[1月5日18:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区 DCJロボット未来科学館]
DCJ科学館では新年会が行われていた。
会場は大会議室にて。
食べ物や飲み物はケータリングで賄っていた。
敷島:「すいません。部外者の私もお呼ばれしちゃって……」
すると白髪が目立つ館長の西山は、眼鏡をキラッと光らせた。
西山:「いいんですよ。いつぞやはKR団の誘拐事件から助けて頂いて、お世話になりましたから。どうぞ、一緒に盛り上がっちゃってください」
この時、常設展示のロボット達が何かをするわけではない。
人間達だけでパーッとやるのが、科学館の決まり。
なので、館内のロボットやロイド達は暇を持て余していた。
シンディ:「おいで、アルエット。一緒に体洗おう」
アルエット:「うん!」
バックヤードにあるシャワー室。
主に仮眠前や仮眠直後に警備員達が使うことが多いが、まだ夕方で仮眠に入る者などいない。
むしろ閉館1時間後ということもあって日勤者は帰り支度をしているし、夜勤者は館内外巡回や警備報告書の作成などで忙しい。
機械警備体制に入ると、セキュリティロボットの警戒レベルも引き上げられる為、人間の警備員であっても館内を自由に動き回れなくなる。
そうなる前の閉館後巡回であった。
なので、人間の警備員達が落ち着くまで、セキュリティロボットもヒマなのだ。
エミリー:「アルエット」
エミリーは8号機のアルエットに声を掛けた。
マルチタイプ1号機はエミリー、3号機はシンディで、アルエットは8号機になる。
オリジナルタイプが7号機のレイチェルまでで、8号機はフルモデルチェンジ(という名のロリ化)になる為、通し番号であるものの、実の姉妹機ではない。
どちらかというと、従姉妹のような感覚である。
アルエット:「なぁに?お姉ちゃん」
エミリー:「服と下着、洗っておく。あなたは水素電池駆動だから、『排尿』するだろう?服が汚れやすい。だから、洗っておく」
アルエット:「ありがとう」
水素を使った燃料電池で発電すると、廃水が出る。
アルエットなどのロイドの場合、より人間に似せる為に、わざわざその排水を排尿行為に見立てて行わせている。
エミリーやシンディなどのリチウムバッテリー駆動だと、毎日の充電やバッテリーそのものの交換などがあるが、もちろん廃水が発生することはない。
洗濯室へエミリーが向かい、シャワー室にはシンディとアルエットしかいなくなる。
マリオ:「……オイ、モウチョットソッチヘ行ケ」
ルイージ:「駄目ダ、兄サン。コレ以上行クト、俺ガ見エナクナル」
美女ロイドと美少女ロイドの入浴シーンを出刃亀するバージョン5.0兄弟。
バージョンシリーズはこの2機が最新機で、一応これでテロ用途としてのバージョンシリーズの開発は終了ということになっている。
この最新機はそれまでの4.0と違い、体型がスラッとしたスマートなものになり、その動きもより人間らしくなっている。
AIもこの出刃亀行動から見ても分かる通り、ほとんどロイドと変わらないくらいである。
つまり、ロボットなのは見た目だけという機種だ。
世界的なマッドサイエンティスト、ウィリアム・フォレスト博士が設計だけして死亡した為、本来は世に出るロボットではなかった。
ところが施設から引き取られたアリスがウィリアムの意思を継いで組み立てた為、この世に産声を上げることになった。
但し、設計図通りに作った試作機はアリスの趣味に合ったデザインでは無く、彼女から見れば機能美だけを追及し、造形美を全く無視した不細工なものだったという。
その試作機はエミリーと敷島に破壊され、この世には存在していない。
アリスが独自にアレンジして造形美も意識した設計となり、再び世に出たのがこの出刃亀兄弟なのである。
1機目が赤く塗装され、2機目が緑色に塗装された為、名前はマリオとルイージと付けられた。
もちろん、その名の由来は【お察しください】。
ゴンスケ:「オラッちニモ、見セテケロダス」
マリオ:「ゴンスケ!?」
農業用2足歩行ロボット、ゴンスケも現れた。
科学館では主にイモ類を栽培している。
収穫したイモは当初、売店での販売が検討されたが、保健所への届け出やら何やらが猥雑だった為、無料配布ということに落ち着いている。
ルイージ:「オマエ、図々シイゾ」
ゴンスケ:「ロボットの女神様ト天使様ノ裸体ハソウソウ拝メルモノデハ無ェダス」
マリオ:「ソレハソウダガ……」
科学館の3馬鹿ロボット、グググとシンディとアルエットのシャワールームを覗く。
と、そこへルイージが何かにぶつかった。
ルイージ:「ア、サーセン」
ルイージがペコリと頭を下げて、ぶつかった方を見た。
すると、そこにいたのは……。
黒いロボットA:「…………」
黒いロボットB:「ザビ?」
黒いロボットC:「ザビ」
一緒にシャワー室を覗き込もうとしていた黒いロボット3連星だった。
マリオ:「ウォッ!?何デココニ黒イロボット達ガイルンダーッ!?」
ルイージ:「ココ、錦糸町ジャネェダローガヨ!?」
バージョン5.0兄弟が驚愕の声を上げていると……。
シンディ:「……オイ、コラ」
アルエット:「きゃーっ、エッチー!」(´∀`*)
マリオ:「テイウカバレターッ!!」
科学館内に爆発音が響いたのは、言うまでもない。
[同日19:00.天候:晴 同科学館]
敷島:「何だって!?黒いロボットが!?」
騒ぎを聞きつけた敷島達が駆け付けた。
アリス:「本当だわ!北海道の時に会ったヤツに……似てるような、何か違うような……?」
黒いロボット三連星と三馬鹿ロボットは、一緒に拘束されていた。
西山:「よくやった、シンディ君!すぐにこのロボット達のメモリーやデータを根こそぎ抜き取り、研究部門へ回すんだ!」
シンディ:「かしこまりました。それさえやれば、あとはコイツらブッ壊していいということですね?」
西山:「う、うむ。だが、しかし……」
シンディは右手だけでバキッと骨を鳴らした。
人間ならバキッと骨の鳴る音だが、ロイドだと金属の音が混じっている。
マリオ:「チョット待ッテクダサイ、シンディ様!?」
ルイージ:「セメテ俺達ヲ解放シテカラニシテクダサイ!」
ゴンスケ:「オ慈悲ヲ〜!女神様〜!オラと女神様ノ間柄デネェッスカ〜」
シンディ:「じゃかぁしぃ!全員、あの世に行けーい!!」
再び館内に爆発音とロボット達の絶叫がこだましたという。
警備隊長:「今日も異常無し!」
その様子は警備室の監視カメラに映っていたのだが、警備隊長は普通に指差・連呼しただけだった。
新人警備員:「マジっすか、隊長?これで異常無し?」
隊長:「キミ、これでビビッてたら、ロボット科学館の警備員は務まらないよ?」
新人:「マジっすか……」
DCJ科学館では新年会が行われていた。
会場は大会議室にて。
食べ物や飲み物はケータリングで賄っていた。
敷島:「すいません。部外者の私もお呼ばれしちゃって……」
すると白髪が目立つ館長の西山は、眼鏡をキラッと光らせた。
西山:「いいんですよ。いつぞやはKR団の誘拐事件から助けて頂いて、お世話になりましたから。どうぞ、一緒に盛り上がっちゃってください」
この時、常設展示のロボット達が何かをするわけではない。
人間達だけでパーッとやるのが、科学館の決まり。
なので、館内のロボットやロイド達は暇を持て余していた。
シンディ:「おいで、アルエット。一緒に体洗おう」
アルエット:「うん!」
バックヤードにあるシャワー室。
主に仮眠前や仮眠直後に警備員達が使うことが多いが、まだ夕方で仮眠に入る者などいない。
むしろ閉館1時間後ということもあって日勤者は帰り支度をしているし、夜勤者は館内外巡回や警備報告書の作成などで忙しい。
機械警備体制に入ると、セキュリティロボットの警戒レベルも引き上げられる為、人間の警備員であっても館内を自由に動き回れなくなる。
そうなる前の閉館後巡回であった。
なので、人間の警備員達が落ち着くまで、セキュリティロボットもヒマなのだ。
エミリー:「アルエット」
エミリーは8号機のアルエットに声を掛けた。
マルチタイプ1号機はエミリー、3号機はシンディで、アルエットは8号機になる。
オリジナルタイプが7号機のレイチェルまでで、8号機はフルモデルチェンジ(という名のロリ化)になる為、通し番号であるものの、実の姉妹機ではない。
どちらかというと、従姉妹のような感覚である。
アルエット:「なぁに?お姉ちゃん」
エミリー:「服と下着、洗っておく。あなたは水素電池駆動だから、『排尿』するだろう?服が汚れやすい。だから、洗っておく」
アルエット:「ありがとう」
水素を使った燃料電池で発電すると、廃水が出る。
アルエットなどのロイドの場合、より人間に似せる為に、わざわざその排水を排尿行為に見立てて行わせている。
エミリーやシンディなどのリチウムバッテリー駆動だと、毎日の充電やバッテリーそのものの交換などがあるが、もちろん廃水が発生することはない。
洗濯室へエミリーが向かい、シャワー室にはシンディとアルエットしかいなくなる。
マリオ:「……オイ、モウチョットソッチヘ行ケ」
ルイージ:「駄目ダ、兄サン。コレ以上行クト、俺ガ見エナクナル」
美女ロイドと美少女ロイドの入浴シーンを出刃亀するバージョン5.0兄弟。
バージョンシリーズはこの2機が最新機で、一応これでテロ用途としてのバージョンシリーズの開発は終了ということになっている。
この最新機はそれまでの4.0と違い、体型がスラッとしたスマートなものになり、その動きもより人間らしくなっている。
AIもこの出刃亀行動から見ても分かる通り、ほとんどロイドと変わらないくらいである。
つまり、ロボットなのは見た目だけという機種だ。
世界的なマッドサイエンティスト、ウィリアム・フォレスト博士が設計だけして死亡した為、本来は世に出るロボットではなかった。
ところが施設から引き取られたアリスがウィリアムの意思を継いで組み立てた為、この世に産声を上げることになった。
但し、設計図通りに作った試作機はアリスの趣味に合ったデザインでは無く、彼女から見れば機能美だけを追及し、造形美を全く無視した不細工なものだったという。
その試作機はエミリーと敷島に破壊され、この世には存在していない。
アリスが独自にアレンジして造形美も意識した設計となり、再び世に出たのがこの出刃亀兄弟なのである。
1機目が赤く塗装され、2機目が緑色に塗装された為、名前はマリオとルイージと付けられた。
もちろん、その名の由来は【お察しください】。
ゴンスケ:「オラッちニモ、見セテケロダス」
マリオ:「ゴンスケ!?」
農業用2足歩行ロボット、ゴンスケも現れた。
科学館では主にイモ類を栽培している。
収穫したイモは当初、売店での販売が検討されたが、保健所への届け出やら何やらが猥雑だった為、無料配布ということに落ち着いている。
ルイージ:「オマエ、図々シイゾ」
ゴンスケ:「ロボットの女神様ト天使様ノ裸体ハソウソウ拝メルモノデハ無ェダス」
マリオ:「ソレハソウダガ……」
科学館の3馬鹿ロボット、グググとシンディとアルエットのシャワールームを覗く。
と、そこへルイージが何かにぶつかった。
ルイージ:「ア、サーセン」
ルイージがペコリと頭を下げて、ぶつかった方を見た。
すると、そこにいたのは……。
黒いロボットA:「…………」
黒いロボットB:「ザビ?」
黒いロボットC:「ザビ」
一緒にシャワー室を覗き込もうとしていた黒いロボット3連星だった。
マリオ:「ウォッ!?何デココニ黒イロボット達ガイルンダーッ!?」
ルイージ:「ココ、錦糸町ジャネェダローガヨ!?」
バージョン5.0兄弟が驚愕の声を上げていると……。
シンディ:「……オイ、コラ」
アルエット:「きゃーっ、エッチー!」(´∀`*)
マリオ:「テイウカバレターッ!!」
科学館内に爆発音が響いたのは、言うまでもない。
[同日19:00.天候:晴 同科学館]
敷島:「何だって!?黒いロボットが!?」
騒ぎを聞きつけた敷島達が駆け付けた。
アリス:「本当だわ!北海道の時に会ったヤツに……似てるような、何か違うような……?」
黒いロボット三連星と三馬鹿ロボットは、一緒に拘束されていた。
西山:「よくやった、シンディ君!すぐにこのロボット達のメモリーやデータを根こそぎ抜き取り、研究部門へ回すんだ!」
シンディ:「かしこまりました。それさえやれば、あとはコイツらブッ壊していいということですね?」
西山:「う、うむ。だが、しかし……」
シンディは右手だけでバキッと骨を鳴らした。
人間ならバキッと骨の鳴る音だが、ロイドだと金属の音が混じっている。
マリオ:「チョット待ッテクダサイ、シンディ様!?」
ルイージ:「セメテ俺達ヲ解放シテカラニシテクダサイ!」
ゴンスケ:「オ慈悲ヲ〜!女神様〜!オラと女神様ノ間柄デネェッスカ〜」
シンディ:「じゃかぁしぃ!全員、あの世に行けーい!!」
再び館内に爆発音とロボット達の絶叫がこだましたという。
警備隊長:「今日も異常無し!」
その様子は警備室の監視カメラに映っていたのだが、警備隊長は普通に指差・連呼しただけだった。
新人警備員:「マジっすか、隊長?これで異常無し?」
隊長:「キミ、これでビビッてたら、ロボット科学館の警備員は務まらないよ?」
新人:「マジっすか……」