
火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。
過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。
非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか・・・。
高校時代に「いつかは火星に」を目指して模型ロケットを作って飛ばしていた5人の仲間が,30前後になってから1人の呼びかけをきっかけに集まり,自分たちで有人宇宙ロケットを開発して飛ばしてしまうというライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。
私も高校時代に科学研究会と云う同好会で「水圧ロケット」を飛ばしていた経験があります。
この物語の主人公たちは、高校生時代の夢を、大人になってから取り戻し、実現してしまうのです。
昔を思い出してわくわくしながら読めました。
宇宙へのロマンあふれるストーリーもさることながら、火星文学の系譜からロケット開発史やその具体的な技術に至るまで、平易で丁寧な説明がさりげなく散りばめられており、「宇宙ファン」が読むにも十分耐える内容になっていると思います。
「核弾頭を運べばミサイルに、人間を運べばロケットになる。」
そんな現実を抱えていてもロケットは飛んでいく。
若き日の真摯な情熱を思い出してみたい方や、宇宙を愛する向きにはお勧めの一冊です。
第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞
著 「夏のロケット」を読みました。