万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

政治色に染まった融資の失敗?

2008年02月27日 18時08分00秒 | 日本経済
新銀行東京 もはや「撤退」するしかない(読売新聞) - goo ニュース

 公的金融機関の失敗の原因は幾つかありますが、その一つに、市場の論理ではなく、政治の論理で融資が行われやすい体質も指摘できるのではないか、と思うのです。

 民間の金融機関であれば、返済が不可能となったり、不良債権化するような危ない企業への融資は躊躇するものです。その一方で、公的な金融機関とは、そもそもの目的が、中小企業の救済にありますので、むしろ、リスクの高い融資先に優先的に貸し付けが行われることになってしまうのです。金融のプロではない公務員によって、公的な補助金感覚で金融業が営まれるわけですから、経営が傾くことは必至となりましょう。

 新銀行東京のケースの詳細はわかりませんが、都が同じ1000億円の予算を投じるならば、中小企業への技術支援や新たな市場開拓に関する情報提供サービスの充実など、別の方法もあったのではないか、と思うのです。

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