未成年の少年グループに蹂躙され命を落とした女子高生
その父親・長峰が、犯人の少年を殺害し
さらなる復讐のため逃走する。
追う警察とマスコミ。
多くのミステリものは、誰だか分からない犯人をつきとめるっていう
ストーリーだけど、これは犯人は誰だか分かっているのに、
その犯人がさらに罪を犯すかどうかを見届けるストーリー。
そのちょっと変わったストーリー展開にあっという間に
引き込まれる。
警察より先に犯人の少年を探し、自分の手で復讐をすると誓った長峰。
犯人を殺したところで何も報われないとわかっていながら、
今の世の中の法にまかせるわけにはいかないから。
少年法とか、加害者のプライバシーは守られるのに
被害者は守られないっていう、今の世の中の問題点を捉えていて
なんともやりきれない。
事件を担当した刑事、長峰をかくまった女性、
長峰にどうして欲しかったのか。
わたしだったらどうするか。
娘を殺した犯人をこの手で裁きたい、殺したいと思うことは
許されないことなのか・・・
重くて答えの出ないテーマだな。
でもそれだけじゃなくてミステリとしてのどんでん返し的な展開もあって
読ませるなー。