伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

「ドイツ・デンマーク視察報告 No.2」 緑の党との会談 ① 

2012-07-16 11:10:39 | 環境
6月30日 ドイツ ハンブルグ市 緑の党との会談。



ドイツの再生可能エネルギーの取り組みについて

鎌倉市が6月議会で「原発に依存しないためのエネルギー条例」を可決した。
地域から再生可能エネルギー社会を作っていくため、様々な政策提案をしていくそうだ。

国がダメなら地方から変えていくと先鞭を付けた鎌倉市議会。

それを受け、ハンブルグ市緑の党のメンバーからは、
ドイツでも政治がダメなのでボトムアップのアプローチで再生可能エネルギーを進めてきた。
1986年チェルノブイリ事故後、黒い森のシューナウは発電所を市民が作った。
現在4つの電力会社のひとつになったが、市民と議会の決断から始まった。

市民として始めるのは時間がかかる。
大型風力発電所が機能しないことを証明するためRWE社が1基作った。
上手くいかないことを証明して87年には撤去した。
しかし、市民のやっているWIND PARKは上手くいった。

経済省は現在は洋上発電、風力発電の技術を喜んでいる。
経済省は止めようとしたが、市民が頑張ったから現在につながっている。

北ドイツは風の関係で風力発電所が多く、関係する企業や雇用につながっている。
北ドイツにはハンブルグ市があり、現在造船所で船の代りに風力発電を作っている。
規模も似ているし、技術も似ている。

農家は現在ソーラーパネル、バイオマス、風力発電を設置して効果の恩恵を受けている。

連邦は遠いため、現在エネルギー提供を市民に戻そうとして、市町村で電力会社を持っている。
ハンブルグエネルギーでは2割を供給。

10年前、再生可能エネルギー法により、一般に流すことができる買い取り制度ができた。
技術が多様化して、現在300の技術を生み出した。

電気を暖房に使うのは効率が悪い。
省エネも重要で合る。

問、太陽光エネルギー買い取り制度の課題について。
買い取り価格をドイツでも下げようとしたと聞いたが?


そのような動きがあったが、太陽光エネルギーは安くなってきた。
数年経ったら解除されるかもしれない。
再生可能エネルギーを促進しても、太陽光発電だけでは不可能。
1年間8,900時間中の700時間、太陽光エネルギーをどうやってうまく使うか、他のエネルギーと組み合わせ全体のシステムを考えていくことがこれからの課題。
どのシステムにするかは国による。

福島原発事故後、脱原発に向けたドイツの動きについて

(ドイツでは倫理委員会がメルケル首相の諮問機関として、昨年3月12日より1カ月後、「原発の賛否は別にして、原発はリスクの高い技術。一方の再生可能エネルギーはリスクが低い。ならば原発は廃止すべきだ」と政府に勧告した。)

その前から原発は間違いで、脱原発に戻す考えがあったが、いろいろな圧力があった。
圧力に負けるより、専門委員会に結論を出してもらった方が良かった。
原子力問題は技術だけの問題ではなく、人類として少しでもリスクがあることをやってもいいのか、という宗教者達も入っての結論だった。

かつて、ドイツでも70,80年代には反対運動が強くあり10万人以上集まった。
しかし現在は、使用済み核燃料移送列車にはハンブルグ市民も反対していたが、反原発運動は下火になっていた。
それが、福島原発事故を受け、市民運動がおこり100kmのデモも起こったため、政治家もメディアも驚いた。。

政府は30~40年間の世論調査で脱原発を国民が望んでおり、脱原発を止めたら政権が倒れると考えた。
福島の事故はドイツと同じレベルの技術が進んでいる国で起こったことでショックを受けた。
ドイツには緑の党という脱原発の票が集まる受け皿がある。
フランスにも脱原発の声は大きいが、その受け皿がない。

また、教育も重要である。
チェルノブイリ事故の時小学校6年生だったが、環境やエネルギーの科目はなかったが、原発の危険性を授業で教え、あらゆる科目で問題点を教えた。
教育は州の役割で、あらゆる科目の中のカリキュラムに入っている。
再生可能エネルギーセンターで1万人の学生が学んでいる。

緑の党から
問、日本では福島問題で大きなデモが起こっていない。
60,70年の原水爆実験にはあれほど反対運動が起こったのに自国の事には反対しないのか?

答 マスコミが報道しない。4万5千人のデモが起こったばかり(6/29)
日本人は新聞を信用する度合いが大きい。大本営発表を信じている。

子ども達にきちんと教育してこなかった事が問題。
個の存在になったのに押さえつけられた人間が作られてきた。


国連が持続可能エネルギー10カ年方針を出したが、学校以外の教育も重要である。



「ドイツ・デンマーク視察報告 No.1」再生可能エネルギーについて 

2012-07-14 02:03:32 | 環境
6月29日~7月6日までドイツ ハンブルグ市とデンマーク ロラン島に再生可能エネルギーと環境問題について視察に行ってきた。
市民ネットワーク北海道の企画に神奈川ネット2人、そして大野ひろみと私がジョイントさせてもらい総勢14人とコーディネーターの壱岐さん。
北海道ネットの佐藤典子団長を始め北海道ネットの面々、石川佐和子札幌市議、井関史子石狩市議、そして石川寿美鎌倉市議。
他の市民ネットワークや生活クラブ北海道のメンバーと情報交換と交流が出来て、本当に有意義な視察となった。
改めて北海道ネットのみなさまにお礼を申し上げます。

また、壱岐さんのリボーン社は環境問題などを手掛ける旅行代理店。
5月の震災ガレキの視察時にも様々なアドバイスをいただいた。

6月29日昼に成田を発ち西回り、時差5時間でハンブルグ着。

6月30日 午前中から昼食をはさんで、ハンブルグ市で行われている国際建設博覧会IBA会場へ。

ハンブルグでガイドをしていただいたのは、スザンネ・エルファディングさん
日本には12年間、早稲田大学などに留学していたと話されていた。
なんと!!!日本語のHPがあった。
都市工学が専門ということで、私たちの知りたい事を的確に通訳、説明してくれた。
ハンブルグの視察が有意義だったのも、エルファディングさんにガイドしていただいたからと感謝している。

欧州は気候変動に対応し、CO2削減に向けた政策を打ち出している。
それというのも気候変動により水位の上昇にさらされているため、差し迫った課題となっているからだろう。

ドイツのエネルギー政策は福島第一原発事故後、脱原発を2022年までに完了させ、化石燃料も止める。
また、2050年までに再生可能エネルギー利用を80%までに引き上げる計画である。
そのため、再生可能エネルギーの促進やエネルギー効率の向上を目指し、熱電供給システム(CHP)を進め、天然ガスや石油などの化石燃料の輸入を止め、スマートグリッドや電気自動車を促進する政策を進めている。
ハンブルグ市はまた、人々が自転車道を充実し、自動販売機もなく、ライフスタイルとして脱石油へと生活自体がシフトしていたことを180万人都市であっても実感された。

国際建設博覧会IBAは、都市問題の解決のための実験プロジェクトで、都市が自分たちでテーマを決め予算を準備して取り組むという説明だった。
市は計画作りへ補助金を出し、住民、企業、団体、個人の誰でもプロジェクトを提案でき、採用されたプロジェクトにたいして投資家が事業を行うシステム。
IBAハンブルグでは市はコーディネートに1億ユーロ補助金を出した。

たとえIBAが終わっても、住民参加などのプロセスが市民に残るという事だった。

「IBAハンブルグ」は2006年から2013年の期間で、来年が最終年。
テーマは「エルベ川を飛び越えて」。
かつては洪水に襲われたエルベ川の広大な中州地区(ヴィルヘルムスブルク地区)は、中心市街地から川で分断され、工業地帯、大型船の入れなくなった港湾施設、農村などが無秩序に入り乱れ、道路、高速道路、鉄道などにより分断されている。
住環境が良くないため、地価と家賃が安く、失業者、低所得者、外国人が多く住み言語、多文化といろいろな問題を抱えている。
しかし、中心市街地から近く、都市問題さえ解決できればすみやすい街になる潜在能力がある地区ということで、都市再生を3つのテーマに絞った。
1)多国籍の都市住民の潜在能力を引き出す。
2)土地の有効利用を邪魔している道路、鉄道の付け替えにより住環境の改良。
3)再生可能エネルギーと資源の再利用をめざす「気候変動における都市」
既存建物の改修によるエネルギー効率の向上とエネルギーの自給など、実証実験の場ともなっている。
中洲地区で作るエネルギー自給率を上げて、2025年には暖房用100%とする。

まずはエルベ川に造られたIBAドック入口↓



ヴィルヘルムスブルク地区はエルベ川の広大な中州という事が分かる。↓
この中州全体がIBAハンブルグの会場



川の水温との温度差をエネルギー利用する。建物の冷暖房用の配管(天井部分)。↓
天井ボードの穴から空気が出てくる。



エネルギートーチカの計画模型。↓

屋上と南側はソーラーパネルを設置し、発電と発熱を行う。
地下は木材チップを使うブロックがた発熱装置を設置。
周辺の800世帯の住宅に熱エネルギーを供給する。
暖房が不要の夏期はトーチカ内に設置する膨大な温水タンクを暖めて熱エネルギーを保管する計画。



歴史的建物としての展示場や屋上には展望台やカフェも計画されている。
このプロジェクトはハンブルグ市営のエネルギー提供会社「ハンブルグエネルギー」により実施されているが、そこにハンブルグ州の都市建設環境省、区の史跡保存行政、一般市民のNPO法人や民間デベロッパーなども関わっている。

第二次世界大戦の負の遺産トーチカは、英軍に爆破されたが、8万m3の鉄筋コンクリートから造られた頑丈な建物だったため、破壊が不可能でほったらかされていた。
それが、再生エネルギーの製造工場となり、エネルギータンクに利用される。

「いつできる予定?」と聞いたら「2013年」との答え。ホント???
現状は↓



古い建物は現在熱効率を良くするための改造に合わせ、住人の希望を入れた間取りに改造中↓
あまり経費をかけない建材を使って、工夫したとのこと。
トルコ人の多い地区だったので、女性が集まれる集会所、トルコ風の風呂が1階にある建物も作られ、民族のコミュニティを大事にするプロジェクトがとりいれられていた。
エネルギートーチカからの熱が供給される予定地区。



壁面をソーラーパネルで覆った都市集会所↓



鉄道、高速道路で分断された土地の有効利用のため、敷地をまとめる。
騒音を防ぐため高い建物をそばに立てて遮音効果を図る。↓
これも2013年終了予定。



新しい取り組みもいろいろあるそうだが、カーテン素材にソーラー発電機能を取り付けてそれにUSBを取り付けて電気を使う(?)と説明を受けた時は、ビックリ。
実用化に向けた実証実験の場となっている。
失敗したら、また考えるそうだが、実証実験のスケールの違いに驚いた。
私の日本語の理解がちゃんとできていたらの話です。
エルファディングさんは日本語で通訳してくれましたので。

最後にドイツのベジタリアンディッシュ↓



つけ合わせはコメ。パプリカの中につまっているのもハーブ入りのコメ。



リニアは夢の乗りものか?それとも地下の石○か?

2011-06-01 06:00:01 | 環境
新聞記事によると、
JR東海のリニア中央新幹線計画に、国がゴーサインを出した。
東日本大震災後、国土交通省の審議会が急遽リニアの耐震性を再検証したが、特に追加策を求めずにJR東海の方針を追認する形で最終答申した。
JR東海の説明は、地震の初期微動を検知し緊急停車する。車両を誘導する側壁があるため脱線しない。停電しても電磁力で車体は浮いた状態を保つ。(東京新聞)
というもの。

「リニアは夢の超特急」などという色あせたコピーで語られているが、問題は山ほどある。

1.多額の借金を抱えるJR東海の単独事業だが、建設費東京ー大阪9兆300億円。しかしこのような大規模事業は当初予算の数倍の事業費がかかるのは火を見るより明らか。最終的に誰が出すのか?

2.飛行機の利用客をもくろんでいるが。新幹線はのぞみを廃止してこだま、ひかりにする腹積もり。

3.南アルプスを貫通するルートが決定しているが、自然環境と生態系の破壊は免れない。
南アルプスにはフォッサマグナという大断層地帯があり、今もズレを生み続けているし、地滑り地帯もある。危険な地盤にトンネルを掘って大丈夫なのか?

4.8割がトンネルで、深さ数十メートルの都市部地下は直下型地震に対応できるか?

5.事故や故障に指令所は位置確認もできない可能性がある。長時間の停電には5~10キロ間隔の立て坑や斜坑を脱出経路としている。停電でも地上へのエレベーターは使えるのか?
閉所恐怖症、お年寄り、体力に地震の・・・いや自信のない人は乗らないほうがいい?

6.運転手の居ないリニアに乗員は何人乗り込むのか?

7.最大1000人の乗客をどう誘導するのか?

8.使用エネルギーは?リニアは新幹線の3~5倍の電力が必要とも言われている。

9.車内でも強い電磁波の被害が心配される。

10.地下駅で2200億円、地上駅で350億円とも言われる中間駅の建設費は原則地元負担。アクセスが悪い。

これって誰のための事業なの?

あっ そうそう、トンネルを掘る時出る、重金属が心配される残土 数百万トン、処分も環境汚染もどうするのでしょうねぇ。
これでも「リニアは環境にやさしく、地域振興になる」っていえるのかなぁ

大変!モンサント社が農水省に遺伝子組換え作物の承認申請

2011-05-29 11:22:32 | 環境

こんなメールが入ってきた。
モンサント社がセイヨウナタネ・トウモロコシ・ワタなどの遺伝子組換え作物の承認申請を出したそうで,
原発事故で私たちの生活が脅かされている今、その間隙を縫うような追い打ちだ。

遺伝子組み換え作物は長期的な安全性は確認されていない。
これからどのような健康被害が起こるか分からないばかりか、人体実験をしているようなものである。
セイヨウナタネは日本に輸入され、精油工場に搬入される道路わきですでにこぼれ種から交雑が始まっている。
放射能問題と同様な子子孫孫に関わる重要な問題です。
子どもたちは放射能被害に加え、遺伝子組み換え作物の健康被害におびえることになる。


Mail
原発問題で心落ち着かない日々というのに、遺伝子組み換え作物問題が起こっています。

何とモンサント社がセイヨウナタネ・トウモロコシ・ワタなどの遺伝子組換え作物の承認申請を出したそうです。

命に関わる問題です。これが通れば栽培・流通・輸入等が可能になります。

農水省は、これらの遺伝子組換え作物承認前にパブリックコメントを求めています。
一言でも声を上げてください。

https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/b3da.html