Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(120)

2015-05-12 05:51:09 | コラム
きちがいぴえ「ろ」→「ろ」しあんるーれっと(ロシアン・ルーレット)

罰ゲームで「とんぼ」を喰わされたことがある。

小学生のころの話ね。

羽の部分はさすがに気持ち悪く「ここだけは勘弁してくれ」と泣きつき、羽はもぎ取った。
さらに「ナマ」の状態だと腹を壊しそうだったので「炙って」いただくことにした。

・・・へ?
美味い??

そう、俄かに信じがたいが、とっても美味だった。

こりこりした食感で、なんというかシナチクみたい。

あいつら、ずっと飛んでいるために筋力が異常に発達しているから、、、なのかもしれない。

また、別の罰ゲームではボトルの「モンダミン」を一気飲みしたことがある。
マウスウォッシュのことね。



19歳のころかな。

体内がスースーするだけかなと余裕ぶっこいていたが、数時間後に悪夢がやってきた。

ほとんど水のようなウンチが延々と出てくるため、トイレに篭城することになったのである。

「洗浄」液なんだから、当然の結果なのだけれども。。。


ふたつとも失笑必至の馬鹿エピソードだが、さすがにロシアンルーレットはやったことがない。

当たり前だ、わが国はそれが出来るほど気軽に銃を手に出来ないし、それが出来たとしたら自身が死んでいる可能性も高いわけだし。

リボルバー型の拳銃に1発だけ弾薬を装填、こめかみに当てて引き金を引く。



不発であれば勝ち、つまり生き残れるが、そうでなければ負け、つまり死が待っている―という、恐ろしいゲーム。

発祥はロシアとされているが、「されている」というだけで、実際はどうだか分からないらしい。

この危険な遊びを描いた映画で最も有名なものが、78年の傑作『ディア・ハンター』である。

ベトナム戦争に徴兵された3人―マイケル(ロバート・デ・ニーロ)とニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーブン(ジョン・サヴェージ)―は捕虜となり、ベトナム軍による最高の暇つぶし「ロシアンルーレット」の生贄となってしまう。

発狂寸前のスティーブンに比べれば冷静に見えたニックだが、しかし彼はすでに精神が崩壊していた。

マイケルの逆襲により3人は脱出することに成功、しかしマイケルはニックを見失ってしまう。

数年後にふたりは再会、しかしニックは「あのころのニック」ではなく、ロシアンルーレットの「プレイヤー」として、死と隣り合わせの日常を送っていたのだった・・・。


皮肉な話だが、ベトナム戦争を描いた映画は傑作が多い。
自分の3傑は『地獄の黙示録』(79)、『フルメタル・ジャケット』(87)、そして『ディア・ハンター』である。

前半に記した自分の罰ゲームの話が不謹慎!! にも感じられる衝撃の映画だが、公開当時は「ベトナム軍側の描きかたが差別的であり、偏見に満ち満ちている」という批判があがったらしい。


たしかにそうなのだろうが、戦場においては狂気こそが正気となるのであろうし、どこの国がどうこうというのではなく、「あってもおかしくはない」フィクションとして、ひじょうに見応えのある作品に仕上がっていると思う。


※重く、つらい話を包む美しい旋律。
きょうは、村治佳織のバージョンで。





次回のしりとりは・・・
ろしあんるーれっ「と」→「と」ーたるりこーる。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『記号論』

コメント (3)
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