望みは何と訊かれたら (新潮文庫) |
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新潮社 |
学生運動にのめりこんでいた沙織が凄絶な粛清リンチから逃れ
身ひとつで逃げ出したその先で沙織をかばってくれた男。
沙織を愛玩動物のように扱ったその男との、
世間から隔離されたような生活。
その2人が30年後に再会する。
タイトルにひかれて読んだんだけどね。
どこにも共感できるとこの無い話。
別に、読む本にテーマや著者が伝えたい真意を求めているわけではないけど。
学生運動にのめりこむ心情も、
2人の関係性も、沙織をかくまって乳児のように扱った秋津の心情も、
なんか中途半端っていうか。
沙織の回想という形だから、秋津の心情はまったく描かれていないし。
それで、再会してまた同じ関係になっていくって。
結局なんだったんだ、この2人って感がいなめない。