笹本 稜平 著 「フォックス・ストーン」を読みました。
傭兵経験のある桧垣耀二は、除隊後の事業に失敗し、鬱々とした日々を送っていた。
ある日、かつての戦友であり親友でもあったダグが東京で謎の死を遂げた。
彼の死に不審を抱いた桧垣は、真相を調べるうちに、北米、アメリカ両大陸にまたがる大きな陰謀の存在に気付く・・・。
「時の渚」・「太平洋の薔薇」・「天空の回廊」・「グリズリー」・「ビックブラザーを撃て」
どの作品もこってりしたハードボイルドを味合わせてくれる著者。
この作品はフランス外人部隊、傭兵もの。
日本人でありながらフランス外人部隊上がりの元傭兵、現セキュリティ・コンサルタントの主人公が、傭兵時代のパートナーの不審な死の謎を追って、アフリカ小国の虐殺の落とし物を拾って歩く物語。
導入部からテンポ良く物語は進む
傭兵の過去
CIAにFBI
音楽はジャズで
酒はマティーニ
クールな男女関係
ダイヤを取り巻く陰謀
国家転覆の策略
ぐいぐいと深まる謎、
転がる死体、
続出する証拠と証人たち
さすがは笹本作品
文章の濃さが違う。
たった1ページで事態は180度の急展開をしていたり
主要登場人物、と思った者があっさり命を落とし、
黒幕か、と思った人間もまた直後に命を落としていく
徹頭徹尾、がちがちのハードボイルド!
世界を股に掛ける重厚感と読み応えのある作品