綿矢りさ著 「蹴りたい背中」を読みました。
長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。
気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとするクラスメートたちに、初実は溶け込むことができないでいた。
そんな彼女が、同じくクラスの余り者である、にな川と出会う。
彼は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せる。
にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知る。
にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンであった・・・。
主人公はクラスをはみ出た高校生の男女2人。
ハツは、群れあうクラスメートに冷徹な視線を向けつつ、オタクのにな川を、興味もないのにからかう。
ハツがにな川の背中を蹴ったのは1回だけだが、蹴りたい残酷な気持ちと平常心の間をゆらゆらと揺れつつも、ハツはにな川のペースにはまって、一緒に因縁のファッションショーに出かける・・・。
サド女がオタクの背中を蹴って、背筋をゾクゾクさせている。
そんな作品これだけしかストリーがない。
あっという間に読み終える。
著者はこの作品で史上最年少の第130回芥川賞受賞。
私が蹴りたいのは、芥川賞の選者たちの背中です!