万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ロック・ミュージックは何と闘ってきたのか

2008年02月26日 17時31分26秒 | 国際政治
クラプトン氏に公演依頼 北朝鮮、英紙報道(共同通信) - goo ニュース

 北朝鮮の音楽外交のターゲットは、ニューヨーク・フィルのみならず、遂に、ロック・ミュージシャンにまで及んだようです。ギタリストのクランプトン氏はこの招きに応じる方針とのことですが、これでは、ロック・ミュージックは何を破壊し、何と闘ってきたのか、まったく訳が分からなくなってしまうと思うです。

 ロック・ミュージックとは、既成の価値観を壊し、反体制を標榜する音楽表現として理解されてきました。ロックに傾倒する若者は、お仕着せの生き方を強要する大人たちへの反発を音楽を通して主張し、同世代の人々を熱狂の渦に巻き込んできたのです。しかしながら、ここにきて、ギタリストのクランプトン氏が、北朝鮮の宣伝に一役買うとなると、ロック・ミュージックが壊そうとしたのは、自由な社会や民主主義の制度であって、決して、権威主義や全体主義ではないことになってしまいそうです。

 クランプトン氏は、反抗期の若者をとっくに卒業して権威の側に立つことにしたのでしょうか、それとも、北朝鮮に迎合するふりをして、かの地で、エレキギターを武器に自由を叫んで大暴れをするのでしょうか。ぜひ、後者であってほしいと思うのです。

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