昨年(2024)の年末に亡くなった中山美穂さんのCDを1枚だけ持っていましたが、どこかに売りに行こうと段ボールに入れてしまって、もうかなりの歳月が過ぎて、たぶん、あの段ボールの中にあるだろうと思いつつ、見ることができていません。
何だか家に置いといてもよさそうな気がしてきました。そんなにファンではなかったけれど、たぶん1992年の紅白で「世界中の誰よりきっと」という曲を聞いてから、中山さんを見直してCDを借りたりしたんだと思います。それも90年代の初めの方でした。見直してても、CDは買わなかったんですね。私なりのハードルがあったんでしょう。
それから何十年が過ぎて、彼女は作家さんと結婚し、やかで離婚して、お子さんは旦那さんと暮らすことになった。彼女と暮らしていれば、彼女の人生も変わっただろうけど、彼女はひとりでやっていくことになった。
それなりにライブやら、お芝居やら、活動されてたみたいだし、亡くなったときも大阪でライブがあるという当日に、いくら本人と連絡しようにもできなくて、ひとりで亡くなっていたというのがわかるという、さびしい結末になってしまいました。
私は、どれくらい応援できていたのか、そのあたりはあまり熱心ではなかったけれど、今日の帰りにたまたまハードディスクに入っていた一曲だけ、聞く機会があって、「ああ、彼女は今から30年以上前にこんな歌を歌ってて、ボクも耳にしたはずだし、何だか心に残る歌ではあったけれど、彼女がいなくなって今さらながら、何だか切ないな」と、三、四回リピートして聞いてみました。そうしたら家に着いてしまって、最後までは聞けなくなったけれど、彼女は何かを伝えようとしていた。
♬ハッピーメリークリスマス
と何度も同じフレーズが繰り返されるのに、何だか寂しいのです。離ればなれのメリークリスマスなのかもしれない。
メッセージはこんなになっています。
〽ずっと ずっと そばにいて
その日あった 話をして
みつめてほしいの 私だけ
ひとりごとが へやの中
雪のように 降り積もって
涙で 溶けてゆく
と歌われていました。そうか、ハッピーな思いは届けるけど、離れ離れのようです。一緒にムダ話もできないし、ゴハンも食べられないし、誰も彼女の話を聞く人はいないみたいです。
ああ、美穂さん、そんな歌を21歳で歌ってたのか。あまりに悲しいじゃないですか。そりゃ、若い時は、どんなに心が結ばれたとしても、簡単に同じ空間でずっと過ごすということはできなくて、お互いがそれをずっと望むまでは試練を与えられるものなんだけど、美穂さんは50歳を超えてもそんな境遇にいなくてはならなかったなんて!
どうして54歳の彼女のそばにいてあげる人がいなかったのか。私なんかが嘆いても、彼女は私なんて話にならなかっただろうけど、まわりの人で彼女が心を許せる人はいなかったのか。
きっといたはずだと思いたいし、楽しい時や充実した時間があったと思うんですけど、彼女の「ハッピーメリークリスマス」が優しくて、しなやかで、凛としていて、今さらながら悲しくなりました。
今度チャンスがあったら、ベストでも買おうかな。動画は見なくていいんです。ドラマも見ないです。ただ、耳だけで彼女を思い出してみます。でも、そんなの何の役にも立たないですね。私ひとりの独善ですけど、また明日も聞くかな?