万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の軍拡を説得材料にできない民主党政権

2009年12月06日 15時24分51秒 | 日本政治
「私たちより米大事か」外相に名護住民怒号(読売新聞) - goo ニュース
 昨日、岡田外相と名護市住民との間で意見交換会が開かれ、その席で、住民の方から、沖縄よりもアメリカが大事なのか、という厳しい言葉が投げ付けられたと報じられています。もし、政府が、沖縄の方々に日米合意の順守に対する理解を求めたいならば、やはり、東アジアの軍事バランスの変化と中国の脅威を正直に語るべきではないかと思うのです。

 沖縄の方々にとりまして、米軍基地の存在が、基地騒音や事件・事故など迷惑この上ないことは、日本国民の多くが理解しております。冷戦が終焉した90年代にあっては、米軍の存在に積極的な意義を見いだせなかったかもしれません。しかしながら、21世紀を迎えますと、急激な軍拡と近代化による中国の軍事的な台頭があり、尖閣諸島周辺や東シナ海における活動を活発化させています。沖縄にも中国の脅威が忍び寄っていることは、沖縄県民の方々も、うすうす気づいているはずです。状況が変化した現在にあっては、沖縄よりアメリカが大事というのではなく、沖縄が大事であるからこそ、米軍の駐留が必要とも言えるのです。

 鳩山首相は、”友愛”の名のもとに親中外交を進めており、北澤防衛大臣も、中国を脅威とは認識していない、と発言したとも伝わります。民主党政権の現実の脅威を見ようとしない態度が、沖縄県民の方々を説得できない要因ともなっているように思えるのです。

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コメント (4)
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