万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ダボス会議では中韓の為替操作対策を

2013年01月27日 15時34分37秒 | 国際政治
円安 海外から誘導批判、相次ぐ(産経新聞) - goo ニュース
 スイスで開催されているダボス会議では、円安傾向を受けて、ドイツなどから日本国の”為替操作”を懸念する、との非難の声が上がったそうです。すかさず、甘利経財相は、ユーロ体制によるドイツの恩恵などに触れ、反論したそうですが、世界経済の構造的な問題の一旦は、長期にわたって、中国や韓国の為替操作を放置してきたことにあるのではないかと思うのです。

 最近に至って、アメリカも、巨額の貿易赤字に業を煮やして、中国製品や韓国製品に対してダンピングを認定するようになりましたが、それまでの間、両国は、積極的な自国通貨安政策を追求することで、輸出競争力を高めてきました。その効果は絶大であり、雑貨市場のみならず、先端のスマートフォン市場などにおいても、両国製品の市場シェアは、群を抜くようになったのです。一方、民主党政権下にあって、逆方向に超円高政策を実施した日本国は、輸出競争力が激減し、得意の家電分野でも、ブランド企業でさえ、巨額の赤字を計上するようになりました。現在、円相場は、対ドルで80円代後半に上昇しましたが、この相場は、民主党政権発足時の水準にも達しておらず、”円安政策”とは、ほど遠い状態です。対ユーロ相場では、まだまだ相当に円高でもあります。輸出競争力が落ちれば、通常は、自然に通貨安になるのですが、日銀のデフレ政策により、逆に超円高に向かったのですから、ここ数年来の現象こそ、異常と言わざるを得ません。

 日本の超円高はさて置くとしても、中韓のアンフェアな為替操作によって、世界大の貿易不均衡が拡大すると共に、中国への過度な富の集中が起きていることは問題です。そして、日本以外の他の先進諸国の企業もまた、軒並み市場シェアを落とすことになったのですから、どちらの害が深刻であるかは、一目瞭然です。ダボス会議では、世界経済の混乱要因である中韓の為替操作への対応策こそ、真剣に議論していただきたいと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする