@シネマサンシャイン
原作:山本兼一
監督:田中光敏
出演者:西田敏行・福田沙紀・椎名桔平・大竹しのぶ・寺島進・山本太郎ほか
上映時間:139分
★★★
幻の城・安土城の築城に携わった宮大工・岡部又右衛門の生き様を描いた時代劇
まさに“戦国時代のプロジェクトX”だった。
たったの3年で消失した安土城のスケールの大きさ、
それを築いた宮大工の匠の技、
天才宮大工をささえた家族と仲間の愛情が描かれていた。
クレーンも重機も無い戦国時代にとてつもなく大きなものを建てたのは
すべて“人の力”
あの巨大な天守をささえている木組みという宮大工の技
400年以上も前の人たちはとてつもない力を持っていたんだなぁと思う。
命がけでなし遂げようとする思い。
その力のもとはどこから来ていたんだろう。
親方様信長の権力への恐怖なのかな。
宮大工としての誇りかな。
椎名桔平さんの演じる信長、なかなかよかった。
キッカワが信長を演じて、信長という人物像のイメージが変わったけど、
“たわけ”とか“ならぬ”とか、やっぱりすごい武将だったんだなと思う。
羽柴秀吉の役が次長課長の河本だった。
そんで、『天地人』で秀吉を演じていた笹野さんは木曽義昌役。
なんか一度自分のなかで役のイメージができあがっちゃうとヘンな感じ。
3年で建てて、築城3年で本能寺の変の2週間後に炎上した安土城
幻の巨城だわ。
いったいどんな天守だったのか謎っていうのがドラマティック。
安土城の全景が描かれたものは今バチカンにあるとか。
何年か前にテレビで加藤雅也さんがストーリーテラーで安土城の謎を追う番組
やっていておもしろかったんだよな。
もう1回見たい。
五重の天守は吹き抜けになっていたっていう説とそうじゃなかったって説が
あるらしい。
ちょっと前に『世界不思議発見』でやっていたけど、
普通は“天守”って書くけど、安土城は“天主”って書くってやってた。
信長がその力を誇示したあらわれ。
パンフの中の、宮大工の人たちの集合写真みたいなページがすごくいい。
どれだけの力と思いがお城をささえているのか、
石垣の石ひとつにもどれだけの思いがこめられているのか、
ちゃんと思いながら登城しよう。