公開されたばかりの米映画『ペーパーボーイ 真夏の引力』(トップ画像、文末動画参照)が、とっても面白い。
死刑囚とその婚約者、新聞記者の兄と彼を手伝う弟の物語で、「おんな」のすべてを表現してみせたニコール・キッドマンはもちろん、死刑囚を演じたジョン・キューザックが、彼のキャリアのなかでも最高の演技を披露している。
また、つまらない俳優だと思っていたマシュー・マコノヒーも新聞記者を熱演していて、いままでの過小評価を素直に詫びたくなった。
画家や音楽家を主人公にした映画に比べたら少ないかもしれないけれど、
モノカキを主人公にする映画も多い。
キャンバスに色を塗るわけでもない、
ピアノを弾くわけでもない、
スポーツ選手のような動きがあるわけでもない、
ただじっと座って原稿と対峙する―とても地味なはずなのだけれど、いや地味だからこそ描けることがある、、、ということなのだろうか。
まだ新聞記者はいい、取材対象に迫るため動き回るのだから。
日本でいう純文学の作家なんて、基本的にどこにも出かけないで、部屋に閉じこもって唸ってばかりいる。
単なるイメージ?
否。
シナリオ書き始めた自分がそんな感じだから、間違ってはいないと思う。
そりゃあ長生き出来ないよね、、、なんて。
で、主人公ではないかもしれないが、ドラマのなかで重要なキャラクターとして設定されている―というものまで含めた、「映画のなかの作家」を10人挙げてみた。
健全なモノカキから、不健全極まりないモノカキまで。
卑しいモノカキもいれば、スーパーヒーローも居る。
なるほど、ある意味ではみんな、ぜんっぜん地味じゃないわな。
(1)『バートン・フィンク』(91)
コーエン兄弟、初期の傑作。
NYの新進劇作家がハリウッドに呼ばれ、趣味ではないプロレス映画の脚本を依頼され・・・という物語。
(2)『裸のランチ』(91)
ウィリアム・バロウズの半? 自伝+脳内小説をクローネンヴァーグが映画化。
タイプライターがゴキブリ化し、話しかけてくる!!
(3)『大統領の陰謀』(76)
ウォーターゲート事件の真相を暴いた若き新聞記者、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの物語。
ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードの演技が熱い。
(4)『リング』(98)
日本映画を代表して。
松嶋菜々子は、ぜんぜん記者に見えないけれど。
(5)『シャイニング』(80)
狂った作家は妻と子を襲う。
意味が分からなくとも、寒々しい映像で充分怖い思いが出来る。
(6)『第三の男』(49)
死んだとされる男「ハリー・ライム」について、親友で小説家のホリーが調べていく―というのが本筋。
背景や物語の案内人として、モノカキというキャラクターは最適なのかもしれない。
(7)『ルビー・スパークス』(2012)
直近の映画から一本。
スランプに陥った新人作家が、自分の理想とする女子をヒロインにして物語を紡ぎ始めると・・・。
エリア・カザンを祖父に持つゾーイ・カザンが脚本を担当しているが、これが技ありの素晴らしい出来で感心した。
ちなみに。
このゾーイがとても可愛いので、要チェックだ。
(8)『ミザリー』(90)
作家の受難劇。
(自分を含めた)なにかに対する熱狂的な信者というものは、なにをするか分からず、だからとてもリアリティがあった。
(9)『許されざる者』(92)
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり―信念のない作家は、強いほうに擦り寄っていく。
とても狡猾で、でも実際に居そうな感じ。
さて日本のリメイクはまもなく公開だが、誰がこのキャラクターを演じるのだろうか。
(10)『スーパーマン』(78)
クラーク・ケントの、仮の職業は新聞記者。
パッとしない感じだが、それがいいのだろうね。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『消化がいいのにもほどがある』
死刑囚とその婚約者、新聞記者の兄と彼を手伝う弟の物語で、「おんな」のすべてを表現してみせたニコール・キッドマンはもちろん、死刑囚を演じたジョン・キューザックが、彼のキャリアのなかでも最高の演技を披露している。
また、つまらない俳優だと思っていたマシュー・マコノヒーも新聞記者を熱演していて、いままでの過小評価を素直に詫びたくなった。
画家や音楽家を主人公にした映画に比べたら少ないかもしれないけれど、
モノカキを主人公にする映画も多い。
キャンバスに色を塗るわけでもない、
ピアノを弾くわけでもない、
スポーツ選手のような動きがあるわけでもない、
ただじっと座って原稿と対峙する―とても地味なはずなのだけれど、いや地味だからこそ描けることがある、、、ということなのだろうか。
まだ新聞記者はいい、取材対象に迫るため動き回るのだから。
日本でいう純文学の作家なんて、基本的にどこにも出かけないで、部屋に閉じこもって唸ってばかりいる。
単なるイメージ?
否。
シナリオ書き始めた自分がそんな感じだから、間違ってはいないと思う。
そりゃあ長生き出来ないよね、、、なんて。
で、主人公ではないかもしれないが、ドラマのなかで重要なキャラクターとして設定されている―というものまで含めた、「映画のなかの作家」を10人挙げてみた。
健全なモノカキから、不健全極まりないモノカキまで。
卑しいモノカキもいれば、スーパーヒーローも居る。
なるほど、ある意味ではみんな、ぜんっぜん地味じゃないわな。
(1)『バートン・フィンク』(91)
コーエン兄弟、初期の傑作。
NYの新進劇作家がハリウッドに呼ばれ、趣味ではないプロレス映画の脚本を依頼され・・・という物語。
(2)『裸のランチ』(91)
ウィリアム・バロウズの半? 自伝+脳内小説をクローネンヴァーグが映画化。
タイプライターがゴキブリ化し、話しかけてくる!!
(3)『大統領の陰謀』(76)
ウォーターゲート事件の真相を暴いた若き新聞記者、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの物語。
ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードの演技が熱い。
(4)『リング』(98)
日本映画を代表して。
松嶋菜々子は、ぜんぜん記者に見えないけれど。
(5)『シャイニング』(80)
狂った作家は妻と子を襲う。
意味が分からなくとも、寒々しい映像で充分怖い思いが出来る。
(6)『第三の男』(49)
死んだとされる男「ハリー・ライム」について、親友で小説家のホリーが調べていく―というのが本筋。
背景や物語の案内人として、モノカキというキャラクターは最適なのかもしれない。
(7)『ルビー・スパークス』(2012)
直近の映画から一本。
スランプに陥った新人作家が、自分の理想とする女子をヒロインにして物語を紡ぎ始めると・・・。
エリア・カザンを祖父に持つゾーイ・カザンが脚本を担当しているが、これが技ありの素晴らしい出来で感心した。
ちなみに。
このゾーイがとても可愛いので、要チェックだ。
(8)『ミザリー』(90)
作家の受難劇。
(自分を含めた)なにかに対する熱狂的な信者というものは、なにをするか分からず、だからとてもリアリティがあった。
(9)『許されざる者』(92)
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり―信念のない作家は、強いほうに擦り寄っていく。
とても狡猾で、でも実際に居そうな感じ。
さて日本のリメイクはまもなく公開だが、誰がこのキャラクターを演じるのだろうか。
(10)『スーパーマン』(78)
クラーク・ケントの、仮の職業は新聞記者。
パッとしない感じだが、それがいいのだろうね。
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『消化がいいのにもほどがある』