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昭和61年から令和6年のこの世にタイムスリップして来た、地獄の小川が、現代の「思いやり」や「気遣い」文化を『気持ち悪りぃ』という言葉でぶった斬っていく。
1話で部下を褒めたらプレッシャーになるとか、2話で子育てを気遣い、何でも言ってという夫を、『気持ち悪りぃ』と毒を吐く。
宮藤官九郎の脚本は、昭和からのタイムトラベラーの立場を借りて、現代社会のちょっとやり過ぎかなぁと思える当たり前(と化したコンプライアンス)を皮肉っていく。
私が入社した頃は、灰皿は机の上にあり、毎朝女子社員が吸い殻を片付けていくという光景。※これがいいって言ってるんじゃなくて、そういう時代だったってだけよ。
東海道線でもボックス席には灰皿が付いていて、2000年前後までは新幹線には喫煙車両があった。
確かにアメリカの禁煙文化はしっかりとあったが、個人の自由も尊重する国は比較的に大らかに見えた。
狭苦しい日本は喫煙者は皆小スペースの喫煙所に押し込められていた。
昭和を馬鹿にしているのでは?というシーンも多いが、この際だからどっちも皮肉っちゃおうという遊び心が見える。
未来をあっちの世界だなんて説明するから、地獄の小川の娘は親父が死んだものと思い込み、タイムトラベラーの吉田羊を宜保愛子呼ばわり。
台詞が完全に霊感のあの雰囲気を彷彿とさせる。
脚本が突っ走っているので、スピード感満載の今クール一番のオススメドラマである。
かなり不適切だけどね。
時代の流れが生まれる時って、そうした行き過ぎが起きて修正されて、また新しい潮流が生まれて…の繰り返しですよね。
いつの時代にも瞬間最大風力が起きるときはおおきな反発も起きる。
1970年代に作られたダーティーハリーという映画も加害者の人権が過剰に守られる時代のアンチテーゼとして犯人を無慈悲に殺害する警察官を描いて大ヒットしました。時代の流れ中でなかなか声をあげられないサイレントマジョリティーというのはこうした作品を通して代弁してくれるものだと思います。
コメントをどうもありがとうございます。
コンプラ違反は、眉を顰める類が存在することは分かります。
ただ、昭和のシゴキとも違う、下に就いた人が何人も次々と辞めていく人を人事が放置、という状況の中に放り込まれた経験があるのでコンプラの重視は会社の質そのものとも思えることもあります。(これは今でも根に持ってます)
ただ、上記の通り、それもこれも禁句だと普通に会話すら出来ない、人との関係構築が成立しない時代だなぁとは思います。
アメリカでは多人種多宗教の社会で磨かれた接し方が発展しました。日本でも何か自分達の特性に根ざした文化や気遣いがもっと芽吹いてくれないかと思います。
横文字じゃないやつ希望です。(笑)