甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

英国王のスピーチ 2010

2025年01月29日 21時46分34秒 | だいたい映画、ときどきテレビ

 2024年の大河ドラマ「光る君へ」の紫式部役の吉高由里子さんは左利きでした。でも、平安時代の女官が左利きでかなを書くというのは、少しおかしいから、役を作り上げるため、右利きでお習字をすることにした。そして、役者魂でそれらしく書けるようになったということでした。それは役作りのため、仕事のためにしたことだから、納得するというか、なさねばならぬ、とやりぬいたことでしょう。作中でもじょうずに書いていたと思いましたが、どうだったかな。今はもとの左利き書道なんてしてるのかなぁ。

 さて、日曜のお昼、NHK-BSで「英国王のスピーチ」(2010)を見ました。

 私の好きなヘレナ・ボナム・カーターさんが出ていて、王子様の奥さん役でした。彼女が献身的に王子様のヨーク公を支えていたので、それはうれしくなりました。最近は何だかがさつな役柄が多くて、魔女にさせられたり、何だかかわいそうでした。彼女はちゃんと奥ゆかしい奥方役もできたのです。そちらが彼女なのか、魔女が彼女なのか、どっちかはわかりませんけど、今回はやるべきことをして、出しゃばらず、きつ音に悩む王子様を献身的に支えて、王子様の納得のいく形で治るようにサポートしていました。

 言語聴覚士の指導で音楽を大音量で聞かされて、その状態で朗読したものを録音すると、見事に吃音が出なかったというところから、すこしずつ言語聴覚士と二人三脚で取り組むようになり、自然に発声・演説ができるまでになるのですが、その少しずつ進歩していくところが大事な映画でした。



 それにしても、ジョージ五世の次男でヨーク公になぜきつ音が出るようになったのか。元から吃音を持つ人はいないのだそうで、育っていく段階でどこかで吃音になってしまう。後天的な、メンタル的な理由があってそんなことになってしまう。人間って、不思議な生き物ではあります。たとえば、もとは左利きであったのを、見栄えのいい、当たり前に存在する、大多数の、右利きに強制されたことがヨーク公にはあったというふうに語られたりしました。心理的な要因で吃音が生まれたりする。押さえつけられると何かがどこかでおかしくなったりする、それは人間誰しもがそうでしたね。
 
 ほかには、ヨーク公はX脚だったのだとか。それを矯正器具をつけられて、痛いのを我慢して長い時間をかけて普通の足の形に直したということもあった。一事が万事。すべてにおいて悪目立ちするものはすべて矯正されてきたらしい。

 私なんて、話にならないくらいエックス脚なんですけど、もう何十年もそのままですね。ほかにも、いくつもいくつも悪目立ちするところがありそうで、今はもうそういうのも私らしいとそのまんまです。頭が薄くなっても、身長が縮まっても、目が悪くなっても、あれもこれも自然に任せているけど、そんなのダメだという価値観の人もいるだろうな。サプリとかたくさん飲まなきゃいけなかったりするのかなあ。

 とにかく、主人公のヨーク公には、たくさんの心理的な抑圧があったそうです。そのお兄ちゃんは、普通に育った感じでしたが、愛情の受け方が違っていて、人妻の愛情の濃いようなのがお好みらしくて、とうとうその愛を突き進めてしまい、せっかく王位についたのに、すぐに退位してしまいます。

 今から何十年も前の、エリザベス女王のお父さん世代の話なのに、イギリス王室って、何もかも恵まれているような、世界の王室みたいな感じなのに、そこの当事者たちは同じように大変だったりするようです。

 女王様のご長男の現在のチャールズ国王さんも、ダイアナ妃がいたのに、おばはん人妻に傾いたことがありましたね。まともな女性よりも、甘えさせてくれるおばちゃんが好きになるところ、昔も今も、あったみたいですね。



 かくして、父上が亡くなり、お兄様が退位され、英国はいよいよナチスドイツと戦わねばならない状況に立ちました。たまたま、その時に王となったヨーク公は、全国放送のマイクの前に立ち、ぽつりぽつりではありますが、つまらないでスピーチをすることになります。ここが映画の最大のヤマ場となります。そこを乗り越え、国民やマイクの後ろにいる人たちにも、正式なコメントを伝えることができました。この成功をきっかけに王として励み、やがてはご長女のエリザベスさんにつなげていく、そういうサクセスストーリーではありました。

 私たちは彼と一緒にハラハラドキドキをする気持ちになれていて、彼がスピーチできたことを喜べたし、乗り越えられた気持ちになりましたね。一緒にプレッシャーと戦っていたのだと思われます。いつの間にか、雲の上の人である王様と同じ目線でマイクに立ち向かう気分になれてしまったようです。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。