
本当に情けなくなるくらい、私は○していないような気がします。もとからモッサリした人間でしたが、年々歳々くすぶっています。全く発していない。だから、学問も進まないのでしょうね。そういうことです。色気はあってもやる気がなけりゃぁ、そりゃボンクラのままですね。
12【( )発】……「○」は、ひらく、「発」は、明らかにすること。どちらも学ぶ者が熱望していて初めて新しい展開・知識が得られるということです。〈述而〉

孔子さんはこんなことばを残しておられます。「憤(ふん)せざれば啓せず。悱(ひ)せざれば発せず。一隅(いちぐう)を挙げて三隅(さんぐう)を以(もっ)て反せざれば、則(すなわ)ち復(ふたたび)せざるなり」と。
これは、どういう意味なんでしょう。憤慨することは何となくわかります。「悱する」ってわかりませんね。これは辞書には、わかってはいるのだけれど、うまく言葉にできなくて、ムシャクシャ、イライラする様子だそうです。悱憤(ひふん)するということばもあるようです。
というわけで、意味はというと、
自ら心に求め、疑問の解決に向かって情熱が盛り上がるようにならなければ、これをひらき教えてやろうとはしない。
言うべき内容もできて、言いたいと思っているのに、うまく言えなくて、口をもぐもぐさせる程度にまで進まないと、ひらき導いてやらない。
たとえば、四角なものを教えるにしても、一隅を持ち上げてみせると、他の三つの隅を自分から類推して反応を示すようでなければ、重ねて教えることをしない。
ということになるようです。何となく突き放した感じの孔子先生です。でも、馬を水飲み場に連れて行くことはできるけれど、水を飲むのはやはり馬自身であり、馬が「おらぁ、水なんかいらないぜ」と言うんだったら、こちらは腕ぐみをして見るばかりで、どうにもこうにもできません。
お馬さんにその気になってもらうしかない、人も同じで、学問をしようというのなら、そりゃ、どうしてわからないんだよと怒り、どうしておいらは、こんなにバカなんだよと自分にイライラして、自分の根気のなさ、根性のなさに情けなく思い、イライラしてもらわなきゃ、どこにも学問は始まらないのです。
そんなこと、わかっているような気がしていましたが、どれくらい真剣な学習者というのがいるのでしょう。そういう人じゃなきゃダメですね。
それで、私たち日本人はどれだけ知りたいと思い、どれだけ人のためになろうとしているのか……。あまり真剣に自分と向き合うことって、ないですね。いけないことだと思います。

[答え] 12・啓 ……孔子さんのやり方を「啓発主義」というらしいです。
12【( )発】……「○」は、ひらく、「発」は、明らかにすること。どちらも学ぶ者が熱望していて初めて新しい展開・知識が得られるということです。〈述而〉

孔子さんはこんなことばを残しておられます。「憤(ふん)せざれば啓せず。悱(ひ)せざれば発せず。一隅(いちぐう)を挙げて三隅(さんぐう)を以(もっ)て反せざれば、則(すなわ)ち復(ふたたび)せざるなり」と。
これは、どういう意味なんでしょう。憤慨することは何となくわかります。「悱する」ってわかりませんね。これは辞書には、わかってはいるのだけれど、うまく言葉にできなくて、ムシャクシャ、イライラする様子だそうです。悱憤(ひふん)するということばもあるようです。
というわけで、意味はというと、
自ら心に求め、疑問の解決に向かって情熱が盛り上がるようにならなければ、これをひらき教えてやろうとはしない。
言うべき内容もできて、言いたいと思っているのに、うまく言えなくて、口をもぐもぐさせる程度にまで進まないと、ひらき導いてやらない。
たとえば、四角なものを教えるにしても、一隅を持ち上げてみせると、他の三つの隅を自分から類推して反応を示すようでなければ、重ねて教えることをしない。
ということになるようです。何となく突き放した感じの孔子先生です。でも、馬を水飲み場に連れて行くことはできるけれど、水を飲むのはやはり馬自身であり、馬が「おらぁ、水なんかいらないぜ」と言うんだったら、こちらは腕ぐみをして見るばかりで、どうにもこうにもできません。
お馬さんにその気になってもらうしかない、人も同じで、学問をしようというのなら、そりゃ、どうしてわからないんだよと怒り、どうしておいらは、こんなにバカなんだよと自分にイライラして、自分の根気のなさ、根性のなさに情けなく思い、イライラしてもらわなきゃ、どこにも学問は始まらないのです。
そんなこと、わかっているような気がしていましたが、どれくらい真剣な学習者というのがいるのでしょう。そういう人じゃなきゃダメですね。
それで、私たち日本人はどれだけ知りたいと思い、どれだけ人のためになろうとしているのか……。あまり真剣に自分と向き合うことって、ないですね。いけないことだと思います。

[答え] 12・啓 ……孔子さんのやり方を「啓発主義」というらしいです。