあ…」と仲間との話題に出たら思いされたら…といった程度でいいのかもしれない。

ベムを演じた亀梨和也さんは、ベムの優しさや抱えている悩みをしっかり消化して演じられていたように思う。だからだろうか、演じているというより体現しているという感じだった。

ベラの杏さん、「あたしゃねえ!」という口調はミタさんの「承知しました」とともにしばらく頭から離れない。モデルのような容姿は役者にとっては強みにならない場合が少なくないが、彼女はこの作品をきっかけに大きく飛躍するんじゃないかな。いや、そうなってほしい。

ベロの福君。『マルモのおきて』の時は芦田愛菜ちゃんの方に注目してしまっていたが、この作品ではその愛らしさを思う存分発揮していた。そう、愛らしいベロだから余計に哀しさが漂った。

夏目刑事を演じた北村一輝さんには、ネット上でアットホームな夏目とのギャップを問う声もあったが、愛する息子を失った憎しみにスポットを当てた後半になり、そのキャスティングがより活きてきたと思う。

そして、「名前の無い男」を演じた柄本明さん。「悪」の部分の存在感に加え、その男の抱える悲哀をさらりと表現していた。そう、さらりと。それが柄本さんという役者のすごいところだと思う。藤丘くんのお父さんとしてちょっとだけ出演された『Q10』(藤丘くんを演じたのが柄本時生くんだった)でも、そして乃木希典を演じた『坂の上の雲』でも、柄本さんの抑えた演技が印象的だった。

その他の出演者のみなさんも、この作品の世界を力いっぱい作り上げてきたと思う。それは、スタッフの方々の熱意の大きさによるものでもあっただろう。そう、河野さんの仕事に対するスタンスがいいなあ。

楽しみにしていたドラマも終わってしまった。でも、来年の作品もまたワクワクドキドキするような作品が出てくるのを待っている。
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恋する気持ち

2011-11-26 23:10:08 | ドラマにハマる
今夜の『妖怪人間ベム』は、ベラの恋を中心とした話だった。

この前、「恋」について真剣に悩んだのはいつ頃だっただろう…なんて思いながら見ていた。僕の場合、勝負に挑んでも出っとボールを食らうのがわかっているからあまり打席に立つことはないし、立ったとしても2アウトで打席に立つ調子のいいピッチャーのように、打ち頃のストライクが来ても明後日の空振りをするタイプである。要は、弱虫なのだ。

ベラのセリフは気持ちよかった。ベロの「ベラは男っぽい」というセリフがそれを引き立てた。だが、そのセリフはベラの女心も引き立てていたようだった。

「交際している異性はいない」という男女が共に50%前後いて、その半数近くが「特に異性との交際を望んでいない」そうだ。僕の場合、交際を望んでいない訳ではないが、望んだからといって交際に至るわけではない。いや、そんなことを言っている僕は結局、「特に異性との交際を望んでいない」1人なのかもしれない。

今回のお話は、そんな時代に対するメッセージが込められていたのかも…
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人を想う気持ち

2011-11-13 00:00:35 | ドラマにハマる
今夜も『妖怪人間ベム』を楽しみに見ていた。

今回は鈴木福くん演じるベロが主役の回だったのかな。紺野まひるさんとの何気ないシーンに心が温まった。終盤にベムとベラに追い詰められた彼女を庇うベロの涙に思わずもらい泣きしてしまった。そして、その後に続くシーンに心が揺すられた。

でも、それはあの謎の男が持つドロドロとしたもののせいだったのだというのが、取調室でのシーンに込められていた。彼女はベロと過ごした時間を心から大切なものだと思っていた…と、そう感じた。

前回があまりにも出来が良くて、今回少し弱かったかなとも思ったが、それでもクオリティが高い作品だと言える。ベロが教授の家で餃子を作るシーンなんて、何だろうと思いつつ見ているとそこに重ねられたセリフが温かい。そして、ベムたちの哀しみを、のこぎりを使った音楽が厚みを持たせる。サキタハジメさんという方が担当されているそうだが、スタッフ日記を読むと、この作品に対する思いを強く感じる。

さて、来週は大きな展開を見せそうだ。目が離せない。
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切ない

2011-11-05 23:41:04 | ドラマにハマる
今夜の「妖怪人間ベム」には参った。先週の予告で平田満さんを見かけ、「次回は…」と思っていた。夏ならば手元にタオルがあったが、涼しくなった今夜は少し困った。

このドラマの魅力は「切なさ」だが、今回は堪らなかった。物語はもちろん、それを表現する映像、特に空の画が美しく、藻のかなしかった。土曜の夜にこんなドラマを放送していいのだろうかなんて心配してしまうほど、この作品に込められた思いの強さを感じた。昨年の「Q10」は学芸会的なノリの中に深みのあるエピソードが散りばめられていたが、「妖怪人間ベム」は主題をストレートに描いている。ただ、その世界を体現する亀梨和也さんのベムに対し、ツンデレな杏さんのベラとどこまでもかわいらしい鈴木福くんのベロがアクセントになっていて、それがこの作品を陰影あるものにしている。

「ねじ」は、人と人とを繋ぐ「記憶」のメタファーなのかな。人は皆、その存在に意味がある。そうなんだよな…って、また目が曇った。

そう、細田よしひこさんは今回もすごい役だったな。そして、バイク便が「Q10便」なんて…(^^)

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