[9月25日09時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
3連休最後の日曜日。
リサはゆっくり目に起きた。
リサ「先生、おはよう」
愛原「おう、リサ。おはよう」
リサ「お兄ちゃん、おはよ」
高橋「おう」
リサ「朝からいい匂い」
愛原「カレー作り過ぎちゃって、余ったんだ。今朝もカレーでいいかな?」
リサ「全然OK」![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0204.gif)
リサは『いいね』した。
愛原「今日は学校に行くんだろ?また、夕方までいるのか?」
リサ「うーん……。サクラヤの絵の進捗具合による」
愛原「それでも、夕方までには帰るんだろ?」
リサ「それはもちろん。少なくとも、お昼は食べてくると思う」
愛原「分かった。俺達も出かけるから、もし何だったら、一緒に車に乗せて行くぞ?」
リサ「ホント?それじゃ、お願い」
愛原「但し、帰りは自分で帰れよ?」
リサ「分かってるよ」
高橋が温めてくれたカレーを掻き込むリサ。
リサ「先生達はどこに行くの?」
愛原「BSAA日本地区本部だよ。緊急に聞きたいことがあるからって、今から事情聴取だよ」
リサ「ええっ?大丈夫なの?わたし……何かした?」
愛原「いや、リサのことじゃないさ。呼ばれたのは俺と高橋だけだから。それに、善場主任が付き添ってくれるだけで。もしリサのことなら、リサも連れて来いってことになるはずだ」
リサ「それもそうか」
高橋「どうせ、あれっスよね?“青いアンブレラ”と遭遇したもんだから、それのことっスよね?」
愛原「だと思うんだがな。あいつら、外国では合法な民間軍事会社ではあるけれど、日本ではそんなもの違法だからさ。それを承知で活動されると、国連軍の一派であるBSAAのメンツが潰れるってことなんだろ」
高橋「俺達が仲良くしたことが、そんなにムカついたんスかね?」
愛原「どうだかな。俺達だって、高野君が向こうにいなけりゃ、特に相手する所でもないんだがな。もしそういう話の流れだったら、そういう風に説明するしか無いだろう」
高橋「アネゴとは、一時的にも一緒に仕事した仲っスからねぇ……」
愛原「それ以前に、霧生市のバイオハザードを一緒に生還した仲間でもある。あまり邪険にされても、困るんだがな」
リサは2人の探偵と助手の難しい話を話半分に聞きながら、これからの予定のことを考えていた。
リサ(今日は購買も食堂も開いてないから、自販機で買うしかない。パンとか冷凍食品とかアイスとか……。売り切れになってないといいけど……)
[同日10時30分。天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
東京中央学園の通用門の前に、1台のライトバンが停車する。
愛原がレンタカー会社からリース契約している、仕事用の商用バンだ。
4ナンバーのこれを借りているのは、何も5ナンバーや3ナンバー車よりも料金が安いからだけではない。
隠密行動をする際、全国どこにでも存在していて、どこにいようか不自然ではない車種を選んだからである。
今回も、こうして学校に来ると、まるで休校日にしかできない作業に来た業者の車に見えるだろう。
大手の探偵事務所だと、タクシーを貸し切ることもあるそうだ。
これとて、どこにいても不自然ではないし、自分で運転するわけではないから、乗客のフリをすることもできるというわけだ。
愛原「それじゃリサ、帰る時、すぐに連絡するんだぞ?」
リサ「分かった」
制服に着替えているリサは、車から降りて、生徒通用門から校内に入った。
平日と比べて静かなものだが、それでも運動部が練習している声とか音などが聞こえる。
リサは校舎内に入ると、美術室に向かった。
リサ「おはよう」
桜谷「あっ、魔王様、おはようございます!」
リサ「今日で仕上げだっけ?」
桜谷「そうです。準備の方、お願いします」
リサ「分かった」
リサは桜谷からロッカーの鍵を受け取った。
そして、隣の美術準備室に入る。
そこにはロッカーが1つ置かれていて、その中にリサがモデルとして着用する衣装が入っているのである。
もっとも、体操服は学校指定の物であり、ブルマもリサが自前で用意した紺色のブルマを穿く。
ロッカーの中に入れてあるのは、その上から羽織る黒マントとゴツい装飾のされた魔法の杖である。
タイトルは、『魔王様の肖像画』である。
制服から体操服に着替える。
ブルマは既にスカートの下に穿いていた。
あとは、マントを羽織って杖を持つだけ。
最後に、第1形態に戻ってモデル開始である。
[同日13時00分 天候:曇 同校美術室]
桜谷「できた!できました!」
制服の上からエプロンを羽織っている桜谷が言った。
リサ「おおーっ!」
肖像画とするに相応しい大きなサイズである為、制作期間は思いの外掛かってしまったが、それでもコンクールには間に合ったようだ。
リサ「モデルになったわたしが言うのも何だけど、まるで本物みたい」
桜谷「リサ様のおかげですよ」
桜谷は絵の具を指さした。
絵の具にはリサの血や、寄生虫の体液を抽出した物が混ざっている。
リサ「早速飾る!?」
桜谷「まずは先生に見てもらいます。職員室にいるはずなので、呼んで来ますね」
リサ「分かった。それじゃ、わたしは着替えるから」
桜谷「了解です!」
桜谷は顧問の教師を呼びに行った。
美術部の顧問なのだから、美術教師である。
リサは再び美術準備室に入り、制服に着替え始めた。
リサ「ん、何だこれ?」
準備室の中には、既に制作済みの絵などが保管されている。
中には、何年も保管されている絵もあった。
いつの間にか、その保管庫の棚から、1枚の絵がはみ出ていた。
リサは着替え終わると、その絵を取り出してみた。
リサ「こ、これは……!?」
それはエロ恐ろしい絵であった。
この学校の女子体操服が、まだブルマが当たり前だった頃に描かれたものだろう。
複数のブルマ姿の女子生徒が、校庭で猥褻行為を受けている絵だった。
しかし、猥褻行為をしているのは人間ではない。
リサ「これは……マドハンド???」
青紫色の手首から上だけの手が、女子生徒達を襲っていた。
地面から伸びた手が、長髪の女子の髪を掴んで地面に引っ張ったり、ある手は別の女子生徒の胸を揉みしだいたり、後ろからブルマの中に手を入れたりしていた。
一番被害を受けている女子は下半身を完全に脱がされ、上半身も体操服をずり上げられて、下のブラが丸見えになっている。
しかし、肝心の股間を手の化け物が隠しているという絵だった。
リサ「エロいねぇ……。こんなの描いたの、絶対男子でしょ?」
リサはニヤッと笑った。
リサ「……待てよ。この手って……」
リサはふと、新聞部で行われた“学校の七不思議”特集のことを思い出した。
さすがにこんなエロ描写は無いものの、似たような話をリサは聞いたことがあった。
学校の校庭には幾人もの地縛霊が潜んでいて、体育の授業中、見えない手が伸びて来て、足を掴まれたりしたとかいう話だ。
それとて、結局は特異菌感染による幻覚症状だということが分かっている。
リサ「なるほど。確かに、こんなエロハンドもいたのかもしれないね。他にもあるかな……?」
リサは他にも似たような怪奇画が無いか探そうとしたが、そこへ桜谷と顧問の教師が戻って来たので、断念せざるを得なかった。
3連休最後の日曜日。
リサはゆっくり目に起きた。
リサ「先生、おはよう」
愛原「おう、リサ。おはよう」
リサ「お兄ちゃん、おはよ」
高橋「おう」
リサ「朝からいい匂い」
愛原「カレー作り過ぎちゃって、余ったんだ。今朝もカレーでいいかな?」
リサ「全然OK」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0204.gif)
リサは『いいね』した。
愛原「今日は学校に行くんだろ?また、夕方までいるのか?」
リサ「うーん……。サクラヤの絵の進捗具合による」
愛原「それでも、夕方までには帰るんだろ?」
リサ「それはもちろん。少なくとも、お昼は食べてくると思う」
愛原「分かった。俺達も出かけるから、もし何だったら、一緒に車に乗せて行くぞ?」
リサ「ホント?それじゃ、お願い」
愛原「但し、帰りは自分で帰れよ?」
リサ「分かってるよ」
高橋が温めてくれたカレーを掻き込むリサ。
リサ「先生達はどこに行くの?」
愛原「BSAA日本地区本部だよ。緊急に聞きたいことがあるからって、今から事情聴取だよ」
リサ「ええっ?大丈夫なの?わたし……何かした?」
愛原「いや、リサのことじゃないさ。呼ばれたのは俺と高橋だけだから。それに、善場主任が付き添ってくれるだけで。もしリサのことなら、リサも連れて来いってことになるはずだ」
リサ「それもそうか」
高橋「どうせ、あれっスよね?“青いアンブレラ”と遭遇したもんだから、それのことっスよね?」
愛原「だと思うんだがな。あいつら、外国では合法な民間軍事会社ではあるけれど、日本ではそんなもの違法だからさ。それを承知で活動されると、国連軍の一派であるBSAAのメンツが潰れるってことなんだろ」
高橋「俺達が仲良くしたことが、そんなにムカついたんスかね?」
愛原「どうだかな。俺達だって、高野君が向こうにいなけりゃ、特に相手する所でもないんだがな。もしそういう話の流れだったら、そういう風に説明するしか無いだろう」
高橋「アネゴとは、一時的にも一緒に仕事した仲っスからねぇ……」
愛原「それ以前に、霧生市のバイオハザードを一緒に生還した仲間でもある。あまり邪険にされても、困るんだがな」
リサは2人の探偵と助手の難しい話を話半分に聞きながら、これからの予定のことを考えていた。
リサ(今日は購買も食堂も開いてないから、自販機で買うしかない。パンとか冷凍食品とかアイスとか……。売り切れになってないといいけど……)
[同日10時30分。天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
東京中央学園の通用門の前に、1台のライトバンが停車する。
愛原がレンタカー会社からリース契約している、仕事用の商用バンだ。
4ナンバーのこれを借りているのは、何も5ナンバーや3ナンバー車よりも料金が安いからだけではない。
隠密行動をする際、全国どこにでも存在していて、どこにいようか不自然ではない車種を選んだからである。
今回も、こうして学校に来ると、まるで休校日にしかできない作業に来た業者の車に見えるだろう。
大手の探偵事務所だと、タクシーを貸し切ることもあるそうだ。
これとて、どこにいても不自然ではないし、自分で運転するわけではないから、乗客のフリをすることもできるというわけだ。
愛原「それじゃリサ、帰る時、すぐに連絡するんだぞ?」
リサ「分かった」
制服に着替えているリサは、車から降りて、生徒通用門から校内に入った。
平日と比べて静かなものだが、それでも運動部が練習している声とか音などが聞こえる。
リサは校舎内に入ると、美術室に向かった。
リサ「おはよう」
桜谷「あっ、魔王様、おはようございます!」
リサ「今日で仕上げだっけ?」
桜谷「そうです。準備の方、お願いします」
リサ「分かった」
リサは桜谷からロッカーの鍵を受け取った。
そして、隣の美術準備室に入る。
そこにはロッカーが1つ置かれていて、その中にリサがモデルとして着用する衣装が入っているのである。
もっとも、体操服は学校指定の物であり、ブルマもリサが自前で用意した紺色のブルマを穿く。
ロッカーの中に入れてあるのは、その上から羽織る黒マントとゴツい装飾のされた魔法の杖である。
タイトルは、『魔王様の肖像画』である。
制服から体操服に着替える。
ブルマは既にスカートの下に穿いていた。
あとは、マントを羽織って杖を持つだけ。
最後に、第1形態に戻ってモデル開始である。
[同日13時00分 天候:曇 同校美術室]
桜谷「できた!できました!」
制服の上からエプロンを羽織っている桜谷が言った。
リサ「おおーっ!」
肖像画とするに相応しい大きなサイズである為、制作期間は思いの外掛かってしまったが、それでもコンクールには間に合ったようだ。
リサ「モデルになったわたしが言うのも何だけど、まるで本物みたい」
桜谷「リサ様のおかげですよ」
桜谷は絵の具を指さした。
絵の具にはリサの血や、寄生虫の体液を抽出した物が混ざっている。
リサ「早速飾る!?」
桜谷「まずは先生に見てもらいます。職員室にいるはずなので、呼んで来ますね」
リサ「分かった。それじゃ、わたしは着替えるから」
桜谷「了解です!」
桜谷は顧問の教師を呼びに行った。
美術部の顧問なのだから、美術教師である。
リサは再び美術準備室に入り、制服に着替え始めた。
リサ「ん、何だこれ?」
準備室の中には、既に制作済みの絵などが保管されている。
中には、何年も保管されている絵もあった。
いつの間にか、その保管庫の棚から、1枚の絵がはみ出ていた。
リサは着替え終わると、その絵を取り出してみた。
リサ「こ、これは……!?」
それはエロ恐ろしい絵であった。
この学校の女子体操服が、まだブルマが当たり前だった頃に描かれたものだろう。
複数のブルマ姿の女子生徒が、校庭で猥褻行為を受けている絵だった。
しかし、猥褻行為をしているのは人間ではない。
リサ「これは……マドハンド???」
青紫色の手首から上だけの手が、女子生徒達を襲っていた。
地面から伸びた手が、長髪の女子の髪を掴んで地面に引っ張ったり、ある手は別の女子生徒の胸を揉みしだいたり、後ろからブルマの中に手を入れたりしていた。
一番被害を受けている女子は下半身を完全に脱がされ、上半身も体操服をずり上げられて、下のブラが丸見えになっている。
しかし、肝心の股間を手の化け物が隠しているという絵だった。
リサ「エロいねぇ……。こんなの描いたの、絶対男子でしょ?」
リサはニヤッと笑った。
リサ「……待てよ。この手って……」
リサはふと、新聞部で行われた“学校の七不思議”特集のことを思い出した。
さすがにこんなエロ描写は無いものの、似たような話をリサは聞いたことがあった。
学校の校庭には幾人もの地縛霊が潜んでいて、体育の授業中、見えない手が伸びて来て、足を掴まれたりしたとかいう話だ。
それとて、結局は特異菌感染による幻覚症状だということが分かっている。
リサ「なるほど。確かに、こんなエロハンドもいたのかもしれないね。他にもあるかな……?」
リサは他にも似たような怪奇画が無いか探そうとしたが、そこへ桜谷と顧問の教師が戻って来たので、断念せざるを得なかった。