レース展望が終わったのがお昼頃だと思うんだけど、
それからもずっとレースは続いていてただ待つっていうんじゃないから
意外とあっという間に時間が過ぎる。
キッカワ登場まではまだあるんだから座っていようって思うんだけど、
馬がゴール前を通るとついコーフンして立ち上がって
にわか競馬ファンみたい。
コースは1周2000m
陸上トラックと同じようなものかと思ったら、けっこうアップダウンもあるんだ。
素人ながら見ていると、最終コーナー過ぎてからが勝負ところなのか、
そこからレースが急展開したりする。
順位表示に「審議」の文字が出るとドキドキしちゃう。
大きなターフビジョンにはときどきこんなのが映る。
親切な競馬ファンの方が競馬のことを教えてくれたのも
レースを楽しく見られたことのひとつ。
いい人たちだぁ。
メインレースが近づくにつれて人もどんどん増えてくる。
8レース終わって、そろそろ立ってようかってころにはドキドキ。
その頃には人でぎゅうぎゅう、前後左右おっさんに囲まれて身動きできなく
なっちゃうかと思っていたらそうでもなかった。
そして、いよいよメインレース11R第70回菊花賞のはじまり。
他のレースのときとは違うファンファーレが鳴り響く。
G1レースって“特別”なんだ。
その瞬間の客席から手拍子が湧き上がる。
すごい。
トリハダがたつ。
ターフビジョンに、地下通路からやってくる馬たちとキッカワが映るとさらに
大きなどよめき。
来たーーーーっ
白馬に乗った吉川晃司
黒い燕尾服にシルクハット
黒いロングブーツ
白い手袋
なんだこのかっこよさ
今まで読んできた少女マンガに出てくる白馬の王子の誰よりもかっこいい。
アンソニーよりも、少尉よりも。
感動で涙でそう。
足がふるえたよ。
燕尾服の金ボタンがまたよくって。
高貴な雰囲気だだよっている。
ロングブーツと燕尾服の裾の間の絶対領域から見える白いパンツ。
背筋をピンとのばして堂々としている。
どこぞの貴族の方ですか?っていう品のよさ。
二頭の馬をしたがえて進んでいく。
一瞬たりとも見逃したくなくて凝視していたんだけど、
競馬場の放送席(でいいのか?)から、“菊花賞にキッカワコウジー”って
さけぶアナウンスが聞こえた。
まっすぐ進んで止まって正面を向いて
またこっちにもどってくる。
いつもと違うキッカワコージ。
なんてカッコいいんだこの人は。
この夢みたいな時間をもう1回巻き戻して見たい。
なんかね、もう、ほんとうにすごかった。
つい口から“かっこいい”ってコトバがこぼれてしまう。
わたしのデジカメはたったの3倍ズームだもんで
こんなお粗末なのしか撮れないんで撮影はあきらめて
目カメラに焼き付けようとしたけど、納めきれないかっこよさだったな。
ビデオカメラと3脚持っていきゃよかったよ。
そんなこんなで魂も腰もぬけそうなくらい感動していると
いよいよレースのスタート。
なんかもうワケもわからずコーフン。
ゴールのあの一瞬。
なんかすごかったな。
モロフォーになって、世の中にはまだこんなワクワクすることがあったんだと
感動してしまった。
客席から破った馬券が舞うところも見ちゃった。
1位を飾ったのは8番人気スリーロールス
浜中騎手はG1初制覇だそう。
そして表彰式にもキッカワが登場。
表彰式は、舞妓さんやらキレイどころや、オエライさんふうな人たちがやってきて
本格的なセレモニー。
キッカワは、シルクハットと手袋を脱いだ格好で登場。
目の前を通って表彰台の方へむかう。
どこからともなく聞こえる“キッカワー”って声に反応してか、
こっちを向いてくれた。
あーもうもうもう。
うれしすぎる。
笑っていたよ。
関係者の方の隣に並んでなにやらお話。
手をうごかしながらお話していたのは表彰の段取りでも確認してうたんでしょうか。
顔は見えないんだけど、なんとなく笑ってるような感じが伝わってきた。
キッカワが優勝馬関係者にメダルをかけていた。
そのときのお辞儀がこれまたぴしーっとキレイで。
指先までピンとのびている。
なんて堂々とした姿なんだろう。
記念撮影は浜中騎手の隣で、笑顔でした。
本当に、ぜいたくなシアワセな時間だった。
お友達のズームカメラで撮ったのを見せてもらったら
もうホントにかっこよくって。
まいってしまった。
親切にしてくれた競馬ファンの方もキッカワのことをほめてくれた。
馬も落ち着いているし、馴染んでいて上手に乗れている、みたいなことを
言ってくれた。
こういう、何度も大きなレースを見て、たくさんの誘導馬を見ている人たちの
コトバっていうのがうれしい。
そう言えば、この親切な方は、キッカワのレース展望が
ターフビジョンに映ったのを見て“オーラがあった”とも
言ってくれた。
いい人だー。
なんつーの、このかっこよさ。
“カッコいい”ってコトバをいくつ集めても足りない。
今までのキッカワのかっこよさとはまた違ったかっこよさ。
堂々と、凛々しくて。
たまらん。
もういろんな意味でヘロヘロだったけど、わたしたちには
もう1つ仕事がーっと緑の広場へ。