伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

明日3/22(日) 映画上映会「日本と原発」

2015-03-21 10:55:40 | 原発問題
直前になりましたが、明日3月22日「日本と原発」の上映会を開催します。

場所 佐倉市美術館4階ホール

2回上映
午前の部 10時15分開場 10時30分上映開始 上映時間2時間17分

午後の部 13時30分開場 14時上映開始

予約優先ですが、まだ若干の余裕があります。

参加費 無料
 



福島原発事故は4年経って、あたかも事故は収束したかのような政府発表がある。
除染に多額の税金を注ぎ込み、汚染水対策に凍土などという荒唐無稽の手法を取り入れ、無駄に時間を費やしてきた。

その間、子ども被災者支援法はできたけれど、形だけ。
被災者の自分たちの選択を自由にさせてほしいという当たり前の願いは、踏みにじられてきた。

原発再稼働も声高に言われ始めている今、この映画を観て、改めて原発について考えてみませんか。

参加費無料としましたが、開催費用は議員歳費の期末手当増額分を当てました。

昨年12月議会に出された議員の期末手当の引き上げに反対しましたが、
反対するだけではなくその分を市民還元にしたいと決めました。

さくら・市民ネットワークを経由して期末手当増額 3人分(約20万円)を
「日本と原発」の上映会と、
福島原発事故で被災した子どもたちの保養キャンプ(球美の里)に寄付します。

「珠美の里」とは沖縄久米島の保養施設です。

DAYS JAPANの発行者 広河隆一さんが原発事故直後から取組んできました。

微力ながら私たちもお手伝いしたいと考えました。

 



2/28 浜矩子さん講演会「人間不在のアベノミクス」満員御礼

2015-03-07 10:18:12 | 政治
2月28日 さくら市民ネットワーク主催で浜矩子さんの講演会を開催した。
昨年のネット通信に載せたとたん予約があいつぎ、大勢の方をお断りしたのが心苦しいかぎり。
佐倉市では、ちょうどいい大きさの会場がないのがネック。
現在建設が始まっている「志津公民館複合施設」には300席のホールができるので、楽しみだ。



浜矩子さんとは昨年、「市民ネットワーク千葉県」主催で講演会を開催した時からで(その時も会場いっぱいで、お断りが出た)
浜さんの誠実さ、優しさにふれ、すっかり虜になってしまった。



以下、要点を書き留めました******************

『今日のテーマ「人間不在のアベノミクス」。
本質を言いあてていますねえ。
でも、私がつけたんじゃないんですよ。(大野ひろみが考えました)
ひとつだけ不満があるとしたら「人間不在のアホノミクス」じゃなかったことですか。』
と笑いから始まった浜さん。

安倍首相が言い出した「アベノミクス」を使わずして表現できないか?と考えたのが「アホノミクス」
初めは小さな声で始めたが、今では「ド」をつけて「ドアホノミクス」と言っている、とのっけから会場の気持ちを引き付け、
難しい経済の話に導入する。

経済と人間の関係は?

経済活動は人間固有の営みである。
人間のための営み。人間を不幸にするわけはない。
人間を幸せにすることこそ経済活動である。

経済効率ばかりが幅を利かせている現状。
日常がそうであるからと言って、経済活動と人間の関係を保持していかなければならない。

ブラック企業。
問題の所在を言い当てているが、人を人とも思わない行為を行っている組織を企業と認めてしまうおそれのある言葉。
企業経営とブラックは矛盾しているはず。
人権を踏みにじる活動は経済活動ではない。

アホノミクスは経済と人間の関係を理解していない。
人間による人間のための営み、ではない。
安倍政権の経済活動は、人間に目が向いていない。人間不在ぶり。

人間は言葉で考え言葉で行動する。
安倍さんの文章、スピーチの中には人間が出てこない。
人間に目が向いていないと言葉が出てこない。
代わって、「国民一人ひとり」と言う。
人間を見ているのではなく、・・・

一昨年半ば 安倍内閣の3本目の矢の成長戦略が発表された。
成長戦略を語る中で「人間」という言葉は1回しか出てこない。
1970年大阪万博での「人間洗濯機」という言葉を言ったために「人間」が出てきたのが1回。
2014年、総理年頭所感、国会所信表明演説 施政方針演説
2015年 年頭所感、施政方針演説の中で、一度も「人間」が出てこない。
人間に目が向いていない経済などあり得ない。

どうしてここまでアホノミクスなのか?
人間に目が向かないのか?

安倍首相は「取り戻したがり病」
2012年12月政権公約「~を取り戻す」いったい誰から何を取り戻すのか?

2014年年頭所感 取り戻すを3回 1680字中 (8分20秒中)
日本を取り戻す→強い日本を取り戻す→強い経済を取り戻す→誇りある日本を取り戻す

強い経済を取り戻すことによって、強い日本を取り戻し、強い国家を取り戻す、誇りある国家を取り戻す。
強さと誇りは、人間を幸せにするものではない。

グローバルの視点で見ても
プーチン大統領→ ロシア帝国を取り戻す 
安倍首相→ 富国強兵 大日本帝国
ISIS→ 大イスラム圏
「ひと・もの・かね」がグローバルな時代、為政者たちは国境を取り戻したくなる。

「取り戻したがり屋」は「奪いとり屋」である。
凶暴性を内包している。
「取り戻したがり病」にかかっていると人間は見えてこない。

どんな症状があるか?
見えるはずのものが見えない。
考えてはいけないことを考えてしまう。

見えないのは? 今の日本経済の本当の姿。
必要としている政策は? 強さではない 成長ではない 豊かさの中の貧困問題である。
リッチな経済のただ中で、非正規雇用者の悲しい実態がある。
構造失業者たちの悲哀 貧困世帯の辛い生活がある。
1980年代から一段とひどくなっている。
貧困率 年間所得120万円以下 16.1%。
34か国中29番目 米国、イスラエル・・・
1位はデンマーク 5~6%
経済的規模は日本が大きいのに貧困率は3倍。

壊れたホットプレートである。
熱の伝わり方が均等ではない。ホットスポットとコールドスポット。
日本経済の状況
コールドスポットに座らされている非正規雇用者、構造失業者。
トリクルダウンは19世紀から一度も成功していない。

サッチャリズム
1930年代 大不況時、トリクルダウンの恩恵はなかった→ 失敗
全体に及ぶのではなく経済格差が広がった実績がある。

見えるはずのものがなぜ見えないのか?
国民と国家の関係を逆転させようとしている。
正常な関係は国民に奉仕をする事なのだが。
国民のためにサービスをするのが国家の位置づけのはず。

「取り戻し病」→ 国民は国家のためにある。
国民は国家のためにサービスをする。
国民の手から国家を取り戻す。
見えるものが見えなくなっている、考えてはいけないことを考えるようになっている。

日本再興戦略 2014年版をみると、
考えてはいけない事を考えている →「取り戻す」と「稼ぐ力」

強い経済を取り戻す → 稼ぐ力を取り戻す。 
生産性の向上、技術革新。

国民一人一人が努力せよ。
国民総員奮励努力せよ。

「地方創生」「女性の活躍」
サービス事業者として考えていれば出てくるべき政策ではない。
女性活躍推進法案 → なぜ女性の活躍を推進しなければならないか。
女性という資源をちゃんと利用しなければならないから。
女性の人権をより高くするための政策はどこにもない。
お国のためにいかに女性たちを使うか。

女性が輝く社会をつくる → shine → シネ 

見えるべきものが見えない。
見なければいけないことがわからない。

「取り戻したがり病」→ 富国強兵路線に引きづり混まれないようにするには、ひとつの認識と3つの道具が必要になる。

経済活動は人間を幸せにしてこそ意味がある。

孔子の論語の中で
「己が欲することに従えども、矩を超えず」の経済活動を行う。
規範を保つのが人間としての黄金バランス、70歳になればその域に達する?
人間を幸せにするのが経済活動である。

アダムスミス「国富論」 (現代ならトマ・ピケティ)
1776年 国家における使命とは何かを現した経済論。

経済活動はどんな条件を満たしているか?
共感性を有している人間が行うのが経済活動。
人の痛みがわかる もらい泣きができる人。

共感性がある → 大人である。

「取り戻したがり病・奪い取り病・幼児的凶暴性のある人」を排除するには
「傾ける耳」と「涙する目」と「いだきとめる手」で対抗していくべき。

分かるため できることをするためのキーワード
陰謀→ 平和のため、希望のための陰謀

具体的には、哲学のない人間につける薬がない→認知しないで示していくこと。

若者は怒り方を知らない。
考える力も小さい。
単純な答えを求める。

無関心無感動 → 意図的に若者を追い込んでいく体制がある。
どうやって若者を救い上げていくべきか。
大人の怒りを身に着けることなく成人してしまっている。

こっちの水は甘いぞ、と教えてやる

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最後まで丁寧な語り口で、浜節を聞かせていただきました。

早速、五十嵐智美は翌日の議会代表質問で浜さん語録を紹介。
「取り戻したがり病」には笑いが起きました。