報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「斉藤秀樹との夕食会」

2025-01-26 13:40:47 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日18時15分 天候:雨 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』3階301号室]

 

 確かに斉藤元社長の言う通り、夕食には高級フレンチが出て来た。
 ワゴンに乗せて運んで来るのは、あの老執事。

 執事「こちら、『鴨肉のスモークと茄子とトマトのパテとナンテゥー添え、キャベツのクリスタルと共に』でございます」

 一皿目なのだから前菜だと思われるが、いきなり高級そうなのが来た。

 愛原「リサ、肉だぞ」
 リサ「うん……」
 愛原「ナイフとフォークは外側から使っていくんだ」
 リサ「知ってる。埼玉の家で初めて教わった」
 斉藤「はっはっは!あの頃は楽しかったねぇ……」

 斉藤元社長は懐かしむかのように笑い、目を細めるとワインを口に運んだ。

 愛原「あの楽しかった時期を捨ててまで、どうして逃亡者になったのですか?」
 斉藤「それは……ああ、食べながら聞いてくれて構わない。夕食会なんだからね」

 元社長は、リサの方を見て言った。

 斉藤「因みに料理には何も入ってないからね?まあ、オーナーが何か企んでもいなければの話だが」
 愛原「いや、そんな言い方されると怖くなります!」
 斉藤「大丈夫ですよ。今のオーナーは、そんなことをするような人物ではありません。何でしたら、私が先に毒見しましょう」

 元社長はワイングラスを置くと、一番外側のナイフとフォークを取り、この皿では最もメインの鴨肉を口に運んだ。

 斉藤「フム。さすがは趣味が高じて作っているだけのことはある。なかなか美味ですよ」
 愛原「シェフは誰なんです?」
 斉藤「ここのオーナーですよ」
 愛原「えっ!?」
 斉藤「ここのオーナー……つまり、アンブレラコーポレーション・ジャパンの五十嵐皓貴元社長ですな。彼は若い頃は料理人を目指していたそうですよ。完全に製薬業から撤退した今、あとは趣味に生きることを選んだようです」
 愛原「調理士免許は?」
 斉藤「服役中に取ったそうです。ほら、刑務所では職業訓練も行われますから。受刑者達の食事を作る刑務作業もあるでしょう?そこへの配属を強く希望して、叶ったようです」

 それでも包丁などの刃物を扱ったり、多くの受刑者達の口に入る物を作る作業場だから、配属される受刑者はかなり慎重に選ばれる。
 無期懲役などの凶悪犯は選ばれない。
 五十嵐元社長のように、自分は直接手は下していないものの、悪の製薬企業の日本法人最高責任者としての立場から逮捕され、服役することになっただけだから叶えてもらったのだろうか。

 愛原「何で最初から料理人にならならかったんでしょうね?」
 斉藤「服役中に調理師免許を取ったということは、若い頃にそういった専門学校に通わなかった、あるいは通えなかった事情があるのでしょう。とにかく、今はペンションを経営しながら料理人として働いているのですから、害は無いかと」
 愛原「ふーむ……」

 

 フルコースなので、最初の料理を食べ終わると、次の料理が運ばれてくる。

 執事「『サフランが香る海の幸達のブイヤベースのジュレ、ヴィシワソワーズのバジル風味と共に』でございます」
 愛原「執事さん、あなたも日本アンブレラの人間だったの?」
 執事「いいえ、私は違います。御主人様の御屋敷に仕える身でございました」
 愛原「そういうことか……」
 斉藤「愛原さん、私の専属ドライバー、新庄の事は覚えておいでですか?」
 愛原「あ、はい。元タクシー運転手の……」
 斉藤「新庄は最初、五十嵐さんの専属ドライバーだったんですよ」
 愛原「えっ!?タクシードライバーだった時に人を轢いてしまって、それで服役していたのでは!?」
 斉藤「その話は半分ウソで半分本当です。後でオーナーからも話があるかもしれませんが、人身事故を起こしたのは本当です。しかし、起こした時、既に彼はタクシードライバーではなく、五十嵐さんのドライバーでした」
 愛原「もしかして斉藤さんは、その縁で?」
 斉藤「それだけではありませんが、それもまあ、1つのきっかけです」
 愛原「はあ……」
 斉藤「因みに私が日本アンブレラに資金提供したとか、そういう噂が立っていますが、別に私は『赤い』アンブレラに資金提供はしていませんよ?」
 愛原「えっ?」
 斉藤「私が資金提供したのは、『青い』アンブレラの方です。日本でも活動ができるように動いていたのですが、それを良く思わない連中が色々と工作を仕掛けて来ましてね、お陰様で今は追われる身です」
 愛原「本当ですか?」
 斉藤「同じくバイオテロを憎む“青いアンブレラ”が、私を追跡して来ないのが最大の証拠です。私を捕縛しようとしているのはBSAAと、日本の警察機関だけですね。そういうことです」
 愛原「ふーむ……」
 斉藤「BSAAは本部を中心に、瓦解して行くでしょう。表向きは国連組織とはいえ、最大の資金源は世界製薬企業連盟からの出資金です。『腐ったリンゴ』じゃありませんが、その連盟内で腐敗が起きたら、BSAAにも波及しますよね?」
 愛原「どういうことですか?」
 斉藤「現時における最大のバイオテロ組織『コネクション』の事は御存知でしょう?そのボスは誰なのかは分かっているものの、決まった事務所を構えず、その団体の構成員や数は今なおもって不明。しかし、最大の組織だということだけは分かっている。実に不思議な団体です。その構成員達、普段は各製薬会社において、『普通の社員』として働いているのだとしたら?」
 愛原「えっ!?」
 斉藤「残念ながら、私が社長をやっていた大日本製薬にも構成員はいましたよ。私が『不祥事』を起こしたことでその会社は潰れ、別の資本が入ったことで新会社ダイニチとして再生したわけですが、そのゴタゴタのおかげで、少なくともそこに居る、あるいは居た構成員の炙り出しに成功しました」
 愛原「その情報、どこかに提供しましたか?」
 斉藤「しましたよ。一応、それが私の日本政府に対して申し出た『司法取引』です。残念ながら、愛原さんの最も近しい人が、法の裁きを受けることになるでしょう」
 愛原「高橋……!!」
 リサ「お兄ちゃん!?」
 斉藤「あ、もう御存知なんですね。さすがは名探偵。情報が早い」
 愛原「高橋はやはり、“コネクション”のメンバーだったんですか!?」
 斉藤「そうですね。幹部ではないようです」
 愛原「でもあいつ、大日本製薬の社員ではないはずですよ?」
 斉藤「大日本製薬には、他にもいくつか関連会社があったのは御存知ですか?それも現在のダイニチグループが引き継いだり、あるいは独立したりしたみたいですが……」
 愛原「んん?」
 斉藤「ダイニチロジスティックスという関連会社がありました。今も同じ名前で、今のダイニチグループの運送会社として活動しているみたいですが」
 愛原「は、はい」
 斉藤「業務内容は大日本製薬で製造した品物を運搬する運送会社ですね。実はあの会社、バイク便部門もありまして。高橋君は愛原さんと出会う前、あそこでバイク便のアルバイトをしていたことがあったんです」
 愛原「それって恐らく、短期のバイトですよね?にも関わらず、よく炙り出しができたものです」
 斉藤「だから何年も掛かったんです。その間に彼が“コネクション”と縁を切ってくれていれば良かったのですが、今も関係を継続しているというのであれば、これは告発せざるを得ません。愛原さんには申し訳ないことをしましたね」
 愛原「いや、それは仕方の無いことです」

 恐らく高橋の任務は、スパイ活動か。
 “コネクション”と敵対する組織の情報を集めて報告すること。
 うちの事務所は単なる業務委託であるが、それでも“コネクション”がスパイを送り込むほど、敵対者には徹底しているということか。

 執事「次の料理でございます」

 ブイヤベースのジュレを食べ終えると、執事がまた次の料理を運んで来た。
 ここでようやく魚料理が出て来たので、メインディッシュの肉料理まではもうすぐか。
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“私立探偵 愛原学” 「斉藤秀樹との再会」

2025-01-25 20:47:59 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日18時00分 天候:雨 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』2階205号室→3階301号室]

 パールとの電話の後、私は善場係長にも電話を入れた。
 そしてパールとの電話のやり取りを報告した後、高橋が再逮捕されたのは本当かどうか聞いてみた。
 そしたら係長は、『一報は聞いている』とのことだった。
 そして、『まだ詳細は不明で確認中』とした。

 善場「日曜日を挟む関係もあって、詳細が分かるのは来週以降になると思います」

 とのことだった。
 その後、私達に危険が及んでないか確認されたが、特に無いと報告した。
 実際その通りであるので。
 電話が終わると、一旦部屋に戻り、使用したタオルをタオル掛けに掛けておいて干す。
 今夜また入るかもしれないし、明日の朝、入るかもしれないからだ。
 あと、フェイスタオルは洗面所で顔を洗う時とかも使うので。

 愛原「もうすぐ18時だ。そろそろ3階に行くぞ」
 リサ「続きは夕食食べた後だね?」
 愛原「いやいや。その後は、オーナーと会うことになってる」
 リサ「ちぇっ!」
 愛原「おいおい。俺達は仕事で来たんだぞ?」
 リサ「分かってるよぉ……」

 それでもリサは、少しがっかりした感じだった。

 愛原「高級料理とか出てくるだろうから、ちゃんと服着て」

 リサは制服は着てるのだが、ポロシャツはボタンを全部外し、その隙間からブラが覗いていた。
 どうやらスポブラではなく、普通のブラを着けているらしい。
 ショーツがそうだったから、当然か。
 私に言われて、リサは渋々と第1ボタンだけは外した状態で、その下のボタンは締めた。

 愛原「それじゃ、行こう」

 部屋から出ると、スペードの鍵でドアを施錠する。
 それから近くの階段を昇って3階に向かった。
 それにしても、このペンションにはエレベーターは無いのだろうか?
 3階にも客室があるようだが、そこから地下1階の大浴場を往復しようとすると結構キツいぞ?

 愛原「えーと……ここだな」

 3階はファミリールームとか、スイートルームがあるようだ。
 一部屋が広い為、ドアの間隔も広い。
 そのうちの角部屋である301号室に来た。
 いや、何か……夕食会場というよりは、普通の客室のドアなんだが???

 愛原「こ、ここでいいのか?」
 リサ「いいみたいだよ」

 リサはドアを指さした。
 確かにドアには、『205号室 愛原様 夕食会場』と書かれた貼り紙がしてあった。
 手書きではなく、パソコンのワードで印刷した感じ。

 愛原「と、とにかくノックをして入ろう」
 リサ「『パンツを脱いで入る』んじゃないの?」

 リサは自分のスカートに手を入れ、自分のショーツを脱ごうとした。
 一瞬チラッと見えた白い布がショーツだとしたら、ブルマは穿いていないらしい。

 愛原「それはあの執事がいる時の暗号だよ。今はいないんだから、ノックでいいの」

 私は部屋のドアをノックした。

 ???「どうぞ」

 すると、中から男の声がした。
 執事の声ではない。
 しかし、どこかで聞いたことあるような声だ。

 愛原「失礼します」

 私はドアを開けた。

 

 中はスイートルームになっていた。
 ダブルサイズのベッドが2つ置いてあり、1階ロビーにあるような古い家具や調度品が置かれている。
 ソファの他に、ダイニングテーブルや椅子もあり、そこで夕食の用意がされていた。
 いかにも高そうな部屋だ。
 そして、そこにあの人物がいた。

 斉藤秀樹「こんばんは、愛原さん。お久しぶりですね?」
 愛原「さ、斉藤社長!?」
 リサ「!!!」
 斉藤「久しぶりだね?リサ・トレヴァー『2番』」

 リサはサッと顔色を変え、鬼化すると、白い仮面を着けた。
 そして、右手の爪を鋭く長く伸ばし……。

 リサ「こ、ころっ……殺……ころ……!!」
 愛原「待て待て待て、リサ!!」

 斉藤元社長に飛び掛かろうとしたリサを私は強く制した。

 リサ「先生!?」
 愛原「斉藤元社長は、恐らく悪くない。もちろん、これから話を聞いてからだが、今はやめろ!」
 リサ「うっ……!」

 『私の命令は絶対』と、私からも高橋からも刷り込まれているリサは動きを止めた。

 斉藤「今回は互いの近況を確認したくて、お招きしたのです。夕食でも食べながらどうぞ」
 愛原「いいんですか?斉藤元社長は今、追われてる身でしょう?」
 斉藤「愛原さんに真実をお話ししてから、また消えますよ。ここのオーナーとも、後で話をされるのでしょう?まずは、私と話をしてからにしませんか?」
 愛原「いいでしょう。リサ、仮面を取って人間形態へ」
 リサ「無理だよ……」

 リサは仮面は取ったが、興奮状態のあまり、人間形態には戻れないようだ。

 斉藤「まあ、いいでしょう。ここの人達は、皆彼女の正体は知っていますので」
 愛原「やっぱり……」

 恐らくあの執事も、元・日本アンブレラの社員か何かだったのだろう。
 それも、リサの正体を知れる立場にあるほどの。
 私は椅子に座った。
 リサも憮然としたまま、私の隣に座る。
 斉藤元社長も、私の向かいに座った。
 既にテーブルの上には純白のテーブルクロスが敷かれ、ナイフやフォークがセッティングされていた。
 どうやら、本格的なフランス料理のフルコースが出てくるようだ。

 斉藤「あ、そうそう。今の私は何の肩書もありません。『元社長』なんて言いにくい呼び方はやめて、『さん付け』で結構です」
 愛原「分かりました。宜しくお願いしますよ、斉藤さん」
 斉藤「今宵の夕食代は私が持ちましょう」
 愛原「持ちましょうって、私は1泊2食付きのプランで予約してるんですけど?」
 斉藤「それは普通の、スタンダードのプランですね?フランス料理フルコースプランもあるんですよ」
 愛原「凄く高いプラン……」
 斉藤「コースの変更は差額が発生しますが、その差額分は私が出しましょう」

 いいんだろうか?
 しかし、逃亡者たる斉藤元社長のどこにその資金があるのか、それを調べる為にも、あえて奢られた方が良いのかもしれない。
 あくまで調査だ。

 愛原「分かりました。今回は、お言葉に甘えさせて頂きます」
 斉藤「そうと決まれば、まずはドリンクから決めましょう。何でも好きな物頼んでください。……おっと!キミは、ソフトドリンクで頼むよ?」
 リサ「……エレンが死んだのに、悲しくないの?」
 斉藤「その事についても、後で話すよ」
 リサ「……オレンジジュース」
 愛原「じゃあ、私はビールでお願いします」
 斉藤「分かりました」

 斉藤元社長は手元にある電話で、どこかに掛けた。
 どうやらこの部屋には、固定電話があるらしい。
 電話は西洋風のダイヤル式の電話だった。
 こちらもアンティーク感がある。

 斉藤「それでは、始めてください。ドリンクはオレンジジュースにアサヒスーパードライ、それから赤の……」

 斉藤元社長は、赤ワインを注文した。
 こうして、夕食会が始まった。
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“私立探偵 愛原学” 「ペンション『いたち草』」 3

2025-01-25 16:21:18 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日16時40分 天候:雨 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』地下1階・大浴場]

 やはり、このペンションは何かおかしい。
 大浴場はやはり男女別になっていた。
 他に貸切風呂もあるようだが、その入口には鍵が掛かっていた。
 どうやら、そちらは予約制らしい。
 それはいいのだが、共用の大浴場にも他の宿泊客がいない。
 一体どうなっているんだ?
 ダブルルームは本当に満室なのか?

 

 広い大浴場を貸し切りで使っているようなものだ。
 この大浴場には露天風呂もある。
 外は雨が降って来たようだが、屋根は付いているようなので、多分大丈夫だろう。

 

 因みに地下1階といっても、本当に地面の下というわけではなく、1階部分より更に掘り下げられた場所に設けられているので、フロア案内上、地下としているだけのようだ。
 高台にあるホテルなどではよく見られる事だが、この場合、本当に地面の下以外の最下層部分を1階とすることが多い。
 天気が良ければ山なみが見えるのだろうが、今見えるのは、雨に霞む山だ。
 山の頂上付近を見ると、時々光っているから、向こうは雷が鳴っているらしい。
 曇の動き的に、その雷雲は近いうち、ここまで来るだろう。
 入浴が終わったら夕食であるが……。

 リサ「せーんせっ!」
 愛原「! リサ!?」

 何故かリサの声がした。
 まさかあいつ、男に侵入して!?
 だとしたら、どこから?
 ダクトか!?

 リサ「先生、こっちこっち!」
 愛原「んっ!?」

 露天風呂も男女別になっているが、当然壁で仕切られている。
 リサは壁の切れている所から手を出してヒラヒラ振っていた。
 浴槽から身を乗り出す形になるから、結構危ない体勢だと思うが。

 リサ「先生、覗いてみて?わたし、何にも隠してないよ?」
 愛原「かなり身を乗り出さないとダメなんだ。危険過ぎる。というか、女湯には他に誰かいるか?」
 リサ「ぜーんぜん!誰もいないよ?」

 女湯も誰もいないだと?
 ますます怪しい。

 リサ「そっちは誰かいる?」
 愛原「いや、誰もいない。……なぁ?本当にこのペンションは、部屋が満室なのか?」
 リサ「んー……何か違うと思うな。あまり、人間の匂いがしないし」

 そうか!
 リサは人間の血肉に関しては鼻が利く!

 リサ「何か、色んな匂いが混じってよく分かんないんだよねー!」

 それは私も感じていた。
 古い建物の匂いやら、それを隠す為なのか、芳香剤の匂いとか……。
 やはり、何かの罠が仕掛けられているのだろうか?
 私がそんなことを考えていると……。

 リサ「ねぇ?今なら先生、こっちに来ても誰も騒がないよ?それとも、わたしがそっちに行こうか?」
 愛原「いや、それはダメだ。今は貸切状態でも、そういう時に限って、どっちかがどっちかに行ったりした瞬間、誰かが入って来るパターンなんだ」
 リサ「なるほど。マンガやドラマあるあるだね。じゃあさ、誰かが入って来ても誤魔化せる程度のことはしようよ」
 愛原「どういうことだ?」
 リサ「んー……。ねぇ、先生。そこから女湯に向かって、手を入れられる?」
 愛原「結構、掴まってないと危ないな」

 何故か手すりはある。
 それに掴まれば何とか……。
 何かくれるのだろうか?

 愛原「ほら、リサ」
 リサ「ありがとう。そのまま……動かないでね」
 愛原「!!!」

 リサは私の指を咥えると、まるでフェラチオのような口使いをした。
 ジュルジュルジュポジュポと響くリサの口使いの音がいやらしい。

 愛原「はうっ!お、おま……どこでそんな……!?」

 するとリサは一旦口を放して答えた。

 リサ「先生の動画と、友達から借りたエロ動画。オナニー用のディルドで練習した」

 そう言うと、また私の指を咥える。

 愛原「そ、そんな……!」
 リサ「先生……ダーリンの為だよ」

 指から射精しそうになる。

 愛原「リサ、もういい!」

 私は指を引っ込めた。

 リサ「えー……。じゃあ、続きは部屋でね💖」

 リサはそう言うと、また手をヒラヒラさせた。
 その手の爪は鋭く尖っていたから、鬼化したのだろう。
 危うく鬼娘に食われるところだった。
 疑似フェラされたことで勃起した下半身を冷たいシャワーで冷やしたが収まらず、リサの唾液まみれの左手でオナニーした。

 リサ……あんなに可愛かったっけ?

[同日17時30分 天候:雨 同ペンション1階ロビー]

 オナニーで時間を取ったせいでリサを待たせてしまったかと思ったが、そうでもなかった。
 もしかして、リサも……?
 リサは私の顔を見て、赤らめた顔で微笑を浮かべているだけだった。
 私の左腕に、自分の腕を絡めて来る。
 そして、地下1階から1階へ上がった。
 建物の構造上、そこから更に上に上がるには、ロビーを通る必要がある。
 相変わらず、ロビーには誰もいない。
 だからこそ、広いダイニングではなく、個室か何かを夕食会場に充てられたのだろうか?

 執事「あっ、愛原様」

 フロントデスクには、あの執事がいた。

 愛原「な、何ですか?」
 執事「愛原学探偵事務所の霧崎様という方から、お電話が入りました。至急、御連絡したいことがあるとのことです」
 愛原「パールが?……分かりました」

 私は壁際のアンティークな公衆電話に近づいた。
 百円玉を確保しておいて良かった。
 まだ、事務所にいるだろうか?
 スマホより固定電話の方が、まだ電話料金は安いんだよなぁ……。

 

 パール「愛原学探偵事務所でございます」
 愛原「あっ、パールか?俺だ。愛原だ」
 パール「愛原先生!」
 愛原「何かあったのか?」
 パール「マサが……マサが再逮捕されました!」
 愛原「なにぃっ!?何の容疑で!?」
 パール「特定の情報をテロ組織に流した罪とかで……。事務所からデイライト様の書類を流していたのがバレたみたいでして……」
 愛原「紛失はしてないはずだが……?」
 パール「コピーしたりしてたみたいです。よくマサ、コピーとかシュレッダーとかしてたじゃないですか」
 愛原「あ、ああ、まあ確かに……」

 デイライトさんとのやり取りの中には、BSAAの情報とか、バイオテロ組織『コネクション』の事とかあったな……。
 あいつ、それをテロ組織に流してたのか。
 特定秘密保護法違反とかか?

 パール「一刻も早くお教えしたかったのですが、スマホが繋がらなくて……」
 愛原「ああ。何か、圏外なんだよな。良かった良かった。ここの電話番号教えておいて」

 私に対する傷害罪だけで済まなくなってしまったか……。
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“私立探偵 愛原学” 「ペンション『いたち草』」 2

2025-01-23 20:14:22 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日16時10分 天候:曇 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』2階205号室→1階ロビー]

 リサ「はい、先生!」

 トイレから出て来たリサは、スカートの下に穿いていた紺色のブルマを脱いでいた。
 脱ぎたてのブルマを、ポイッと投げて寄こす。

 愛原「お、おい!」

 

 脱ぎたてのせいか、まだぬくもりがあった。
 リサの汗を吸っているのか、そこからリサの体臭が僅かに漂って来る。
 鬼……というか、鬼型BOWは肉食を好む為、体臭が強い。
 だが、リサの体臭は嫌いじゃない。

 リサ「ここは学校じゃないから、スカートの下、何も穿かなくても違反じゃないからね!」
 愛原「何もって……。パンツくらい穿いてるだろ?」
 リサ「見る?💖」

 リサは短くしたスカートの裾をつまんだ。

 愛原「こ、こら!からかうんじゃない!」
 リサ「同室なんだから、遠慮しなくていいのにぃ……」
 愛原「……因みにパンツの色は?」
 リサ「白!先生は白が好きなんでしょ!?」
 愛原「どうしてそう思うんだ?」
 リサ「先生のパソコンの中の秘蔵動画、『女子校生の純白パンティーでヌかれちゃった僕』って……」
 愛原「だから!どうやってパスワード解読してるんだ!?……と、とにかく、風呂に行くぞ!」

 私はタオルを持ってドアに向かった。

 リサ「わたしのブルマも持って行くの?」
 愛原「こ、これは違う!」

 私はリサの使用済みブルマを自分のベッドの上に置いた。

 愛原「あ、後で片付けておけよ!?」
 リサ「ブルマ○キしてあげようか?」
 愛原「お前、何でそんなにエロくなってるんだ?」
 リサ「元々だけど?鬼型BOWだからねぇ……。あと、中身は先生より年上の熟女だから」
 愛原「んん?」
 リサ「この歳でエロくなる女もいるんだよ……」
 愛原「そ、それは……」

 私は熟女モノのAVを思い浮かべた。
 それと、実際に私と大して歳の変わらない上野利恵が、暴走して私に性的に襲い掛かって来たこともあったのを思い出す。
 今からでも、部屋を別々にしてもらった方がいいかなぁ……?
 ここはヘタすると、敵の本拠地のような場所でもあるから、バラバラにならない方が良いと思ったのだが……。
 階段を下りて、まずは1階のロビーに下りる。
 大浴場のある地下1階への階段は、また別の場所にあるもよう。
 その前に……。

 愛原「ちょっと電話を掛けて来る。圏外で定時連絡ができなかったからな」
 リサ「電話あるの?」
 愛原「それがあるらしいんだ。ちょっと聞いてくる」

 私はフロントに向かった。
 それにしても、人の気配が少な過ぎるペンションだ。
 高級ホテルのラウンジをコンパクトにしたような佇まいのロビーだが、他の宿泊客が全くいない。

 執事「どうなさいました、愛原様?」

 こぢんまりとしたフロントデスクには、あの老執事がいた。

 愛原「えーと……。『パンツを脱』げばいいんだっけ?」
 リサ「先生!?」
 執事「はっはっは!さすがは愛原様、暗号がよく分かっていらっしゃいます。……おっと!あなたが脱ぐ必要はございません」
 愛原「えっ!?」

 

 振り向くと、リサがスカートに手を入れてショーツを脱ごうとしていたところだった。

 愛原「リサ!ここで脱ぐのはやめなさい!」
 リサ「だってぇ……」

 おかしいな。
 今日のリサは随分とエロい。
 生理前でムラムラしている?
 いやいや、生理はこの前終わって落ち着いているはずだが……。

 愛原「公衆電話がロビーにあると聞いたんですが?」
 執事「それはあちらでございます」
 愛原「ん?どれ?」
 執事「こちらでございます」

 フロントデスクから出て来た執事が、壁際のアンティークな電話を指さした。

 愛原「あ……これか!」

 

 ロビーにはアンティークな家具や調度品が飾られていた。 
 だからこの電話も、ただのオブジェだと思っていたのだ。
 しかし、よく見るとアンティークな電話風の公衆電話であった。

 愛原「こういう所も拘っているとはねぇ……」
 執事「ありがとうございます。小銭はお持ちでございますか?」
 愛原「それは大丈夫」
 執事「それでは……」

 執事は一礼すると、フロントに戻って行った。
 おがさわら丸での一件以降、いつでも公衆電話を使えるように、百円玉は絶えず持ち歩くようにしている。
 私は受話器を取ると百円玉を入れ、それで善場係長のスマホに電話を掛けた。
 電波は圏外でも、有線の固定電話は繋がった。

 善場「善場です」
 愛原「善場係長、お疲れ様です。愛原です」
 善場「愛原所長!良かったです。ケータイが全く繋がらず、GPSも入らなくなったので心配していたところです」
 愛原「GPSもダメなんですか!」

 そんなに山深過ぎる場所だったっけ?
 そりゃ、ある程度は山奥だけど。
 今時スマホが圏外になるほどの山奥過ぎる場所まで行った感じは無いんだけどなぁ……。
 ましてや、GPSもダメとは……。

 善場「今、御無事なんですか?」
 愛原「はい。今、予定通り、ペンション『いたち草』に到着しているところです。仰る通り、スマホが圏外なので、ペンションの公衆電話から掛けているところです」
 善場「承知致しました。その公衆電話はペンションのどこにありますか?」
 愛原「1階のロビーです」
 善場「周囲に人はいますか?」
 愛原「今、私の横にリサと、あと、フロントにペンションの従業員がいます。それ以外は今のところ、誰もいません」
 善場「この電話の会話は、フロントまで聞こえますか?」
 愛原「そうですねぇ……」

 私はチラッとフロントを見た。
 そこには執事がいるが、やはり聞こえそうな気がする。
 私がそれを話すと……。

 善場「かしこまりました。では、機密事項の話はやめた方が宜しいですね。これから私が質問しますので、『はい』か『いいえ』で答えてください」
 愛原「分かりました」
 善場「ペンションでは、そのフロントスタッフ以外の従業員と会いましたか?」
 愛原「いいえ」
 善場「ペンション内で他の宿泊客とは顔を合わせましたか?」
 愛原「いいえ」
 善場「ペンションのオーナーとされる人物とは会いましたか?」
 愛原「いいえ」
 善場「斉藤秀樹容疑者とは会いましたか?」
 愛原「いいえ」
 善場「現段階で危険を感じるような状況にありますか?」
 愛原「いいえ」
 善場「ありがとうございました。質問は以上です。まとめますと、所長方は今のところ、フロントスタッフ以外の人物とは会っていないということですね?」
 愛原「そうです」
 善場「今後の予定はどうなっていますか?」
 愛原「まずはこれから大浴場に行って、入浴してきます。それから、18時から夕食。そしてその後、オーナーと会う予定です」
 善場「かしこまりました。時間はいつでも構いませんので、何か情報を掴みましたら、また連絡をお願いします。あと……危険を感じましたら、調査は中止して構いません。直ちに避難して、身の安全を確保してください」
 愛原「分かりました。それでは次の定時連絡は、オーナーと会ってからで宜しいでしょうか?」
 善場「結構です。それ以前にも何か緊急の連絡があれば、宜しくお願い致します」
 愛原「分かりました。それでは、また連絡させて頂きます。失礼致します」

 私は電話を切った。
 リサは電話中、私の右腕に自分の腕を絡ませたり、腰に手を回して来たりして、とにかくベタベタしてくる。
 そういえば秋葉原駅で往路の電車のキップを買っている時も、リサはベタベタしてきたな……。
 私は電話を切った。
 この間、百円玉を何枚か使ってしまった。
 やはり、スマホは通話料金が高い。
 私はもう1度フロントに行くと、念の為、1000円札を百円玉に両替してもらった。

 愛原「お待たせ。それじゃ、行こうか」
 リサ「うん!」

 私達は地下1階へ下りる階段へと向かった。

 リサ「混浴!混浴!」
 愛原「いや、そこはさすがに男女別だからw」
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“私立探偵 愛原学” 「ペンション『いたち草』」

2025-01-21 20:34:38 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月1日15時40分 天候:曇 群馬県吾妻郡東吾妻町某所 ペンション『いたち草』]

 

 建物全体は洋館といって良い佇まい。
 重厚な正面玄関のドアを開けて出て来たのは、タキシード姿の執事と言って良い老人。
 黒いタキシードなのに、目を凝らしてみると血のような赤黒い染みが付いているように見えるその老人に、私は見覚えがあった。
 最初に会った時は、もう少し髪も黒かったのに、今では全部白髪だ。
 頭頂部は剥げているのに、総髪にしている河童のような頭の執事だ。

 執事「いらっしゃいませ。御予約のお客様でございますか?」

 長野県の洋館に行った時、私はこのような暗号を言った。

 愛原「『パンツ穿かせてください』」
 リサ「ファッ!?先生!?」

 リサがビックリして私の方を見る。
 まさか私がそんなことをいきなり言うとは思わなかったのだろう。
 だが、執事の方は目を丸くして、私の顔を覗き込んで来た。

 執事「……おお!あなたは……!十余年ぶりですね!どうぞ。中で御主人様がお待ちでございます」
 愛原「ありがとう。……2人で予約したので、このコもいいですか?」
 執事「もちろんですとも。どうぞ、中へ……」
 愛原「お邪魔します」

 

 中に入ると高級ホテルのロビーのような空間が広がっていた。
 高級ホテルのロビーをコンパクトにした感じ。
 長野県の洋館の時はもう少し暗く、こぢんまりとしたロビーだったのだが、ここは明るく解放感はある。
 ペンションとして再スタートしているからだろうか。
 しかし、アンティークな家具や調度品が飾ってあるところは長野時代と変わらない。
 えーと……ここでは、何て言うんだっけな……。

 愛原「『あなたと一緒に食事がしたいな』」
 リサ「先生?!」

 またもやリサが目を丸くする。
 思わず人間形態から鬼形態に戻ってしまうところだった。

 執事「はっはっは。さすがは愛原様です。今でも暗号を覚えておいでのようで……」
 愛原「それほどまでに、インパクトがあるということなのですよ」

 この執事とやり取りをして思ったのは、予約の電話をした時、応対した男の声とは違ったことだ。
 予約の電話の応対をしたのは、この執事ではない。
 ロビーを抜けた先に、階段とその下に小さなフロントデスクがあった。
 しかしそこには誰もおらず、執事がフロントデスクの中に入ると……。

 執事「では、こちらの宿泊者カードに御記入を……」
 愛原「はい」

 私はボールペン走らせた。

 愛原「こちらのオーナーとは会えますか?」
 執事「御主人様は夜でしたら、お会いになれるとのことです」
 愛原「夜か……」
 執事「それまでは、どうか館内でお寛ぎください。大浴場もございますよ」
 愛原「それはいいな。後で入らせてもらおう」

 私は宿泊者カードへの記入を終えた。
 宿泊料金は前金となる。
 私は現金で宿泊料金を支払った。

 執事「それでは、こちらが鍵でございます。お部屋は、2階の205号室になります。御夕食の会場でございますが……。3階の301号室となります」
 愛原「ん?ダイニングとかじゃなくて、客室?」
 執事「さようございます。18時からとなってございますので、宜しくお願い致します」

 何だろう?
 個室か何かなのだろうか?
 とにかく私は鍵を受け取ると、階段を上がり、205号室に向かった。

 リサ「ねぇ、先生」
 愛原「何だ?」
 リサ「このペンション……他にもお客さん、いるんだよね?」
 愛原「そのはずだ。実際、ダブルルームは満室だと言われた」
 リサ「その割には、人の気配が無くない?」
 愛原「うーん……言われてみれば……」

 ペンションにしては大規模な建物だろう。
 ホテルと言っても差し支えない規模だ。
 建物は3階建てのようで、大浴場は地下1階にあるらしい。
 メインダイニングは3階にあり、そこから見える山の景色は最高とのこと。
 最上階をメインダイニングにして、山の眺望を楽しませるというのは、ホテル天長園に似通っている。

 愛原「ここが205号室だな」

 私がもらった鍵を見ると……。

 愛原「スペードの鍵?」
 リサ「映画で、オリジナルの大先輩が持ってたトランプの鍵の1つだね。確か、主人公達には『ハートの鍵』を渡してたっけ」
 愛原「ますます、アンブレラの洋館だな……」

 私は鍵を開けて、部屋の中に入った。

 

 中に入ると、アンティークな造りの部屋になっていた。
 南向きの部屋のはずだが、何故か薄暗いのは、既に外には分厚い雲が掛かっており、いつ雨になってもおかしくない状況だからだろう。
 ツインルームなだけにベッドが2つあり、部屋の中にあるもう1つのドアを開けると、トイレと洗面所があった。
 風呂やシャワーは無い。
 基本的に宿泊中は、例え夜中でも大浴場は自由に入れるので、そこを使ってくれということだろう。
 さすがに源泉かけ流しではないようだが、温泉とのこと。

 愛原「うん。窓からは、山とかよく見えるな……」
 リサ「わーっ!」

 リサはガバッとベッドにダイブした。
 スカートが捲れて、スカートの下に穿いている紺色のブルマが丸見えになっている。

 愛原「こらこら。制服がシワになっちゃうぞ」
 リサ「エヘヘ……。これからどうする!?ね、どうする!?」

 リサが鼻息荒くして私に迫って来た。

 愛原「落ち着け。せっかくだから、温泉を楽しもうじゃないか。部屋から、バスタオルとフェイスタオルを持って行けばいいんだったな」
 リサ「浴衣は着ないの?」
 愛原「それは寝る時だよ。まあ、寝る前にも一っ風呂浴びるつもりでいるから、その時に着替えればいいんじゃないかな?」
 リサ「なるほど。……あ、その前にちょっとトイレ」
 愛原「あいよ」

 リサはトイレに行った。
 室内には館内での注意事項などが書かれた冊子が置かれていた。
 そして、ライティングデスクの上には電話機が置かれている。
 ただ……洋風の黒電話的な見た目だが、外線繋がるんだろうか?
 冊子を見ると、どうも内線専用らしい。
 外線が繋がる電話はどこにあるのだろうか?
 私は受話器を取ると、フロントのダイヤルを回した。

 執事「はい。フロントでございます」
 愛原「ああ、愛原ですが……」
 執事「愛原様。何かございましたか?」
 愛原「外線電話を使いたいのですが、館内にありますか?」
 執事「それでしたら、ロビーに公衆電話がございますが」
 愛原「ロビーか……」

 共用部にある電話で、秘密の報告ができるだろうか?
 まあ……ここに到着したという連絡だけならOKかな。
 温泉に入る前に善場係長に電話しておこう。
 改めてスマホを見たが、やはり圏外であった。
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