万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

共和党と民主党で微妙に違う国家観

2008年02月06日 19時23分36秒 | アメリカ
速報スーパーチューズデー コラム「大手町から見る米大統領選」(16回目) (gooニュース) - goo ニュース

 今日は、大統領選の行方を占うスーパーチューズデーということで、テレビやネットでは、選挙の開票結果が盛んに速報されています。現在のところ、両党とも決定的な勝敗は付いていないとのことですが、両党の候補者選びの制度から、微妙な国家観の違いが見えてきます。

 共和党の場合には、大統領本選と同様に、党レベルであっても、最も多くの得票を獲得した候補者が、州毎に割り当てられた代議員数の全てを獲得する”総取り方式”を採用しています。一方の民主党は、州毎ではありますが、候補者の得票数に応じて代議員を割り当てる”比例分配方式”を用いているのです。それでは、両者の違いは、何に起因しているのでしょうか。

 建国以来の歴史を振り返ってみますと、アメリカは、独立的な州が合邦した”合衆国”として成立しました。このため現在でも、アメリカでは、大統領は州が決定するという意識が強いのです。この伝統を引き継いで、共和党は、大統領選挙における”州”の選択を重視していると理解することができます。対して、比例制を採用している民主党は、大統領の選出には、”個人”の選択をより強く反映すべきと考えているようです。つまり、民主党の方は、”単一国家”の考え方に近いのです。

 両党の選挙制度の違いが、アメリカの国家間の違いをも表していることは、大変、興味深いことと思うのです。

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