1981年に「BGM」と言うアルバムを発表したYellow Magic Orchestraは彼らの音楽の視点を表している。
BGMとはBack Ground Musicの略であるが、一見人々が見逃してしまう事柄の中におもしろくて大事な事が潜んでいる事実を、彼らなりのやり方で示してくれたのだ。
初期の日本の誇るゲームサウンドやテクノロジーを前面に出し、外国人が感じる東洋のイメージを逆手に取ったインストルメンタル音楽の提示は、それまで気付いていても見過ごしていた人々に新鮮に、特に海外の人々には忘れられない音楽と映っただろう。
実際にアンビエントな音楽も取組んでいるが、前面に出るフォアグラウンドの物だけでなくバックグラウンドにある物や普通と思っている事を一度疑って事象を見ると、違う世界が開ける事を彼らは示してくれた。
環境音楽の一つの側面を見る思いである。
そしてある意味、京都的な考え方と捉えることが出来ると思う。
*今年はメンバーの高橋幸宏さん、坂本龍一さんが相次いでお亡くなりになりました。
謹んでご冥福をお祈りします。
あなた達の音楽で大いなる希望と可能性を学び聴かせていただき、大変ありがとうございました。
=次回に続く= by きしかなん