「文化の原点、感銘深い」=福田首相、孔子廟を参観-中国・山東省 (時事通信) - goo ニュース
中国政府は、自国の言語・文化広報機関として、「孔子学院」を世界各地に設立し、積極的に孔子をアピールする作戦を展開しています。しかしながら、中国政府の意図に反して、この戦略は、裏目に出てしまう可能性もあるのです。
儒教とは、紀元前6頃の人物である孔子が、家族道徳の実践から仁の完成を目指し、君臣両者の修身を基礎とした治国・平天下を唱えた政治倫理の学とされています。政治思想史から見ますと、自由、民主主義、法の支配といった西欧政治思想に由来する現代国家の価値体系とは異なる政治倫理思想であるとも言えましょう。
もちろん、儒教の中にある現代国家には欠けている倫理的な要素を評価することもできます。しかしながら、この思想を強調しますと、第一に、諸外国からは、中国が、形式的な位階秩序や上下関係を重視する古代型の国家を目指していると見なされるかもしれません。第二に、国内的には、儒教の求める君子の仁徳を、現代の中国政府が体現していないことにことに対する不満が、国民の間で高まる可能性もあります。政府に高い道徳性が求められるとしますと、共産党の腐敗は、国民にとりましては、より許し難いものとなりましょう。また、第三に、憲法には記されていない思想体系を持ち込むことになりますので、政府自身が、共産主義を否定したものとも受け取られかねません。
このように考えますと、中国政府が積極的に孔子礼賛路線をとることは、まことに不思議なことです。あるいは、内外からの民主化・自由化の要求を古代思想を盾にしてかわしたり、国内において宗教が広がるのを妨げるためなのかもしれません。
中国政府は、自国の言語・文化広報機関として、「孔子学院」を世界各地に設立し、積極的に孔子をアピールする作戦を展開しています。しかしながら、中国政府の意図に反して、この戦略は、裏目に出てしまう可能性もあるのです。
儒教とは、紀元前6頃の人物である孔子が、家族道徳の実践から仁の完成を目指し、君臣両者の修身を基礎とした治国・平天下を唱えた政治倫理の学とされています。政治思想史から見ますと、自由、民主主義、法の支配といった西欧政治思想に由来する現代国家の価値体系とは異なる政治倫理思想であるとも言えましょう。
もちろん、儒教の中にある現代国家には欠けている倫理的な要素を評価することもできます。しかしながら、この思想を強調しますと、第一に、諸外国からは、中国が、形式的な位階秩序や上下関係を重視する古代型の国家を目指していると見なされるかもしれません。第二に、国内的には、儒教の求める君子の仁徳を、現代の中国政府が体現していないことにことに対する不満が、国民の間で高まる可能性もあります。政府に高い道徳性が求められるとしますと、共産党の腐敗は、国民にとりましては、より許し難いものとなりましょう。また、第三に、憲法には記されていない思想体系を持ち込むことになりますので、政府自身が、共産主義を否定したものとも受け取られかねません。
このように考えますと、中国政府が積極的に孔子礼賛路線をとることは、まことに不思議なことです。あるいは、内外からの民主化・自由化の要求を古代思想を盾にしてかわしたり、国内において宗教が広がるのを妨げるためなのかもしれません。