今さらですが、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」観てきました。
私の住むこんな田舎町の映画館で、
オダギリジョーの映画をするなんてこと、まずありません
(これまで「忍」だけでした~)
「東京タワー」が全国的に封切りになったときもやらなくて、
話題の映画なのに~、と思っていたら今ごろ・・・
ただ、今回観るかどうしようか、実は迷ってたんです。
リリー・フランキーさん原作の小説
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』。
タイトルからもわかるように、母と息子の物語です。
実はこのテの話はちょっと苦手。
母と息子の関係に比べると、母と娘の関係って、
どこか微妙だと思いませんか?
母親への思いが、息子ほどストレートでない、というか・・・。
私は娘だし(しかも三人姉妹の)、子どもも女の子ばかりで、
母と息子の愛情ってよくわかりません。
以前、男の子と女の子と両方のお子さんを持つお母さんが、
「男の子って、かわいいよ~」と言われるのを聞いたことがあります。
身近にも、男の子の方を可愛がってるなあ、と感じることが多々あって、
母親にとって、息子というのはそんなに特別なものなのか?
という素朴な疑問があるわけです。
娘の場合、自分の経験上ある程度突き放しても大丈夫、
というのがわかりますが、息子だとそうはいかない。
つい、放っておけなくて、と言われるのも聞いたことがあります。
それに、同性として見る目の厳しい娘と違って、
息子は優しいのでしょうね~。
まあ、そういうこともあって、
この映画も母と息子の美談だったらいやだなあ、
という思いがあったのです。
そういう面が無きにしも非ず、ですが、
泣かそうと思えばいくらでも泣かせることができる映画なのに、
そうせずに淡々と描いていたことには好感が持てました。
樹木希林さんは、それこそ「ジュリ~」のころから知っていますが、
(若い人にはなんおことかわからないでしょうね・苦笑)
たいした役者さんですね~。
自然で、表情豊かで、ほんとに「オカン」って感じでした。
若いオカン役の内田也哉子さんも初々しくてよかった~。
内田也哉子さんから樹木希林さんに替わるときも、
自然な感じだったし、さすが親子!という感じ。
オトン役の小林薫さんも、若い役はちょっとムリがあるなあと
思いつつ、身勝手だけれど憎めないオトンを演じておられました。
そしてボクのオダギリ。
この人には本当にいろんな表情があるのだなあ、
と思わずにはいられません。
いつも奇抜な格好で目立ってる彼だけど、
そして映画のなかでもピンクのシャツにピンクのパンツ、
なんてありえないファッションですが、
けっして目立ってはいないんですよね~。
(この服装の色合いが、心境を物語ってた?)
語り役ということもあるのでしょうが、
個性的なオトンとオカンの間で、
淡々と演じていたように思います。
原作も読んでないし、ドラマも観ていませんが、
オダギリが一番ぴったりだったんじゃないでしょうか。
情けな~いところがよかったです~
ただね~、お通夜の晩、オカンの横に寄り添うように寝る場面は
ちょっと引いてしまいました。
恋人とか夫婦、子どもにだったら理解できるけど、
母親に対してそこまでするか~と思うと・・・。
息子って、そこまで母親に愛情を感じてるものなのでしょうか。
あれでは、彼女が見たら引くよ~。
(というか、嫉妬するかもしれない)
都会で、田舎に暮らす母を思う世の息子たちは、
この映画を観て泣くのかな。
それだけ母親に対する思いっていうのは深いのですね。
そういう母親にはなれそうにないなあ・・・
この映画を観て一番驚いたのは、
リリーさんが私より年下だとわかったこと。
子ども時代の炭鉱町の様子を、
ずいぶん昔の話だなあと思って観てたんです。
私の子ども時代もこんなもんだったのか~、と、
改めて気づかされました。
そういえば、道路だって舗装されてなかったなあ・・・。
ある意味、誰もが自分自身を振り返り、
ちょっぴり懐かしむ映画なのかもしれません。