藤沢 周平 著 「蝉しぐれ」を紹介します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/c5/70adad57ed1777686ca06206b03efd9a.jpg)
苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす。
久々に時代小説を読みました。
その前に読んだ時代小説は浅田次郎の「壬生義士伝」でした。
「壬生義士伝」は「武士の義」と「親子の情愛」を描いた「切なく」て「泣ける」感動の名作でした。
一方、この「蝉しぐれ」は時代小説として、青春小説として、恋愛小説として、最初から最後まで「清々しく」て「切なく」て「胸が躍る」、至極の一冊です。
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江戸時代、下級武士の養父によって育てられた牧文四郎。
文四郎は15歳。
市中の剣術、道場と学塾に通い、ひとつ年上の小和田逸平や同い年の島崎与之助と仲がよく、また隣家の娘おふくに不思議と心を引かれ、すこしずつ大人になりつつある年頃である。
平凡な日々がおだやかに過ぎてゆくなかで、お世継ぎをめぐって突如として藩内を二分する政争がおこり、文四郎の尊敬していた養父助左衛門が政争に巻きこまれて切腹を余儀なくされる。
当主の切腹、家禄没収というきびしい運命のなかで、文四郎はひたすらそれに耐え、鬱屈を晴らそうとするかのように剣術修行にあけくれる。
その間に逸平は当主として城に勤めはじめ、おふくは江戸藩邸に奉公するために国許を去る。
最後の別れにおとずれたおふくにかけちがって会えなかったことを文四郎は悔やむ。
数年後、牧家は名誉回復を言い渡される。
一方で文四郎の剣は長足の進歩を示し、奉納試合で難敵をやぶり、師から秘伝「村雨」をさずけられ、秘剣の授受をめぐって藩内に隠然たる勢力を持つ加治織部の面識を得る。
加治は先年の政争の詳細を文四郎に伝え、彼をはげます。
そんな中、今や殿の側室となっていた、おふくが派閥闘争に巻き込まれていることを、文四郎は知るのだった・・・。
苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす。
久々に時代小説を読みました。
その前に読んだ時代小説は浅田次郎の「壬生義士伝」でした。
「壬生義士伝」は「武士の義」と「親子の情愛」を描いた「切なく」て「泣ける」感動の名作でした。
一方、この「蝉しぐれ」は時代小説として、青春小説として、恋愛小説として、最初から最後まで「清々しく」て「切なく」て「胸が躍る」、至極の一冊です。
2003年NHK金曜時代劇として放送
2005年映画化 出演:市川染五郎・ 木村佳乃・緒形拳