柳美里 著 「ゴールドラッシュ」を読みました。
風俗店が並び立つ横浜黄金町。
14歳の少年は、中学を登校拒否してドラッグに浸っている。
父親は、自宅の地下に金塊を隠し持つパチンコ店経営者。
別居中の母、知的障害を持つ兄、援助交際に溺れる姉など、
家庭崩壊の中、何でも金で解決しようとする父に対し、少年が起した行動とは…。
「僕らは何をしても捕まらないんだ」と言って
強姦事件を起こしたり・・・
犬を殺す感覚の延長で父を殺したり・・・
事件後に平然と普段の生活を続けたり・・・
”子どもと大人の間の空白地帯”で
”生きることはゲームだ”と思っている少年をグロテスクに描いています。
昨今の少年犯罪に繋がるところがあるかもしれません。
最後に”信じるという心”を取り戻す処にかすかな希望が見えます。