次期アメリカ大統領の選挙戦の中に発生したトランプ前大統領暗殺未遂事件の影響は様々な方面に及び、人々の認識をも変えつつあります。同事件を契機として変化した認識の一つとして挙げられるのが、多くの人々が陰謀の実在を実感するようになったことではないでしょうか。同事件の前と後とでは、陰謀肯定派と陰謀否定派の比率が逆転しているようにも思えるのです。
トランプ前大統領暗殺未遂事件については、政府とメディア、並びに、捜査当局も、クルックス容疑者による単独犯行として最初から決めつけているようです。しかしながら、この説明を鵜呑みにして素直に信じる人は、それ程には多くはないことでしょう。今日、ネット上では、誰もが組織犯罪説の傍証となるような情報を容易に入手することができます。
例えば、クルックス容疑者と世界最大の資産運用会社であるブラックロックとの関係がCM出演から明らかとなったのみならず、同社関連の投資会社が、事件の発生直前にトランプ関連企業株を大量に空売りしていたとする情報もあります。同社は単純なミスと弁明していますが、その動きが事件直前だけに、同事件を予め知っていた、あるいは、仕掛けたとする疑惑がもたれているのです。
また、こうした金融勢力の不可解な行動やクルックス容疑者を取り巻く疑惑に加え、銃撃現場で記録された銃声音の分析は、同容疑者の銃以外からも発砲があった可能性を強く示唆しています。トランプ前大統領の耳に残る傷跡からしても不自然であり、別の所に潜んでいたプロの暗殺者による特殊な銃による射撃であったとする説も、あながち間違ってはいないのかも知れません。
メディア各社の、いかにも世論誘導感を狙っている報道ぶりもむしろ怪しさが増す逆効果となっているのですが(‘隠れたるより現るるはなし’)、とりわけ、事件が発生したアメリカ以上に陰謀の実在性が実感したのは、日本国民であったようにも思えます。何故ならば、同暗殺未遂事件は、安部元首相暗殺事件に極めてよく似ていたからです。暗殺未遂事件発生直後から、クルックス容疑者と山上容疑者の服装まで酷似しているとの指摘があり、確かに、両者ともにグレーのTシャツとカーキ色のボトムという服装です。単なる偶然の一致とは思えず、前者が後者を模倣したとする説もありますが、両者に見られる共通性は、両者が、共に同一のグローバルな組織的な繋がりを持っていることを示しているとも言えます。否、人物像や生活パターン等にも共通点が見られますので、両者ともに、何らかの基準に照らして‘選ばれた’とする推理も成り立ちましょう。
また、上述したようにトランプ前大統領は複数の暗殺者により別角度から射撃された可能性が高いのですが、安部元首相暗殺事件においても同様の不自然さが報告されています。この点については、後者の不自然さはより明確であり、山上容疑者による単独犯行は物理的に不可能と言わざるを得ない状況にあります。アメリカから元大統領暗殺未遂事件発生の一報が入ったとき、多くの日本国民の脳裏には、安部元首相暗殺事件が過ったことでしょう。そして、トランプ前大統領暗殺未遂事件にあって組織的犯行である可能性が高まるにつれ、日本国政府とメディアが結託し、必至になって押さえてきた安部元首相暗殺事件組織犯説の蓋も開いてしまった感があるのです。
安部元首相暗殺事件が発生後にあって、メディアのみならずネットなどでも組織犯説は、フェイクニュースやデマに騙されやすい人々の戯言扱いされ、‘陰謀論’として嘲笑される嫌いがありました。しかしながら、アメリカにあって暗殺未遂事件が起きた今日、同事件が組織犯であったとする説の方が、余程、合理的に事件を説明することが出来ます。科学的分析結果も組織犯説を強く示唆しているのですから。そして、両者の共通性は、組織的に暗殺を計画し得る勢力が、グローバルなレベルで暗殺計画を実行し得ることを示してもいるのです。
かくも陰謀の実在が明るみとなりながら、政府やメディア等による世論誘導に乗せられてしまうのでは、『裸の王様』に登場する、見て見ぬ振りをする大人達を笑えなくなります。政府やメディアが国民を騙し、害する存在であることが判明してしまった今日、これらの声を信じるよりも、自らにかけられた洗脳を解き、内なる理性や良識を信じる方がよほど自らの身も社会の安全も護られます。政府やメディアが世界権力の出先機関に過ぎない以上、‘信じる者は救われない’時代を生きているのですから。