万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

闘う相手を間違えないで

2007年12月13日 18時24分04秒 | ヨーロッパ
慰安婦決議へ、欧州議会 日本政府に公式謝罪求める(共同通信) - goo ニュース

 米下院に始まる”慰安婦決議”の波は、オランダ、カナダと続き、終にEU議会にまで達することになりました。この動きが連鎖性を持つことから見ますと、おそらく、何らかの国際ネットワークを持つ組織的な背景があるものと憶測することができます(違う国や地域が、同時期に同じ内容の決議の採択するのは、あまりに不自然です・・・)。

 それでは、この背景とは一体何なのでしょうか。もちろん、16世紀以降の歴史を振り返りますと、欧米諸国の中で、他国を一方的に批判できるほど倫理的に潔癖であった国はありません。他国への批判は両刃の剣となります。それにも拘わらず、”慰安婦決議”が、こうも簡単に可決されるとなりますと、むしろ、現在、身に覚えのある国が、自らに国際批判の矛先が向くことを避けるために、日本国を人身御供にしているのではないか、という疑いさえ頭にもたげてくるのです。

 各国やEUの議会が心して闘うべき相手とは、本当は、今この時に起きている人権弾圧や迫害なのではないでしょうか。もちろん、日本国にも説明不足や軽率に談話を発表するなどの反省すべき点はあるのですが、何か、これら一連の決議採択には、”目くらまし”があるように思えてならないのです。

 なお、議会決議の手続き上の問題点につきましては、よろしければ、この記事(http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=560f40d313c7f35fd6b2b67edc2ad42a)もご覧になってくださいませ。
コメント (2)
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