先日、JR奈良駅を出て、三条通をまっすぐ東へ突き抜けていくつもりが、ついつい人の動きに揺さぶられ、あちらこちらとフラフラしていたのです。
南都銀行を過ぎたあたりで、モクレンを見つけました。まあまあキレイだなと思い、ついついそちらに誘われていきます。もちろん人がいて、ついでにこの人たちも撮って、春の街角みたいにならないかなと、変なたくらみを考えました。
なんとこの人たちは、中国から来られたみなさんたちでした。そうか、モクレンが珍しいのか、いやたまたま奈良の街角・猿沢池と観光客気分が盛り上がったのかもしれません。
そんなにすごいモクレンではないけど、街の角っこにもっこりと咲いていると、ついつい誘われるのです。
1 人びとを集めて涼しハクモクレン
興福寺の国宝館は1年間改装するということで、来年の元旦がリニューアルオープンということらしい。だから、阿修羅像も、山田寺仏頭、十大弟子像たちも、みんなあちらこちらに出張しておられたりするようです。
そりゃ、みんなに見てもらわなくちゃ! でも、早くもどってきて欲しいなあ。見られないとなると、余計に見たい気がします。
でも、そんな興味本位ではダメですね。美術品ではないのだから、もっと信仰心で仰がなくてはいけない。だから、たいていはありがとうございます。コンニチハとか心の中で唱えながら、拝みにいってるんですけどね。
仕方がない。見上げるような南円堂を外からながめ、北円堂を通り、五重塔の横を抜けて、若草山に行かなくちゃ!
2 観音や馬酔木(あしび)匂いて奈良の春
国立博物館を右手に見て、登大路を歩く人びとを左手にし、人びとの流れに押されるようにして1人で歩いていきました。
博物館の下でしんみりと休憩しているシカたちがいました。みんな無気力な感じでした。せっかく小さな女の子を連れたオカーサンがシカせんべいを食べさせようとしたのに、うんともすんともいいません。口の所へ持って行っても、食べようとはしませんでした。ああ、シカさんたちは食傷気味だったんですね。そりゃ、中国の人たちはサービス満点ですからね。ホラ、食べろ。それ、食べろ、ですからね。ものすごくもてなしてくれるんだ。
3 シカせんべい食べないシカは日だまりに
さあ、あと少しで東大寺の前の信号です。でも、もうお客さんたちは猛然と東大寺をめざしている雰囲気です。どこもかしこもフォトジェニックで、いたる所で写真撮ったり、ピースサインです。
春だけ、ものすごくにぎわう氷室神社も、このありさまで、私は、道路の向こう側から人びとの春を楽しむ様子だけを撮らせてもらいました。ああ、見ているだけでしあわせな感じでしょ。みんなあたたかな日ざしの中で、春を楽しんでいます。……私は黙々と若草山をめざしているんですけどね。
4 鳥居前サクラハナモモ行き過ぎる
さて、若草山へ向かっていますが、その前で、思わず立ち止まる石碑を見つけました。
北朝鮮から帰国した人たちの記念植樹の碑でした。いや、この日付からすると、日本に強制的に連れ去られた人たちが、北へ帰ることを許されたのを記念した植樹という気がします。そうだったのか、ふるさとへ帰るけれど、その記念として日本の代表的なお寺の敷地内に記念の植樹をされたんですね。
あれから五十数年、北へ帰った人たちはどうなったことでしょう。しあわせだったんだろうか。そして、日本ではどのような花が残っているんだろう。目立った木はなかったので、公園の中に埋もれてしまったのかもしれないし、まだ花の咲く時期ではなかったのかもしれない。
また、奈良公園に行くことはあると思うので、今度こそ木を見てきます。公園に来て木を見ずでした。
5 ふるさとや名も知らぬ花春遠く
南都銀行を過ぎたあたりで、モクレンを見つけました。まあまあキレイだなと思い、ついついそちらに誘われていきます。もちろん人がいて、ついでにこの人たちも撮って、春の街角みたいにならないかなと、変なたくらみを考えました。
なんとこの人たちは、中国から来られたみなさんたちでした。そうか、モクレンが珍しいのか、いやたまたま奈良の街角・猿沢池と観光客気分が盛り上がったのかもしれません。
そんなにすごいモクレンではないけど、街の角っこにもっこりと咲いていると、ついつい誘われるのです。
1 人びとを集めて涼しハクモクレン
興福寺の国宝館は1年間改装するということで、来年の元旦がリニューアルオープンということらしい。だから、阿修羅像も、山田寺仏頭、十大弟子像たちも、みんなあちらこちらに出張しておられたりするようです。
そりゃ、みんなに見てもらわなくちゃ! でも、早くもどってきて欲しいなあ。見られないとなると、余計に見たい気がします。
でも、そんな興味本位ではダメですね。美術品ではないのだから、もっと信仰心で仰がなくてはいけない。だから、たいていはありがとうございます。コンニチハとか心の中で唱えながら、拝みにいってるんですけどね。
仕方がない。見上げるような南円堂を外からながめ、北円堂を通り、五重塔の横を抜けて、若草山に行かなくちゃ!
2 観音や馬酔木(あしび)匂いて奈良の春
国立博物館を右手に見て、登大路を歩く人びとを左手にし、人びとの流れに押されるようにして1人で歩いていきました。
博物館の下でしんみりと休憩しているシカたちがいました。みんな無気力な感じでした。せっかく小さな女の子を連れたオカーサンがシカせんべいを食べさせようとしたのに、うんともすんともいいません。口の所へ持って行っても、食べようとはしませんでした。ああ、シカさんたちは食傷気味だったんですね。そりゃ、中国の人たちはサービス満点ですからね。ホラ、食べろ。それ、食べろ、ですからね。ものすごくもてなしてくれるんだ。
3 シカせんべい食べないシカは日だまりに
さあ、あと少しで東大寺の前の信号です。でも、もうお客さんたちは猛然と東大寺をめざしている雰囲気です。どこもかしこもフォトジェニックで、いたる所で写真撮ったり、ピースサインです。
春だけ、ものすごくにぎわう氷室神社も、このありさまで、私は、道路の向こう側から人びとの春を楽しむ様子だけを撮らせてもらいました。ああ、見ているだけでしあわせな感じでしょ。みんなあたたかな日ざしの中で、春を楽しんでいます。……私は黙々と若草山をめざしているんですけどね。
4 鳥居前サクラハナモモ行き過ぎる
さて、若草山へ向かっていますが、その前で、思わず立ち止まる石碑を見つけました。
北朝鮮から帰国した人たちの記念植樹の碑でした。いや、この日付からすると、日本に強制的に連れ去られた人たちが、北へ帰ることを許されたのを記念した植樹という気がします。そうだったのか、ふるさとへ帰るけれど、その記念として日本の代表的なお寺の敷地内に記念の植樹をされたんですね。
あれから五十数年、北へ帰った人たちはどうなったことでしょう。しあわせだったんだろうか。そして、日本ではどのような花が残っているんだろう。目立った木はなかったので、公園の中に埋もれてしまったのかもしれないし、まだ花の咲く時期ではなかったのかもしれない。
また、奈良公園に行くことはあると思うので、今度こそ木を見てきます。公園に来て木を見ずでした。
5 ふるさとや名も知らぬ花春遠く