志水 辰夫 著 「裂けて海峡」を読みました。
海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。
乗組員は全て死亡したと聞く。
遭難の原因は不明。
遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。
やがて彼は愛する女と共に大きな渦に飲み込まれてゆくのだった・・・。
主人公は、双葉海運の社長「長岡知巳」。
実弟の乗り組んだ船の沈没に疑問を感じ、鹿児島まで、謎解きに来る。
そこで知りあうのは旧日本兵で特攻艇震洋の基地跡に暮らし慰霊碑の墓守をする「花岡康四郎」。
さらに恋人の「理恵」も行動を共にする事となる。
国家的陰謀のにおいを感じながらも徐々に謎に近づいてゆく過程が
テンポ良くスリリングに描かれてゆきます。
そして、ラストの超有名な1行が・・・
『天に星。地に憎悪。南溟。八月。私の死。』
これぞ、ハードボイルド・サスペンス小説!!