Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(196)高品格

2013-07-16 00:15:00 | コラム
19年2月22日生まれ・94年3月11日死去、享年75歳。
千葉出身。

ボクサーを目指していたはずが、映画の魔力に取り憑かれ、いつの間にやら俳優に―格闘技と映画っていう二大要素が入っている時点で、嫌いになるわけがありません。
そんな高品格(たかしな・かく)さん、芸名だそうですが、読みかたも面白いし、三つの漢字に六つの「口」が入っているのもユニーク。

これ、ゼッタイ狙っていると思うのですけれど、どう思います?

テレビドラマでは、機械をまったく信用しない堅物刑事を演じた『ロボット刑事』(73)、
そして映画では、「出目徳」を演じた『麻雀放浪記』(84)が代表作になるでしょう。

自分は麻雀をまったくやらず、ルールさえ知らないものですが、これは面白かった。

モノクロームやカメラワークなど、その独特な演出スタイルがすべて成功していて、
また、高品さんだけでなく、真田広之や鹿賀丈史、名古屋章に加賀まりこ、大竹しのぶなど、俳優すべてが好演しており、じつに味わい深い佳作として、いまなお人気の高い青春映画です。


※おや、おやおや・・・という台詞回しが抜群




<経歴>

父親は漁師。
ボクシングの世界に憧れ、少年期より本格的なトレーニングを始める。
しかし、ときは30年代。まもなく迎える日本映画黄金期の熱に圧倒され、「東邦拳闘倶楽部」を辞して俳優の道へ。

38年、日活に入社。
映画俳優デビュー作は、39年の『土と兵隊』。

軍務により2度のキャリア中断はあったものの、映画愛は失わず、復員すると再びスクリーンの世界へ。

『私は狙われている』(50)、『あにいもうと』(53)、『春琴物語』(54)を経て、57年の『嵐を呼ぶ男』で注目を受ける。
あの、顔面凶器のような用心棒ですね。たしかに怖かった笑

『銀座旋風児』(59)、『渡り鳥いつまた帰る』(60)、『銀座の恋の物語』(62)、『帝銀事件 死刑囚』(64)、『夜霧よ今夜も有難う』(67)、『やくざ渡り鳥 悪党稼業』(69)、『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』(70)。

基本的には悪役、しかし歳を重ねていくと頑固な父親とか、口数は少ないけれど優しい上司とか、様々なキャラクターを演じられる渋い俳優さんになりました。
柔らかさというものが備わってきたのでしょう・・・というと、なんか自分、とてもエラソーですが、セルフパロディっぽいCMにも出演するようになりましたものね、たぶん自分が高品さんを初めて観たのは、映画でもテレビでもなく、そうしたCMだった、、、ような気がします。

『だまされて貰います』(71)、すんごいタイトルの『ザ・ゴキブリ』(73)、『トラック野郎 望郷一番星』(76)、前述した『麻雀放浪記』、
『さらば愛しき人よ』(87)、『カンバック』(90)、『怖がる人々』(94)

94年3月11日、心不全のため死去。
享年75歳、映画の遺作は『新宿欲望探偵』(94)でした。


演じるキャラクターも魅力的でしたが、なにより、あの「声」、それがいちばんだったような気がします。

ちょっと怒鳴られてみたいですよね、こういうオッサンに。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(197)高島忠夫』

コメント (1)
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