甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

餘部の海、冬、波

2020年04月22日 19時02分39秒 | 山陽道・山陰道への旅!

 鉄橋の写真を撮るためだけに、鳥取に泊まり、朝一番で駅に降り立ちました。

 雨は止んで、風は少々、時折青空も見えたりしました。でも、日本海側の冬って、もっと厳しいはずです。これはボクが与えてもらった天の恵みというべきか。

 この時、ダウン着てたかな? 違うぶ厚い服を着てた気がするけど、どんな服だっのか、記憶にありません。自分はどうだってよかったのです。とにかく、鉄橋と街の雰囲気を撮れればそれでよかった。

 ボクって、写真家? いえ、ただの、つまらないオッサンですけど、カメラもポンコツですけど、何でもかんでも、闇雲に撮るのが好きなだけで、特にめざしているものはなくて、ただ風景を撮りたいだけです。それが何の意味があるのかなんて、考えていません。おもしろいものが撮れればいい。なかなかそんなの撮れないけど!

 町も歩いてみました。でも、取りつく島がなくて、落ち着くところもなくて、もちろんコンビニもなくて、道路は駆け抜けていくクルマが過ぎていくだけです。クルマは本当に人が乗っているのか、それさえ定かではありません。人間の姿はどこにもないのです。

 どんなにあこがれの鉄橋でも、同じところで何十枚も撮れるわけではないから、動き回らなきゃいけないし、港を抜けて、半島の方にずっとつながっている道があったから、それはどんどん坂をのぼっていくみたいなんだけど、橋が違う角度で見えるから、いいんじゃないのと、歩いてみました。

 海は茫漠としています。水面は分かります。空も何となく明るい。半島はどこまでつづいているのか。こちらはクルマは来なくて、幹線道路ではないようです。


 海が広がって見えたら、もう橋は視界から消えていました。

 鉄橋も見えない。クルマも走らない。坂道は続いている。海からの風は、それほどではないけれど、そんなに優しいものではない。足元では、ずっと波はくだけています。それは、見ていても飽きないものではあります。

 いろんな表情を見せている。

 押し寄せ、くだける。行き場もないから、波も引いていくから、一度フラットになってみる。でも、ムックリ、何ものかがいるみたいにして、波がよみがえり、下からも湧きあがり、波を呼ぶ、そうすると、また押し寄せる。


 そんなことが繰り返されています、休みなく。

 ボクは、何をしに来たんでしたっけ。お正月、家族とも一緒にいないで、どうして知らない土地の、海に向かう半島への道でボンヤリしているんです?

 何だか、海に魅入られそうな気配がしました。

 何かヤバイ、ではないな。とにかく、ここから引き返さなくちゃ! とは思ったのです。少し怖くなった。全く変な気持ちはないけれど、淋しいのは確かで、街へ戻らなくてはと思いました。


 波は同じようで、同じでなくて、何度も寄せては砕けてを繰り返していました。

 もう、海はいいかな。鉄橋を見なくちゃ。街を見なくちゃ。と、スゴスゴと引き返したんです。

1 半島へ道は坂道 冬の海

2 冬の海 魅入られそうな波また波

3 冬の海 北風真っすぐ押し寄せる


 こちらは、2022年の夏、鉄橋あと公園の上から餘部の町を撮りました。みんな真っ黒な瓦でした。知りませんでした。石州瓦?

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