「マンデラの名もなき看守」
公開:2008年
出演: ジョセフ・ファインズ, デニス・ヘイスバート, ダイアン・クルーガー
1968年の南アフリカ。
アパルトヘイト政策にあったこの国では、黒人には参政権、土地所有権はもちろん、家屋の所有や教育の自由さえも許されない。
ジェームズ・グレゴリーも、黒人を下等な人間と見なすひとりだった。
ある日、彼は看守として赴任した島で、最悪のテロリストとされる男、マンデラの担当に抜擢される。
マンデラの生まれ故郷の近くで育ったために彼らの言葉が分かるグレゴリーに、秘密の文書や会話を監視し報告しろと言うのだ。
マンデラたちの秘密の会話を報告する任務を忠実に遂行するグレゴリー。
だが、彼はいつの間にか知性と人間愛にあふれたマンデラに魅了され、彼が目指す平等な社会に憧れていく。
そして、これは何十年も続く、マンデラとの奇妙で特別な関係の始まりに過ぎなかった…。
「ネルソン・マンデラ」
反アパルトヘイト運動により反逆罪として逮捕され長きに渡り刑務所に収容された。釈放後、アフリカ民族会議(ANC)の副議長に就任。その後、議長となる。アパルトヘイトを撤廃する方向へと南アフリカを導き1994年に大統領に就任。民族和解・協調政策を進め、経済政策として復興開発計画(RDP)を実施した。
この物語の主役はマンデラではありません。
最初は軽蔑対象でしかなかった黒人のリーダーのマンデラ。
彼を監視する事になったグレゴリーという白人看守の物語です。
マンデラと話をしていくうちに彼の考えと人間性に引かれてゆくグレゴリー。
しかし、世の中は黒人と話す事さえ疎まれるアパルトヘイトの時代
グレゴリーが家族や世間体と自分の中の正義との間で懊悩する姿がなんともいえません。
投獄されたマンデラが釈放されるまでの27年間を追った事実に基づいた作品。
人はどこでどんな人と出会うかによって、その後の運命が大きく左右される事があるのがよく判ります。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆☆