ブーニン後15年の沈黙を破って誕生したショパンコンクールの王者ユンディ・リ。
ショパンイヤー旋風とともについに周南へ!
4月6日、周南文化会館にてユンディリーのピアノリサイタルがありました。
私はショパンが好きです。
少しばかりセンチメンタルで、繊細で、しかしながら大胆で
私はショパンが好きです。
でも、彼の演奏を聴きながら、私は本当にショパンがわかっていたのだろうか。
きちんと聴きこなしていたのだろうか。
私はショパンが本当に好きなのだろうか。。。。
思いも寄らぬ疑問を抱えながら聴くことになりました。
それくらい未知の音楽を聴くかのような衝撃が私を襲っていました。
まず、五つの夜想曲(ノクターン)が次々と流れます。
叙情敵であり、繊細優美でロマンティック・・・
どんなに多くの形容詞を用いて賞賛しようにも、彼の楽曲の前では、そうした言葉も効力も散ってしまう
アンダンテ・アスピナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
休憩を挟んで
四つのマズルカ 作品33
ショパンは祖国ポーランドの民族的な舞曲のスタイルに基づいたマズルカを多く残しています。
マズルカに限らず、彼の楽曲の底辺にはポーランドの血が脈々と流れているのを感じます。
圧巻は
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ単調 作品35「葬送」
そう、第3楽章は単独でも有名な葬送行進曲です。
暗く重苦しい足取りで葬送の行列が表現されています。
聴く前には、なぜ彼はこれを選曲したのかと思っていましたが、
(それくらい私はミーハーだったのです・・・)
これじゃなきゃいけないくらいの素晴らしさでした。
そして最後は
ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53「英雄」
やはりここでもポーランドの舞曲を感じさせます。
勇壮な3拍子のリズムに乗って力強く進んでいきます。
体中が泡立ち、いつしか私は両手で私を抱きしめていました。
私はショパンが好きです。
雨だれも、子犬のワルツも、木枯らしも、別れの曲も革命も軍隊も、華麗なる大円舞曲も幻想即興曲だって。
でも、彼は私に新しいショパン、もっともっと深いところに位置するショパンを教えてくれた。
「ピアノの森」の海くんは、雨宮君は、阿字野先生だったら、丸山誉子だったらどう弾くのだろう。
「のだめカンタービレ」ののだめちゃんだったら、千秋さまだったらどうな演奏をするのだろう。
芸術の奥深さを改めて知らされた夜でした。
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