スペイン語でマヤトレン(電車)。現大統領肝いりの、メキシコの南部(大雑把にいう南部)にある有名な遺跡の近くを通る鉄道です。環境破壊を理由に反対する人も多いんだが、どちらかというと大統領シンパが絶賛してアンチが反対するって感じですかね。えーと、これを取り上げてる日本語メディアはほとんどが旅行業界や投資コンサルその他のお仲間、あるいは政府発表をそのまま伝えるニュース系なんで、だいたい好意的な紹介です。実際はそうでもないw
隣のキンタナ・ロー州のトゥルム、カンクン、バカラル(きれいな湖があるリゾート)とか、うちの州ではチチェン・イツァ、ウシュマルと、町中が黄色い建物でかわいいイサマルというとこ、で、終点(あっち側の)が石棺に描かれた絵が宇宙飛行士じゃないかと有名なパレンケ遺跡。
えーと、短い旅行でいっぺんに見て回るのが大変なのは分かるが、観光なんてリピーターを獲得してなんぼだと、むかし立教の観光学科で学んだ友達が言ってたし、そりゃそうだと思う。一度に回れるようにしちゃっていいんですかね?
大統領は格差是正のためだ!と息巻いていて、そりゃ近隣の村で観光客相手の商売が多少発展するだろうが、一番美味しいところはホテルなんかを建てる大手資本に持っていかれるのが、フタを開ける前から分かっている。
そもそも観光立国を目指すのは資源がない国のやることだ。まぁどうせ、自国資源を生かしていないのはマヤ鉄道があろうがなかろうが変わらないんだが。プロジェクトそのものの是非だけでなく運用の仕方・資金やコスト拡大など、とにかく話題に事欠かない。
昔ユカタンにあった鉄道のメリダ駅/車両基地跡はプランチャと言って、メリダの中心(セントロ/旧市街ではない)にある。そこに駅を作る話は実現せず、近郊(一応現在はメリダ管轄区内)に建設している。メリダの旧市街までバスで1時間弱(渋滞加味して)ってところでしょうか。
目立つ批判は環境破壊なんだが、こちらではマヤ鉄道向けの資材が荷役が足りずプログレソ港で滞っていて、怪しい求人が急増しているというニュース。資格など不問、応募先も何処の馬の骨?みたいなブローカーがうようよしているという。実際、ルート上の州では、敷設工事に駆り出されて建設作業員が不足気味である(だから隣地の現場みたいな底辺ワーカーにも仕事があるw)。
そんな昔にもあったとは知らなかった。メリダ〜パレンケ間が20時間弱だと書いてある。今のプロジェクトは3時間半になると自慢しているが、脱線しないんですかね。とにかく枕木が全てコンクリート製、この距離ではメンテがえらい大変そう。その辺はメキシコが一番苦手とするところで、首都の地下鉄なんかでも大事故が起こっている。
1970年というと、メキシコオリンピックの2年後だ。東京(新幹線)みたいに、オリンピックに合わせて国を挙げて作った鉄道だったんだろうか。現在使われてないってところが、いかにも物を大切にしない・先のことはあまり考えないメキシコらしくて面白い。
我々は遺跡だろうが何だろうが、あまり観光地巡りには興味ない。どちらかというとその遺跡で人々はどう暮らしていたか?とか、今も普通に暮らしているマヤ民族と当時の人々の繋がりってどうなってるんだ?もう記録や直接の記憶は何も残ってないんだろうかとか、そういうことに興味がある。
そういうわけで最近ユカタン南部の村々に足を伸ばしているんだが、途中どうしてもこの鉄道工事現場を目にしたり敷設中の線路と交差したりするんで、書いてみました。
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