[12月25日16時10分 天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→都営新宿線1589K電車最後尾]
藤野に行く準備を整えた私達は、菊川駅に向かった。
結局、高橋は帰って来なかった。
何回かあいつのスマホにLINEを送っているのだが、返信どころか既読すら付かない。
ちゃんと送れているわけだから、けしてブロックされたりとかは無いようだが……。
冬の早い夕闇が押し迫る中、私達は最寄りの駅へと向かう。
〔まもなく1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
ホームで電車を待っていると、ホームに強風が吹きこんで来る。
冗談抜きに、菊川駅は何故だか電車が発着する度に強風が吹く。
地下鉄の駅なら当たり前だろうと思うところだが、それにしても強過ぎるのである。
特に改札口に向かう階段やエスカレーター付近は、要注意だ。
リサ達が穿いているスカートくらいなら、簡単に捲れ上がるほどの……。
リサ「おっと!」
絵恋「きゃっ!」
早苗「んっ?」
リサの黒くて短いプリーツスカートが捲れ上がり、リサはパッとスカートを押さえた。
一瞬、スカートの下に穿いている紺色のブルマが見えてしまう。
絵恋さんはピンク色のスカートを穿いていたが、リサほど短くない為、パンチラは無い。
それでも気になったか、或いはリサの反応につられたか、スカートを押さえる仕草をした。
斉藤早苗は、セーラー服をモチーフにした私服を着ている。
紺色のスカートが捲れ上がるが、2人の少女ほどは気にしていない。
彼女はリサとは違い、青っぽいブルマを穿いているようだった。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
京王電鉄の車両がやってきた。
笹塚行きくらいではいちいち言わないが、新宿~笹塚間は京王新線なので、乗り入れ元に帰る所であろう。
私達は電車に乗り込み、空いているローズピンクの座席に腰かけた。
〔1番線、ドアが閉まります〕
短い発車メロディが流れた後、電車のドアとホームドアが閉まる。
そして、車掌が発車合図のフザーを鳴らすと、電車が動き出した。
トンネル内にインバータのモーター音が響く。
〔次は森下、森下。お出口は、右側です。都営大江戸線は、お乗り換えです〕
今回、藤野には電車で向かう。
東京駅から中央線に乗るつもりでいるのだが、さすがに東京駅までタクシーは認められないと思われ、地下鉄で向かうことにした。
この電車で小川町駅まで向かい、そこから丸ノ内線の淡路町駅から乗り換えるという予定だ。
小川町駅と淡路町駅は駅名こそ違うが、ほぼ同一と言って良い。
鉄道会社が違うから違う駅名なのかもしれないが、多分、東京初心者には難しいかもしれないな。
隣に座るリサは私にベッタリくっつこうとしているが、更にその隣に座る絵恋もまたベッタリしようとしている。
変な三角関係になりそうだ。
逆に高橋がいなくて良かったかも……。
[同日16時30分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 東京メトロ東京駅→JR東京駅]
〔東京、東京です。JR線は、お乗り換えです。1番線の電車は、荻窪行きです〕
小川町駅から淡路町駅に徒歩連絡し、東京メトロ丸ノ内線に乗り換える。
さすがに丸ノ内線は本数が多い割には編成が短いこともあって、混雑していた。
乗降客数は隣の大手町駅や銀座駅には及ばないものの、ターミナル直結駅ということもあって、私達のようなJR利用者で賑わっている駅であるようだ。
電車を降りて、改札口へのエスカレーターに乗る。
愛原「わざわざバッグごと持って来て、大丈夫?」
絵恋と早苗は、キャリーバッグごと持って来ていた。
絵恋「大丈夫です。最悪、年末まで泊まるかもしれないってことで、それならもう持って行くことにしました」
早苗「同じく」
愛原「そうか。まあ、それならいいけど……」
改札口を出ると、私達はJR東京駅に向かった。
愛原「結局、買ったのか」
早苗「やっぱり便利ですから」
早苗だけ唯一、ICカードを持っていなかった。
沖縄で使えるICカードならあるそうだが、それはこちらでは使えない。
最初のうちは買う気が無かった早苗も、今日初めてPasmoを買った。
これをチャージして使っている。
リサ「先生、こういう交通費も、デイライトさんに請求するんだよね?」
愛原「そうだよ」
リサ「領収証とかはいいの?」
愛原「通勤電車やバスの運賃は、領収証の発行が無い場合がある。その場合は、領収証無しで請求できるんだよ。もちろん、それ専用の請求書はあるんだけどね」
リサ「ふーん……」
特急に乗ったりすれば、領収証を発行できるから、それを提出したりするのだが、各駅停車や快速列車などは違うので。
愛原「1時間以上の旅になるから、今のうちトイレとか行っておくといいよ」
リサ「特快で?」
愛原「そう」
リサ「分かった。行ってくる」
改札口に入ると、まずはコンコース内のトイレに向かった。
[同日16時55分 天候:晴 JR東京駅・中央快速線ホーム→中央快速線1651T電車10号車内]
オレンジバーミリオンのラインカラーを身に纏った電車に乗り込む。
ちょうど先頭車の、運転室後ろの4人席を確保すれば横並びに座れるというものだ。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、16時55分発、中央特快、大月行きです。発車まで、しばらくお待ちください。次は、神田に、停車致します〕
〔この電車は、中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川と、立川から先の各駅です〕
山梨県まで行く電車であるが、とても通勤電車の内装では、そんな実感が湧かない。
まだこの電車にはトイレが無く、グリーン車も組み込まれていない。
試しに善場主任に、もしまた藤野に行く場合、中央特快にグリーン車が組み込まれていたら乗って良いのか聞いてみたら、『どうぞ』とのことだった。
まあ、半分冗談で聞いた話なのだが……。
〔「お待たせ致しました。16時55分発、中央快速線、中央特快、大月行き、まもなく発車致します」〕
もう既に外は夜のように暗い。
夏場だと、まだまだ全然明るいのだが。
絵恋「沖縄はまだ明るいですよ」
とのこと。
ホームから発車メロディが聞こえてくる。
〔1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
中央線は特急列車も発着するからか、ホームドアが無い。
また、グリーン車を組み込む計画もあるからだろうか、他の通勤線区と比べれば、ホームドアの普及率は低い。
なので、電車のドアが閉まり切れば、すぐに発車する。
〔この電車は、中央線、中央特快、大月行きです。次は神田、神田。お出口は、右側です。地下鉄銀座線は、お乗り換えです〕
電車は既に座席が全部埋まり、立ち客も出ているほどだった。
それでも平日の同じ時間と比べれば、まだ乗客は少ない方なのだろう。
元々賑わいやすい中央特快だから、というのもある。
まあ、果たして私達のように、都外まで乗って行く客がどれだけいるのかは不明だが。
それにしても、高橋からは全く連絡が無い。
LINEだけでなく、部屋にも書置きは置いてある。
部屋の鍵は持っているはずなので、締め出されていることはないはずだ。
藤野に行く準備を整えた私達は、菊川駅に向かった。
結局、高橋は帰って来なかった。
何回かあいつのスマホにLINEを送っているのだが、返信どころか既読すら付かない。
ちゃんと送れているわけだから、けしてブロックされたりとかは無いようだが……。
冬の早い夕闇が押し迫る中、私達は最寄りの駅へと向かう。
〔まもなく1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
ホームで電車を待っていると、ホームに強風が吹きこんで来る。
冗談抜きに、菊川駅は何故だか電車が発着する度に強風が吹く。
地下鉄の駅なら当たり前だろうと思うところだが、それにしても強過ぎるのである。
特に改札口に向かう階段やエスカレーター付近は、要注意だ。
リサ達が穿いているスカートくらいなら、簡単に捲れ上がるほどの……。
リサ「おっと!」
絵恋「きゃっ!」
早苗「んっ?」
リサの黒くて短いプリーツスカートが捲れ上がり、リサはパッとスカートを押さえた。
一瞬、スカートの下に穿いている紺色のブルマが見えてしまう。
絵恋さんはピンク色のスカートを穿いていたが、リサほど短くない為、パンチラは無い。
それでも気になったか、或いはリサの反応につられたか、スカートを押さえる仕草をした。
斉藤早苗は、セーラー服をモチーフにした私服を着ている。
紺色のスカートが捲れ上がるが、2人の少女ほどは気にしていない。
彼女はリサとは違い、青っぽいブルマを穿いているようだった。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
京王電鉄の車両がやってきた。
笹塚行きくらいではいちいち言わないが、新宿~笹塚間は京王新線なので、乗り入れ元に帰る所であろう。
私達は電車に乗り込み、空いているローズピンクの座席に腰かけた。
〔1番線、ドアが閉まります〕
短い発車メロディが流れた後、電車のドアとホームドアが閉まる。
そして、車掌が発車合図のフザーを鳴らすと、電車が動き出した。
トンネル内にインバータのモーター音が響く。
〔次は森下、森下。お出口は、右側です。都営大江戸線は、お乗り換えです〕
今回、藤野には電車で向かう。
東京駅から中央線に乗るつもりでいるのだが、さすがに東京駅までタクシーは認められないと思われ、地下鉄で向かうことにした。
この電車で小川町駅まで向かい、そこから丸ノ内線の淡路町駅から乗り換えるという予定だ。
小川町駅と淡路町駅は駅名こそ違うが、ほぼ同一と言って良い。
鉄道会社が違うから違う駅名なのかもしれないが、多分、東京初心者には難しいかもしれないな。
隣に座るリサは私にベッタリくっつこうとしているが、更にその隣に座る絵恋もまたベッタリしようとしている。
変な三角関係になりそうだ。
逆に高橋がいなくて良かったかも……。
[同日16時30分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 東京メトロ東京駅→JR東京駅]
〔東京、東京です。JR線は、お乗り換えです。1番線の電車は、荻窪行きです〕
小川町駅から淡路町駅に徒歩連絡し、東京メトロ丸ノ内線に乗り換える。
さすがに丸ノ内線は本数が多い割には編成が短いこともあって、混雑していた。
乗降客数は隣の大手町駅や銀座駅には及ばないものの、ターミナル直結駅ということもあって、私達のようなJR利用者で賑わっている駅であるようだ。
電車を降りて、改札口へのエスカレーターに乗る。
愛原「わざわざバッグごと持って来て、大丈夫?」
絵恋と早苗は、キャリーバッグごと持って来ていた。
絵恋「大丈夫です。最悪、年末まで泊まるかもしれないってことで、それならもう持って行くことにしました」
早苗「同じく」
愛原「そうか。まあ、それならいいけど……」
改札口を出ると、私達はJR東京駅に向かった。
愛原「結局、買ったのか」
早苗「やっぱり便利ですから」
早苗だけ唯一、ICカードを持っていなかった。
沖縄で使えるICカードならあるそうだが、それはこちらでは使えない。
最初のうちは買う気が無かった早苗も、今日初めてPasmoを買った。
これをチャージして使っている。
リサ「先生、こういう交通費も、デイライトさんに請求するんだよね?」
愛原「そうだよ」
リサ「領収証とかはいいの?」
愛原「通勤電車やバスの運賃は、領収証の発行が無い場合がある。その場合は、領収証無しで請求できるんだよ。もちろん、それ専用の請求書はあるんだけどね」
リサ「ふーん……」
特急に乗ったりすれば、領収証を発行できるから、それを提出したりするのだが、各駅停車や快速列車などは違うので。
愛原「1時間以上の旅になるから、今のうちトイレとか行っておくといいよ」
リサ「特快で?」
愛原「そう」
リサ「分かった。行ってくる」
改札口に入ると、まずはコンコース内のトイレに向かった。
[同日16時55分 天候:晴 JR東京駅・中央快速線ホーム→中央快速線1651T電車10号車内]
オレンジバーミリオンのラインカラーを身に纏った電車に乗り込む。
ちょうど先頭車の、運転室後ろの4人席を確保すれば横並びに座れるというものだ。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、16時55分発、中央特快、大月行きです。発車まで、しばらくお待ちください。次は、神田に、停車致します〕
〔この電車は、中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川と、立川から先の各駅です〕
山梨県まで行く電車であるが、とても通勤電車の内装では、そんな実感が湧かない。
まだこの電車にはトイレが無く、グリーン車も組み込まれていない。
試しに善場主任に、もしまた藤野に行く場合、中央特快にグリーン車が組み込まれていたら乗って良いのか聞いてみたら、『どうぞ』とのことだった。
まあ、半分冗談で聞いた話なのだが……。
〔「お待たせ致しました。16時55分発、中央快速線、中央特快、大月行き、まもなく発車致します」〕
もう既に外は夜のように暗い。
夏場だと、まだまだ全然明るいのだが。
絵恋「沖縄はまだ明るいですよ」
とのこと。
ホームから発車メロディが聞こえてくる。
〔1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
中央線は特急列車も発着するからか、ホームドアが無い。
また、グリーン車を組み込む計画もあるからだろうか、他の通勤線区と比べれば、ホームドアの普及率は低い。
なので、電車のドアが閉まり切れば、すぐに発車する。
〔この電車は、中央線、中央特快、大月行きです。次は神田、神田。お出口は、右側です。地下鉄銀座線は、お乗り換えです〕
電車は既に座席が全部埋まり、立ち客も出ているほどだった。
それでも平日の同じ時間と比べれば、まだ乗客は少ない方なのだろう。
元々賑わいやすい中央特快だから、というのもある。
まあ、果たして私達のように、都外まで乗って行く客がどれだけいるのかは不明だが。
それにしても、高橋からは全く連絡が無い。
LINEだけでなく、部屋にも書置きは置いてある。
部屋の鍵は持っているはずなので、締め出されていることはないはずだ。