[1月8日14:00.天候:晴 JR成田駅]
DCJの車で駅まで送ってもらった敷島とシンディ。
敷島:「申し訳無いね。ヘリで迎えに来てもらった上、駅まで送ってもらえるなんて……」
運転席でハンドルを握っていたのは鳥柴。
鳥柴:「いいえ。困った時はお互い様と言いますから。アリス主任にもよろしくお伝えください」
敷島:「営業畑と技術畑は、時折ケンカすることがあるんだろう?まあ、嫌味にならない程度に言っておくよ」
鳥柴:「エミリーさんが直りましたら、すぐに御連絡致します」
シンディ:「姉さんなら、トラックで運んでもいいんじゃない?」
敷島:「そうだな。まあ、こらち着払いで運送会社に依頼してもいいか……」
敷島は右手を顎にやって考えた。
敷島:「ま、いいや。後で考えよう。それじゃ、あとはよろしく」
鳥柴:「お気をつけて」
シンディ:「失礼します」
敷島とシンディは駅構内に入って行った。
シンディ:「社長、グリーン券です」
乗車券の購入と同時にシンディがグリーン券を購入してきた。
敷島:「ああ。ちゃんとお前の分もあるんだろうな?」
シンディ:「以前からの御命令ですので」
敷島:「よし」
敷島は乗車券を改札機に通した。
敷島:「……って、Suicaあったんだぞ?」
シンディ:「乗車券の方が領収証出せますから」
敷島:「履歴出せばSuicaでも経費で落とせるだろ」
シンディ:「私は紙の乗車券の方が良いと思いますけどね」
敷島:「まあいいや。(そこはエミリーと考え方が違うな……)」
敷島達は東京方面の快速がやってくる1番線で電車を待った。
尚、JR成田駅にはこの時間、“成田エクスプレス”は停車しない為、快速か普通列車を待つことになる。
〔「1番線、ご注意ください。14時14分発、快速、東京行きが参ります。危ないですから黄色い線の内側まで、お下がりください。長い15両編成で到着致します」〕
付属の4両編成を前に、その後ろにグリーン車の付いた基本編成の11両を繋いだ15両編成の電車がやってきた。
湘南色の中距離電車と比べれば何だか数えにくい号車番号になっているが、どうしてこういう編成になったのだろうか。
敷島:「おっ、平屋席空いてる」
2階席は既に埋まっているように見えたが、平屋席には空席が見えた。
そこにホイホイと乗り込む。
〔「総武快速線直通の東京行きです。14時14分の発車です。発車まで6分ほどお待ちください」〕
平屋席からの車窓の高さは普通車と同じ。
なので何の変哲も無いのだが、定員が少なく、個室感覚が好きなヘビーユーザーはむしろ好んで利用するという(上越新幹線E4系車両にも似たような箇所がある)。
尚、台車の外側に位置しているので、重心の高い2階席よりも揺れは激しい。
また、天井の高さの関係で1階席や2階席では無い荷棚も、平屋席には存在している。
シンディは自分の部品などが入った鞄を荷棚の上に置いた。
これはもし自分がストックしている部品で、エミリーに使えるものがあったら渡そうと持って来たものだ。
エミリーとシンディは同型機。
なので、部品も共通している。
見た目の違いは髪の色と髪型、そして瞳の色(エミリーは緑、シンディは青。但し、エマージェンシーの時などは共通して赤く光る)。
敷島:「まだ少し停車時間があるのか。アリスに電話でもしておくか」
シンディ:「もう既に私から連絡してますよ?」
敷島:「そ、そうか」
シンディ:「私のカメラ(目)と耳(集音マイク)を通して、アリス博士の端末に、社長の行動と言動は筒抜けです」
敷島:「〜〜〜っ!」
時折、シンディがタメ口になることがある。
これは、シンディの向こうにアリスがいると思ってもらえれば良い。
……のと、逆にアリスが通信を切っている時に(本人からしてみれば)フレンドリーな態度を取っているかのいずれかだ。
シンディ:「くれぐれも、勝手な行動は慎んでくださいませ」
敷島:「わ、分かったよ。取りあえず今日は一旦会社に戻って、大雪による被害状況を確認する。帰るのはそれからだ」
シンディ:「かしこまりました」
線路は除雪されていて、こちらの鉄道はちゃんとダイヤ通りに走れているらしい。
あの後はウソみたいに雪は降らず、融ける一方だからだろう。
だが、除雪してできた雪の壁を見るに、まるでここが北海道のように見えてしまうのだ。
しばらくして発車時刻が迫り、ホームに発車メロディが鳴り出した。
随分個性的なのは、オリジナルの『ご当地メロディ』だからだろう。
ウィキペディアによれば、“うなりくん なう!”という曲名とのこと。
まあ、何だ。地元のゆるキャラか何かのテーマソングなのだろう。
電車は定刻通りに発車した。
〔この電車は成田線、総武本線直通、快速、東京行きです。停車駅は都賀(つが)までの各駅と千葉、稲毛、津田沼、船橋、市川、新小岩、錦糸町、馬喰町(ばくろちょう)、新日本橋、終点東京です。グリーン車は4号車と5号車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください。次は、酒々井(しすい)です〕
敷島:「こっちは除雪は済んでるんだな……」
シンディ:「今頃お気づきですか。でも、こっちはこっちで大変だったんですよ」
敷島:「ああ。お前の活躍ぶりは聞いてる。よくやってくれたみたいだな」
シンディ:「はい!」
敷島:「成果報告は、帰ってから聞くよ」
さすがに、いかに観測史上とてつもない積雪だったとはいえ、日本の心臓部をそのままにしておくわけにもいかない。
特に動脈でもある鉄道に関しては、必死に除雪を行ったようだ。
敷島:「それにしても、もう大雪はお腹一杯だな。年に1回で十分だよ」
シンディ:「そうですね。私の場合は火炎放射器を装備していないので、尚更この力に頼る他はありません」
シンディは右手の袖を捲った。
いつもの衣装の上にグレーのコートを羽織っているが、別に着なくてもどうってことはない。
ただ、周りの人間が着ぶくれするほど着込んでいるのに、シンディだけノースリーブの衣装のままというのも不自然なので着ているだけだ。
車内や家においては、その恰好でいるわけだが……。
敷島:「期待しているよ」
シンディ:「お任せください」
DCJの車で駅まで送ってもらった敷島とシンディ。
敷島:「申し訳無いね。ヘリで迎えに来てもらった上、駅まで送ってもらえるなんて……」
運転席でハンドルを握っていたのは鳥柴。
鳥柴:「いいえ。困った時はお互い様と言いますから。アリス主任にもよろしくお伝えください」
敷島:「営業畑と技術畑は、時折ケンカすることがあるんだろう?まあ、嫌味にならない程度に言っておくよ」
鳥柴:「エミリーさんが直りましたら、すぐに御連絡致します」
シンディ:「姉さんなら、トラックで運んでもいいんじゃない?」
敷島:「そうだな。まあ、こらち着払いで運送会社に依頼してもいいか……」
敷島は右手を顎にやって考えた。
敷島:「ま、いいや。後で考えよう。それじゃ、あとはよろしく」
鳥柴:「お気をつけて」
シンディ:「失礼します」
敷島とシンディは駅構内に入って行った。
シンディ:「社長、グリーン券です」
乗車券の購入と同時にシンディがグリーン券を購入してきた。
敷島:「ああ。ちゃんとお前の分もあるんだろうな?」
シンディ:「以前からの御命令ですので」
敷島:「よし」
敷島は乗車券を改札機に通した。
敷島:「……って、Suicaあったんだぞ?」
シンディ:「乗車券の方が領収証出せますから」
敷島:「履歴出せばSuicaでも経費で落とせるだろ」
シンディ:「私は紙の乗車券の方が良いと思いますけどね」
敷島:「まあいいや。(そこはエミリーと考え方が違うな……)」
敷島達は東京方面の快速がやってくる1番線で電車を待った。
尚、JR成田駅にはこの時間、“成田エクスプレス”は停車しない為、快速か普通列車を待つことになる。
〔「1番線、ご注意ください。14時14分発、快速、東京行きが参ります。危ないですから黄色い線の内側まで、お下がりください。長い15両編成で到着致します」〕
付属の4両編成を前に、その後ろにグリーン車の付いた基本編成の11両を繋いだ15両編成の電車がやってきた。
湘南色の中距離電車と比べれば何だか数えにくい号車番号になっているが、どうしてこういう編成になったのだろうか。
敷島:「おっ、平屋席空いてる」
2階席は既に埋まっているように見えたが、平屋席には空席が見えた。
そこにホイホイと乗り込む。
〔「総武快速線直通の東京行きです。14時14分の発車です。発車まで6分ほどお待ちください」〕
平屋席からの車窓の高さは普通車と同じ。
なので何の変哲も無いのだが、定員が少なく、個室感覚が好きなヘビーユーザーはむしろ好んで利用するという(上越新幹線E4系車両にも似たような箇所がある)。
尚、台車の外側に位置しているので、重心の高い2階席よりも揺れは激しい。
また、天井の高さの関係で1階席や2階席では無い荷棚も、平屋席には存在している。
シンディは自分の部品などが入った鞄を荷棚の上に置いた。
これはもし自分がストックしている部品で、エミリーに使えるものがあったら渡そうと持って来たものだ。
エミリーとシンディは同型機。
なので、部品も共通している。
見た目の違いは髪の色と髪型、そして瞳の色(エミリーは緑、シンディは青。但し、エマージェンシーの時などは共通して赤く光る)。
敷島:「まだ少し停車時間があるのか。アリスに電話でもしておくか」
シンディ:「もう既に私から連絡してますよ?」
敷島:「そ、そうか」
シンディ:「私のカメラ(目)と耳(集音マイク)を通して、アリス博士の端末に、社長の行動と言動は筒抜けです」
敷島:「〜〜〜っ!」
時折、シンディがタメ口になることがある。
これは、シンディの向こうにアリスがいると思ってもらえれば良い。
……のと、逆にアリスが通信を切っている時に(本人からしてみれば)フレンドリーな態度を取っているかのいずれかだ。
シンディ:「くれぐれも、勝手な行動は慎んでくださいませ」
敷島:「わ、分かったよ。取りあえず今日は一旦会社に戻って、大雪による被害状況を確認する。帰るのはそれからだ」
シンディ:「かしこまりました」
線路は除雪されていて、こちらの鉄道はちゃんとダイヤ通りに走れているらしい。
あの後はウソみたいに雪は降らず、融ける一方だからだろう。
だが、除雪してできた雪の壁を見るに、まるでここが北海道のように見えてしまうのだ。
しばらくして発車時刻が迫り、ホームに発車メロディが鳴り出した。
随分個性的なのは、オリジナルの『ご当地メロディ』だからだろう。
ウィキペディアによれば、“うなりくん なう!”という曲名とのこと。
まあ、何だ。地元のゆるキャラか何かのテーマソングなのだろう。
電車は定刻通りに発車した。
〔この電車は成田線、総武本線直通、快速、東京行きです。停車駅は都賀(つが)までの各駅と千葉、稲毛、津田沼、船橋、市川、新小岩、錦糸町、馬喰町(ばくろちょう)、新日本橋、終点東京です。グリーン車は4号車と5号車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください。次は、酒々井(しすい)です〕
敷島:「こっちは除雪は済んでるんだな……」
シンディ:「今頃お気づきですか。でも、こっちはこっちで大変だったんですよ」
敷島:「ああ。お前の活躍ぶりは聞いてる。よくやってくれたみたいだな」
シンディ:「はい!」
敷島:「成果報告は、帰ってから聞くよ」
さすがに、いかに観測史上とてつもない積雪だったとはいえ、日本の心臓部をそのままにしておくわけにもいかない。
特に動脈でもある鉄道に関しては、必死に除雪を行ったようだ。
敷島:「それにしても、もう大雪はお腹一杯だな。年に1回で十分だよ」
シンディ:「そうですね。私の場合は火炎放射器を装備していないので、尚更この力に頼る他はありません」
シンディは右手の袖を捲った。
いつもの衣装の上にグレーのコートを羽織っているが、別に着なくてもどうってことはない。
ただ、周りの人間が着ぶくれするほど着込んでいるのに、シンディだけノースリーブの衣装のままというのも不自然なので着ているだけだ。
車内や家においては、その恰好でいるわけだが……。
敷島:「期待しているよ」
シンディ:「お任せください」