Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(125)

2015-05-09 05:48:46 | コラム
映画のなかで描かれる面接シーンについて、もう少しだけ。

是枝裕和による『そして父になる』(2013)は、「お受験」面接を冒頭に持ってきている。



子どもより親のほうが試されている感じがして、自分だったら耐えられないだろうな~。

冒頭が面接シーンといえば、『タクシードライバー』(76)を忘れちゃいけない。

免許を持っていて、前科さえなければ勤められる―そんな感じの描きかたが面白い。
だってトラビスくんは、ひじょうに無愛想なんだもの。

そのクセして、ジョークいったりしてね。

「身もこころも、クリーンさ」
「俺は冗談をいうヤツが嫌いだ。冷やかしで来ているのなら、帰ってくれ」

怒られてやんの笑





さて、自分の「生まれて初めての面接」の話。

高校入試。
本命ではなく「すべり止め」のほうで受けた面接―これが、生まれて初めての面接だった。

試験官は3人、受けるほうは5人の集団面接である。

「では、椅子に座ってください」
「―あの、きみは、ズボンどうしたの?」

・・・・・。

やっぱり、突っ込まれた。
この時点で、不合格を確信する自分。

じつは試験会場に自転車で向かっているとき、制服のズボンが「びりびりに」裂けたのである。

身長、たぶん163cmくらい。
体重、110kg超。

もちろん特注の制服である。

ずっとピッチピチのボディコン状態で穿いていたのだが、よりによってこんなときに裂けるかね!? と。

一緒に向かっていたクラスメイトたちは、爆笑したかったにちがいない。
でも自分のことを不憫に感じたのか、「大丈夫?」とヒトコトだけ声をかけてくれた。

「うん、大丈夫」というのも妙だし、「大丈夫じゃないよ!」と逆ギレしてもおかしいし。

内股の線に沿って避けたので、両方のふとももをつけたままの状態で歩けば気づかれないんじゃないか―ウンコ漏れそうなひとの歩きかたね―そう思って、試験会場ではゆっくりと歩いた。
だが面接がスタートした途端に、突っ込まれたと。

「すいません、ちょっと…」

半笑いの試験官・・・あぁ、もうダメだと思った。

いくつかの質問を、真面目に返していく肥満児の中学生―しかし下半身は、ほとんどパンツが見えた状態である。
抜群に、シュールな光景だったと思う。
この日、試験官たちは酒が進んだろうなぁ、最高のネタが出来たのだから。

最後の質問は、「あなたが尊敬している人物と、その理由を教えてください」というものだった。

ある女子は「フローレンス・ジョイナーです」と答え、ある男子は「父親です」と答えた。

自分の答えは、「チャールズ・チャップリンです。笑いで、世界を変えようとしたからです」。

ある試験官は「チャップリンですか、なるほど。いいですね」と返してくれた。

これは想像の話だが・・・
その試験官の笑顔は、なんというか「君の笑いも、なかなかのものだよ」といっている風にも見えた。

・・・って、いくら想像の世界でも、世界の喜劇王とザーメン肥満児を同列で語るのは失礼な話か。
でもたぶん、チャップリンなら「どうぞどうぞ!!」と笑顔でいってくれるにちがいない。

なんの話だ?


ともかく、こんなひどい面接で合格しちゃった自分も我ながらアッパレだと思うし、合格させちゃった高校のほうもなかなかのものである。


おわり。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『SILENCE』
コメント (3)
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