[9月20日13時30分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
保護者の私は基本、学食は利用できない。
一時退校して、昼食を食べに行った。
それから、再び学校に戻る。
予定通り、リサ達のクラス、女子は校庭で授業を行うようだ。
私の母校の高校は地方の県立高校で、ダートの校庭だったが、ここは東京都心にあることもあって、舗装されている。
なるほど。
ダートの校庭よりも、地熱がこもりやすいので、それで真夏では授業ができないのか。
9月も下旬になり、まだ暑いことは暑いのだが、授業ができなくもない。
しかも、走り幅跳びをやるらしく、さすがにそこだけは砂地になっている。
リサ達のクラス、『魔王軍』は当然の事だが、それ以外の女子を含めても、3分の1程度がブルマを穿いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/2b/bacaada41927d624b76d87cbe6589c2f.jpg)
改めて斉藤早苗が生前に穿いていたブルマと比べると、今のは緑色が鮮やかである。
とはいえ、彼女や白井の記憶の中では、くすんだ緑色が彼らにとっての思い出なのだろう。
坂上「愛原さん、どうかなさったのですか?」
愛原「何だか、リサが『せっかく来たんだから、体育の授業を見て行け』っていうものですから……」
坂上「愛原さんは優しいんですね」
愛原「リサが普通の人間なら、ちょっとだけ見て帰るところなんですが、彼女は違いますので……」
リサの担任の坂上先生は、リサの正体を知る数少ない人物だ。
副担任の倉田先生とはこの学校の卒業生かつ同窓生で、現役生だった頃は数々の怪奇現象に巻き込まれた経験を持つ。
坂上「なるほど。それにしても、懐かしい光景ですね」
愛原「坂上先生が現役生の頃も、ブルマでしたか?」
坂上「ええ。ギリギリそうでした。副担任の倉田先生は、実際に穿いていた人物です。まあ、彼女自身はあんまり良い思い出は無いようで、『どうしてわざわざ復活させるの?』と、首を傾げてましたが」
愛原「まあ、それが女子生徒の大部分の意見なんでしょうな」
酔っ払ってリサに言った余計な一言が、まさかここまで大騒動になるとは思わなかった。
……となると、やっぱり私にも責任の一端はあるのだろうな。
坂上「その後、大学生になって、教育実習生としてこの学校に戻ってきた時、ちょうど過渡期になっていました」
愛原「過渡期?」
坂上「1年生と2年生が短パンで、3年生は一部を除いてブルマという時期でした」
愛原「それはそれで貴重ですね」
状況的には今のと似ているのだろうが、坂上先生の時は『事実上の廃止』に向かう途中であり、今現在は『事実上の復活』に向かう最中である。
愛原「あっ?」
坂上「えっ?」
走り幅跳びをする彼女達だが、どうしてアスリート達はレーシングブルマを穿くのか、その理由が分かった。
愛原「隙間の多い短パンだと、砂が中に入りやすいんだ。それで、女子陸上の走り幅跳びも、選手達は皆ブルマなんですね」
坂上「全く入らないというわけではないでしょうが、隙間が無い方がいいでしょうからね。……しかも、あれだな……」
愛原「えっ?」
坂上「雨が降った後ですから、砂が湿っているんですよ、まだ」
愛原「あっ、本当だ!」
その為、明るい緑色のブルマや短パンに染みができたのが分かった。
愛原「まあ、我々の頃は、よく雨上がりの体育で、体操着を汚したものですが……」
坂上「まあ、そうですね」
とはいえ、今のコ達はそう思わないのか……。
淀橋「あーもうっ!ビチョビチョして気持ち悪い!砂付いちゃったし!」
小島「まあ、雨上がりの外の体育なんて、こんなもんだよ」
リサ「でも、ブルマで良かった。砂が入りにくい」
小島「それは確かに。この辺もPRするといいかもね」
リサ「ん」
淀橋「ちょっと、お尻拭いてくる!砂とか付いて気持ち悪いし!」
小島「カナコ(淀橋の下の名前)は、潔癖症だねぇ……」
リサ「んーんー。……ん?おー、愛原先生~!」
リサが私に気づいて、手を振ってきた。
愛原「いいから、授業に集中しろ」
坂上「ハハハ……。あ、私は次の授業の準備がありますので、これで……」
愛原「あ、どうもすいません。もう少ししたら、私も帰りますから」
よくよく考えてみたら、担任の先生が体育の先生というクラスもある。
基本的に授業参観は、クラスの担任教師の授業を参観するのが恒例だ。
坂上先生は現代国語の教師なので、この授業を参観することになる。
しかし、体育の授業参観ってあんまり聞いたことがない。
まあ、そういう意味では、他の特別教科の授業参観自体、あまり見聞きしないのだが。
小島「ちょっと、カナコ!これじゃ、余計にビチョビチョだよ?!」
淀橋「ヤベッ!」
リサ「お尻全体が濡れまくってる」
淀橋「ミスッた、どうしよ……!魔王様の力で、何とかなる?」
リサ「いや、無理だって」
体育教師「ちょっとそこ!何してるの!?」
女性体育教師がリサ達の行動を見咎めた。
小島「先生。小島さんの体操服が濡れまくったんで、ちょっと着替えて来ていいですか?」
体育教師「もう、何やってるの!替えのブルマはあるの?」
淀橋「えっと……」
体育教師「保健室に予備の短パンとかならあると思うから、急いで行ってきなさい」
淀橋「はーい……」
小島「カナコ、行くよ」
リサ「! そっか。保健委員、コジマだった」
小島「そういうこと」
リサ「予備のブルマとか、持ってきてない?」
淀橋「今は、これしか無いの」
リサ「ふーん……」
淀橋さんと小島さんが保健室に向かって行った。
リサ「こういう時、予備用に短パンは廃止せずに、1枚くらいは持って来てた方がいいのか」
と、リサは後ほど思ったという。
尚、淀橋さんはブルマだけでなく、下着まで濡らしてしまった為、下着ごと替える必要があったとのこと。
保護者の私は基本、学食は利用できない。
一時退校して、昼食を食べに行った。
それから、再び学校に戻る。
予定通り、リサ達のクラス、女子は校庭で授業を行うようだ。
私の母校の高校は地方の県立高校で、ダートの校庭だったが、ここは東京都心にあることもあって、舗装されている。
なるほど。
ダートの校庭よりも、地熱がこもりやすいので、それで真夏では授業ができないのか。
9月も下旬になり、まだ暑いことは暑いのだが、授業ができなくもない。
しかも、走り幅跳びをやるらしく、さすがにそこだけは砂地になっている。
リサ達のクラス、『魔王軍』は当然の事だが、それ以外の女子を含めても、3分の1程度がブルマを穿いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/2b/bacaada41927d624b76d87cbe6589c2f.jpg)
改めて斉藤早苗が生前に穿いていたブルマと比べると、今のは緑色が鮮やかである。
とはいえ、彼女や白井の記憶の中では、くすんだ緑色が彼らにとっての思い出なのだろう。
坂上「愛原さん、どうかなさったのですか?」
愛原「何だか、リサが『せっかく来たんだから、体育の授業を見て行け』っていうものですから……」
坂上「愛原さんは優しいんですね」
愛原「リサが普通の人間なら、ちょっとだけ見て帰るところなんですが、彼女は違いますので……」
リサの担任の坂上先生は、リサの正体を知る数少ない人物だ。
副担任の倉田先生とはこの学校の卒業生かつ同窓生で、現役生だった頃は数々の怪奇現象に巻き込まれた経験を持つ。
坂上「なるほど。それにしても、懐かしい光景ですね」
愛原「坂上先生が現役生の頃も、ブルマでしたか?」
坂上「ええ。ギリギリそうでした。副担任の倉田先生は、実際に穿いていた人物です。まあ、彼女自身はあんまり良い思い出は無いようで、『どうしてわざわざ復活させるの?』と、首を傾げてましたが」
愛原「まあ、それが女子生徒の大部分の意見なんでしょうな」
酔っ払ってリサに言った余計な一言が、まさかここまで大騒動になるとは思わなかった。
……となると、やっぱり私にも責任の一端はあるのだろうな。
坂上「その後、大学生になって、教育実習生としてこの学校に戻ってきた時、ちょうど過渡期になっていました」
愛原「過渡期?」
坂上「1年生と2年生が短パンで、3年生は一部を除いてブルマという時期でした」
愛原「それはそれで貴重ですね」
状況的には今のと似ているのだろうが、坂上先生の時は『事実上の廃止』に向かう途中であり、今現在は『事実上の復活』に向かう最中である。
愛原「あっ?」
坂上「えっ?」
走り幅跳びをする彼女達だが、どうしてアスリート達はレーシングブルマを穿くのか、その理由が分かった。
愛原「隙間の多い短パンだと、砂が中に入りやすいんだ。それで、女子陸上の走り幅跳びも、選手達は皆ブルマなんですね」
坂上「全く入らないというわけではないでしょうが、隙間が無い方がいいでしょうからね。……しかも、あれだな……」
愛原「えっ?」
坂上「雨が降った後ですから、砂が湿っているんですよ、まだ」
愛原「あっ、本当だ!」
その為、明るい緑色のブルマや短パンに染みができたのが分かった。
愛原「まあ、我々の頃は、よく雨上がりの体育で、体操着を汚したものですが……」
坂上「まあ、そうですね」
とはいえ、今のコ達はそう思わないのか……。
淀橋「あーもうっ!ビチョビチョして気持ち悪い!砂付いちゃったし!」
小島「まあ、雨上がりの外の体育なんて、こんなもんだよ」
リサ「でも、ブルマで良かった。砂が入りにくい」
小島「それは確かに。この辺もPRするといいかもね」
リサ「ん」
淀橋「ちょっと、お尻拭いてくる!砂とか付いて気持ち悪いし!」
小島「カナコ(淀橋の下の名前)は、潔癖症だねぇ……」
リサ「んーんー。……ん?おー、愛原先生~!」
リサが私に気づいて、手を振ってきた。
愛原「いいから、授業に集中しろ」
坂上「ハハハ……。あ、私は次の授業の準備がありますので、これで……」
愛原「あ、どうもすいません。もう少ししたら、私も帰りますから」
よくよく考えてみたら、担任の先生が体育の先生というクラスもある。
基本的に授業参観は、クラスの担任教師の授業を参観するのが恒例だ。
坂上先生は現代国語の教師なので、この授業を参観することになる。
しかし、体育の授業参観ってあんまり聞いたことがない。
まあ、そういう意味では、他の特別教科の授業参観自体、あまり見聞きしないのだが。
小島「ちょっと、カナコ!これじゃ、余計にビチョビチョだよ?!」
淀橋「ヤベッ!」
リサ「お尻全体が濡れまくってる」
淀橋「ミスッた、どうしよ……!魔王様の力で、何とかなる?」
リサ「いや、無理だって」
体育教師「ちょっとそこ!何してるの!?」
女性体育教師がリサ達の行動を見咎めた。
小島「先生。小島さんの体操服が濡れまくったんで、ちょっと着替えて来ていいですか?」
体育教師「もう、何やってるの!替えのブルマはあるの?」
淀橋「えっと……」
体育教師「保健室に予備の短パンとかならあると思うから、急いで行ってきなさい」
淀橋「はーい……」
小島「カナコ、行くよ」
リサ「! そっか。保健委員、コジマだった」
小島「そういうこと」
リサ「予備のブルマとか、持ってきてない?」
淀橋「今は、これしか無いの」
リサ「ふーん……」
淀橋さんと小島さんが保健室に向かって行った。
リサ「こういう時、予備用に短パンは廃止せずに、1枚くらいは持って来てた方がいいのか」
と、リサは後ほど思ったという。
尚、淀橋さんはブルマだけでなく、下着まで濡らしてしまった為、下着ごと替える必要があったとのこと。