うちの奥さんが、六月の切り絵を完成させたそうです。
最初にタチアオイがズンズンと立ち上がっていきました。
それから傘をさす女の子、それから犬、そして、カエルというふうに出来ていったようです。
私は、この女の子の顔に見覚えがあるような気がしていました。
そうでした。これは、うちの奥さんの小さい頃の写真に似ているなあと思ったのです。
彼女は、こんな年になって、小さい頃の自分と、小さい女の子を重ね合わせながら見ているのかな、そんな気がしました。
カン違いかもしれません。でも、何だかよく似ているような気がする。
私は、うちの奥さんの小さい頃には出会っていないのですが、何だかこんなかたくなで、自分の世界を大事にする、おしゃれで、雨にも負けない女の子だったのかなと思っています。
彼女のそばに、イヌとかはいなかったと思うけれど、いろんな生き物を友だちにしてやってきたんでしょう。うちにも、ワンコいたらいいのになあ。