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熊谷 達也/モビィ・ドール

2010年09月30日 | 小説

熊谷 達也 著 モビィ・ドールを読みました。



東京から南へ二百二十キロ。

太平洋に浮かぶ厳倉島は、イルカの棲む島として知られている。

平和なこの小島で、動物行動学者・比嘉涼子は環境保護NPOの一員として、イルカの生態調査に従事していた。

だがその平穏な日々は、突然出現したシャチの群に破られる。

島のイルカたちを救うために、一頭のシャチ=モビィ・ドールへの追跡が始まった…。


「邂逅の森」、「相剋の森」、「ウエンカムイの爪」、「まほろばの風」、「漂泊の牙」などいままで呼んだ作品の殆どの舞台は東北の山々でした。

しかし本作は伊豆諸島の海が舞台。

ドルフィン・ウォッチングで生計を立てる人々とイルカを餌とするシャチの共生がテーマです。

イルカを襲うシャチと、それを守ろうとする人々が臨場感たっぷりに丹念に描かれています。

物語として面白いだけでなく、イルカやシャチの生態などの勉強にも成りました。
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