万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

基地移設問題―沖縄防衛を判断基準に

2009年12月04日 12時51分05秒 | 日本政治
普天間移設「新しい場所を」首相が指示(読売新聞) - goo ニュース
 近年、急激な経済成長を背景として、中国が軍拡に躍起になっていることは周知の事実であり、防衛白書においても再三指摘されているはずです。もし、安全保障上の危機が発生するとすれば、まず、尖閣諸島と沖縄が危ないことは充分に予測できるのです。

 東アジアの軍事バランスが大きく変化している時期に、”基地移転”という名の下で沖縄の駐留兵力を削減することが、果たして”平和”なるものに貢献するのか、疑問なところです。社民党は、”基地のない沖縄”をスローガンとして、普天間基地の県外・国外移設を主張し、首相もまた、社民の要求に屈してグアムへの移転を念頭に日米合意を白紙に戻したいようです。しかしながら、いざ沖縄有事となりますと、グアムや本土からの出撃では即応できないことは、地図を見れば一目瞭然です。沖縄の駐留米軍の兵力が、中国の軍事行動に対して抑止力として働いている側面を忘れてはならないと思うのです。

 基地問題は、沖縄防衛こそ最大の判断基準とすべきであり、県外や国外に移転しても何らの支障もないならば、政府は、沖縄県民ならびに国民が安心するように、充分な説明を行うべきなのではないでしょうか。”基地のない沖縄”が、平和どころか、戦争を引き起こす可能性もあるのですから。

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コメント (6)
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