Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(162)國村隼

2012-07-26 01:15:00 | コラム
55年11月16日生まれ・現在56歳。
熊本出身。

「声は、いいのにね」と、けっこうな頻度でいわれます。

とくに会って直接―ではなく、電話で話す際。

声「も」といってほしいけれど、褒められた? のだから、それでよしとしないといけないのかも。

まぁ自分の自信のあるところは、無駄に厚い胸囲と自転車で鍛えたふくらはぎなので、声の評価で凹んだりするわけでもなく。

ドラマ批評家の誰かが、國村隼(くにむら・じゅん)さんのことを「自分の声に、酔っている」と評していました。

確かにそうかもしれない。
しれないけれど、酔って当然と思える声の持ち主であり。

しかし大声は似合わない。
ぼそぼそと発する声にこそ魅力があり、ほかに似合うのは(ビールではなく)ウィスキー、そして煙草か。

だから、こういうCMに出るわけです。





芸歴は意外と古く、しかし知名度の広がりは90年代以降―というところは、大杉漣と一緒でしょうか。

<経歴>

大阪放送劇団付属研究所で演技を学び、81年の井筒和幸による『ガキ帝国』で映画俳優デビューを飾る。

新進気鋭の監督に起用されることが多く、いちど出演すると「その後もずっと」その監督の映画には出演を続ける、、、という傾向にあります。
また、作家性の強いオタク系の外国映画監督にも人気があり、ぼそぼそ声のまま軽々と越境までしてみせるのです。

井筒印による『二代目はクリスチャン』(85)、日米合作『ブラック・レイン』(89)などでキャリアを築き・・・

【90年代】

まずは阪本順治組の常連となって、『王手』(91)『トカレフ』(94)『ビリケン』(96)に出演。

92年…ジョン・ウーによる『ハードボイルド/新・男たちの挽歌』
93年…崔洋一の『月はどっちに出ている』
95年…『勝手にしやがれ!! 強奪計画』
97年…河瀬直美のカンヌ「カメラドール」受賞作『萌の朱雀』
98年…崔組の『犬、走る DOG RACE』、『愛を乞うひと』
99年…『39 刑法第三十九条』、『秘密』

このなかからひとつを選べといわれたら、『愛を乞うひと』でしょうか。

【2000年代】

2000年から「出まくり」状態となり、
三池崇史の『オーディション』、阪本組の傑作『顔』、『五条霊戦記 GOJOE』、『カオス』

2001年…結果的にゼロ年代を代表する一本となった『殺し屋1』
2002年…『陽はまた昇る』、『笑う蛙』、『ごめん』
2003年…『魔界転生』、『ナイン・ソウルズ』、『月の砂漠』、ルーシー・リューに首を斬られるQTの『キル・ビル Vol.1』
2004年…『半落ち』、『海猿 ウミザル』、演出も演技もエネルギー全開『血と骨』、『ゴジラ FINAL WARS』、『ヴィタール』
2005年…『ローレライ』、『交渉人 真下正義』、『空中庭園』
2006年…『日本沈没』
2008年…外国映画『シルク』、『チーム・バチスタの栄光』、『パコと魔法の絵本』
2009年…『劒岳 点の記』

インパクトという点では『キル・ビル』でしょうが、
ひとつ選ぶなら『血と骨』になるかなぁ。

【2010年代】

好調はつづく。

『板尾創路の脱獄王』(2010)のようなインディーズ、『ダーリンは外国人』(2010)のような大手のもの、さらに『BOX 袴田事件 命とは』(2010)のような社会派と、どんなジャンルでも器用にこなす。
まぁ基本的には、いつもぼそぼそ声なのですが。

北野武の『アウトレイジ』(2010)、『オカンの嫁入り』(2010)、松本人志の『さや侍』(2011)、再び板尾組として『月光ノ仮面』(2012)に顔を出し、『モンスターズクラブ』(2012)では復活してから好調の豊田利晃をサポートする。

最新作は、来夏公開予定の『少年H』。

いやぁ、いい仕事っぷりです。


そういえばテレビドラマのことを記しませんでしたが、WOWOWによるオリジナルドラマの常連でもあり、そのなかでは『推定有罪』(2012)が、とってもよかったです。

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25日は金魚を買って

2012-07-25 00:15:00 | コラム
「きょうこそ決めるぞ」と意気込み、勝負Tシャツを着てデートに臨む際、必ず話すジャンルがある。

自分にとっての「すべらない話」のようなもので、かといって笑いを狙って話すわけではない。

かーちゃんの話、、、である。

映画でもなく、格闘技でもなく、身内の話。

ここぞ! という場で母親の話?
マザコンを強調するのはどうかって?

いいや、うちのかーちゃんはこんだけ素晴らしかったとか、そういう話ではない。

どちらかというと切ない話で、たとえば・・・

かーちゃんが死んだというのに、金欠により速攻で故郷に帰れなかったとか、
家賃48000円を払うために始めた短期バイトの仕分け作業で、八海山のセットを割ってしまい48000円を弁償、なんのために働いたのだろう…と自己嫌悪に陥りながら電車に乗ったら、同じ車両にかーちゃんとそっくりなオバサンが居て思わず涙が落ちてきたとか、

かーちゃんというより金にまつわる話ばかりだが、
そういう話って、けっこうこころに響くものらしく、

「映画を話すまっき~もいいけど、お母さんの話がいちばん好き。グッとくる」

といわれたこともしばしばだ。


「これは使える!」と気づいて以降、ことあるごとにこうしたエピソードを話すようになった、、、って、けっこうひどい男だな?

分かっているよ、だからきょうもこうして、自家製仏壇に手を合わせ「不肖の息子でごめんなさい」といっているわけだ。


かーちゃんが死んで、もう15年ちかく経つ。

49歳はいかにも早過ぎたが、きょう7月25日は命日にあたる。

今年は腰を痛めたりして、仕事の面において(若干)信用を落としている、だから墓参りにもいけない。
せめて仏壇になにか供えようとしたが、なにがいいか思いつかない。

去年も一昨年もスイカだったし、さすがに今年は・・・

そうだ、ももクロ愛で繋がっている友人が浜松のライブに行ってきて、沢山の土産を買ってきてくれたんだっけ。

公式パンフ

リーダー推しなのだ


これにしようか・・・と一瞬思ったが、チャンポン馬鹿かお前は。
いや馬鹿なのだけれども、さすがのかーちゃんも「???」だろう。

こういう世界で生きているという報告にはなるが、そんなこと、天上から自分を眺めているはずのかーちゃんなら、とっくの昔に知っているはずだ。38歳だというのに、未だ連日の自慰を続けていることも。


散々悩んだが、結局、例年に倣いスイカに決めた。

これは、去年の7月25日

こっちは、死す5日前の写真。自分のほうが病人のようだ。


ほんとうは、かーちゃんの大好きな金魚でも買って(飼って)、仏壇前に置くべきだとは思うが。

しかし昼夜逆転のうえ、自分の生活だけで精一杯、、、というのはイイワケか、
熱帯魚なら話は分かるが、実家の金魚はかーちゃん不在となっても生き続け、最高気温の出る館林の夏を何度も乗り切った。
一時はぷかぷか浮かんで瀕死状態のときもあったようだが、氷を入れてあげたら元気に泳ぎ始めたというし。

なんという生命力!

あんな餌だけで!!

どうなっているんだ!!!


その生命力、少しだけでも、かーちゃんに分けてほしかった。


かーちゃんへ。

今年の館林も絶好調、熊谷を寄せつけず、ぶっちぎりの最高気温だそうです。
母校は甲子園予選の3回戦目で負けたけれど、五輪の競泳に館林の子が出るみたいよ。

田舎の青森のことも気になるでしょう、震災もあったし。
逆に東北の方々に元気をもらうくらいだから、東京の住民として面目ないけれど。

自分?

腰をやっちまったけれど、とりあえず元気です。

内気だった館林時代が嘘のように、はったりかましてエラソーにふんぞり返ってます。


芸がなく、今年も供え物はスイカです。

甘いかどうか、鈴木京香似の店員さんを捕まえて聞いてみたから、きっと甘いと思います。

喜んでもらえたら、うれしいな。


不肖の息子より。。。


※柄じゃない曲を貼っておく




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死ぬまでにしたい10のこと

2012-07-24 00:15:00 | コラム
専門学校の同級生が「恩返しをしたいから、叙々苑で肉でも食おうか」といってきたので、少々うろたえながらもホイホイとついていった。

恩返し?

「―学生時代、いっつも奢ってくれたじゃない」

あぁ、確かに。

皆は貧乏学生だったが、新聞奨学生って時間はないものの家賃はタダだし朝飯・夕飯があるうえに14~5万程度の給料が出る、だから意外とリッチだったんだよね、それで奢ることが多かったのだった。

しかしよく覚えているものだね、しかも恩返しだなんて泣きそうになるじゃないか。

「叙々苑なんて、やけにリッチじゃない」
「ボーナス、たんまり出たからさ」

そういうことか。

ボーナス―おそらく自分が、死ぬまでもらうことがないもののひとつである。
モノカキ目指した時点で諦めるほかはないが、ボーナスとはなんと甘美な響きであることか。

そんなわけできょうは、「死ぬまでにしたい10のこと」を挙げてみよう。


※1 かーちゃんに会いたい・・・などのファンタジーは除く。
※2 1日で出来ること限定。だから、劇場公開映画の脚本を担当、、、とかも除く。
※3 画像は、スマッシュヒットを記録した同名映画。若いのに余命2ヶ月を宣告された女子の物語だったが、感傷に浸り過ぎないところがよかった。主演のサラ・ポーリー、好き好き。


(1)女子ふたりとの「3P」…決して、男子ふたりではない

しかし経験者にいわせると、男子ふたりのほうが「気楽でいい」とのこと。
ふたりを満足させようとして、結局、どちらも満足させられないそうだ。

そういうものかね。

(2)有名人とのエッチ

こんなんばっかだよ。
「誰と?」を挙げていくと500人は超えるので割愛。

とりあえず1番は、かしゆかだけど。

(3)デ・ニーロの前でトラビスの物真似

酔ったときしか披露しないが、自画自賛しておく。
ほんとうに、巧いんだよ。

(4)スコセッシの前で、存分に愛「憎」を告白

たぶん24時間を要する。いや48時間か。

(5)格闘家ノゲイラとのガチ寝技対決

骨が折れたっていいよ、ノゲイラと一戦交えられるのなら。
五味やヒョードルのパンチも受けてみたいが。

(6)敢えて書くが、ドラッグ

酒も煙草もドラッグだが、死ぬと決まったのであれば、最後の日にでも違法とされるドラッグがどんなものであるかを体感してみたい。

(7)ある同級生ふたりを殴る

高校時代のいじめっこだね。
いいひとぶってもしょうがないので、まだ怨念を抱いていることを告白しておく。

しかし大津の問題、ほんとうに火がついたね。

(8)ある女子5人にキスをする

し忘れたのでね。
向こうは拒否するだろうが。

(9)ケンタッキーフライドチキンを貸切にする

で、吐くまでひたすら食べる。
吐いても小休止し、さらに食べる。


・・・・・上記の※二項という縛りを作ってしまうと、「あまり」挙げられないことが判明。

散々悩んだ挙句、

(10)フトモモ美人に24時間の膝枕をしてもらう

そのあいだに48回くらい射精していそうだが・・・

風俗行けって?

まぁ、そういう話かもしれない。

そうだよ、その程度の男だよ。

わりーかよ。





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おそろかには食わぬぞ

2012-07-23 00:15:00 | コラム
映画史上で最もスキンヘッドが似合う勘兵衛(=54年の『七人の侍』)がいっている、「このメシ、おろそかには食わぬぞ」と。

傭兵として雇った侍に報酬を払うことが出来ない、だからせめて腹いっぱい食ってもらおうと、米だけは沢山用意した。
しかしそのために、こんどは百姓の食べる米がなくなってしまった。

それでも空腹を堪え、米を差し出す百姓たち―それを知った勘兵衛の、感謝と覚悟のことばである。

このシーンが観たくて『七人の侍』を観返すのだが、
炊飯器を変えてからというもの、米が美味くてしょうがない。

それまで自炊で食べる米は決して美味とはいえず、自分は米さえマトモに炊けないのかと自己嫌悪に陥っていた。
そうか自分の料理センスがなかったわけではなく、炊飯器の問題だったのだなとホッとする。

5kg2000円以下の米でそーとー美味だと感じるのだから、高級ブランドの米だとどうなるのだろう、すげーな炭炊釜!!


そうやってパクパクパクパクパク食っていると太りそうだが、先日記したように、なぜか痩せ続けている。

現時点で5kg落ちたが、たぶん「おかず」が質素だからだろう。
卵焼き、あるいは目玉焼きと、
(生意気にも)フリーズドライの味噌汁、そしてキムチやらキュウリの漬物やら。

いままでコンビニ弁当ばかりだったから生ゴミの量も多めだったが、今月からは袋のサイズを小さくしてもよさそうなくらいコンパクトになっている。

米が美味いこととゴミの減量は有難いのだが、これ以上痩せるわけにはいかない。
となると今度は、炒めたり煮たりを覚えなきゃならんのか。

正直、ちょっと億劫だなぁ。


さて。
米を食うにも酒を呑むにも煙草をふかすにも映画の主人公を投影してみせる分かり易い映画小僧だが、それでもまぁ陽の投影だから笑って受け入れられる。

厄介なのは陰の投影で、
たとえば『天国と地獄』(63)を観て誘拐事件を引き起こしたり、
『タクシードライバー』(76)を観てレーガンの暗殺を企てたり。

そして米コロラド州の映画館で発生した銃乱射事件も、なんとなくそんな雰囲気が漂う。

なんといってもガスマスクだからね、『バットマン』の上映時に。
公開にあわせ、綿密な計画を練っていたのだと思われる。

サリエリのように己の凡庸さに嫌気が差したわけではなく、
21世紀のハリウッドを牽引するノーラン監督に恨みがあるわけでもなく、
むしろ熱烈に尊敬していたりするはずで、きっとヒース・レジャーを神格化しているのだろう、

確かにジョーカーはトラビスやジョン・ドゥ、レクター博士と同様、映画「内」では魅力的なアンチヒーローである。

映画が現実に影響を及ぼす力があるんだという「皮肉な」証明にもなる事件ではあるが、
問題は誰も得をしないことで、ノーランの来日まで中止になってしまった。


うーむ。

ときどき、こういう真のキチガイが現れるものだ、、、と一蹴することも出来るが、
この映画が懸命に創り上げたはずの世界観とマッチし過ぎていて、
この後味の悪さといったら、ない。


※あった、あった。
このシーンである。




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愛と憎しみのbooing

2012-07-22 03:52:19 | コラム
鬼畜系のエロ本用にコラムを執筆していたときのこと。

BGMとしてスカパー! の映画あるいは音楽チャンネルをつけているのだが、その日はスコセッシの『ディパーテッド』(2006…トップ画像は撮影風景)が流れていた。

劇場公開時に7回、DVD発売時に購入して10回以上観た作品である。

しかし好きなのか? と問われると、これが頷けない。

スコセッシ「だから」という理由で支持はするが、誤解を恐れずにいえば・・・
歴代オスカー受賞作品と比しても見劣りがしてしまうし、スコセッシのキャリアにおいても決して成功作とはいえない。

オリジナルの傑作『インファナル・アフェア』(2002)に遠く及ばないことは、スコセッシ信者だって認めざるを得ないだろう。
本家には、ケリー・チャンが出ているし。(ここは関係ないか)

ともかく、
これでオスカーを取ってもなぁ・・・と、オスカー授賞式の生中継を観たものだった。


そういえば芥川・直木賞も発表されたが、
今期の受賞作もだいぶ早い時期に読んでいて、どちらも納得の受賞だと思ったが、前回・前々回に比べて「この盛り上がりのなさ」はどうしたことだろう。

田中ちゃんのように「もらっといてやる」とスピーチせねばならんのか、
西村ちゃんのように「とりあえず風俗に、、、」とジョークでもかまさなければならんのか、
あるいは綿矢ちゃんのように、美少女でなければならんのか。

文章で喰うひとなのに・・・とも思うが、
そういった無関係というか無駄というか余分な「雑音」までを含めて勝負する時代、、、なのかもしれない。


話を戻して。

スコセッシがオスカー受賞をした晩は、どえらい数のメールを受信した。

タイトルのほとんどが「おめでとう」だったと記憶するが、
そのメールひとつひとつに「まさかねぇ」と返す自分、何人かから「素直じゃないね、喜べばいいのに」という再返信が届く。

確かにそうなのだけれども、愛を抱いたばっかりに、複雑なこころの動きがあるわけで。


そんなわけで今宵は、
映画賞の「なぜ、これが?」という受賞の結果を五つほど挙げてみたい。


(1)日本アカデミー賞、『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007)

同年の話題作『それでもボクはやってない』は「かすり」もせず、日テレが制作した『東京タワー』がほとんどの賞を独占。
日本アカデミー賞が日テレ放送というのもあって、「出来レース?」説が流れる。

オカン役で出演した樹木希林まで「この結果はおかしい」と発し、けっこう問題となった。

そういうものとは無関係でメガホンを持ったはずの松岡錠司監督が、いちばん可哀想。

(2)アカデミー賞、『ブレイブハート』(95)

メル・ギブソンの監督作。
堂々とした演出などには感心したが、大作「感」というもの取り除いて冷静に見つめてみると「それほど・・・」な出来であることに気づく。

同年のノミニーには『イル・ポスティーノ』があり、自分は断然こちらを支持する。

(3)カンヌ映画祭、『うなぎ』(97)

この年はふたつのパルムドール(最高賞)が生まれ、もうひとつがキアロスタミの『桜桃の味』だった。

『桜桃の味』の渋みには「やられた」クチだが、『うなぎ』でよかったのは柄本明くらい。

イマヘイには、もっとパルムドールに相応しい傑作が沢山あるのに・・・。

(4)ゴールデンラズベリー賞、特別大賞に輝いたシルベスター・スタローン

20世紀最低主演男優賞、なんだそうだ。

まぁ確かに演技が上手とはいえないが、もっとひどいひと、「沢山」居ると思うのだけれどもな。

(5)雑誌『ロードショー』読者選出の年間映画賞、『パールハーバー』(2001)

若手の二大俳優への支持から、こんな結果に。

ただひとり、イラストレーターの宮崎祐治が「そんな映画の観かたじゃダメだ」と誌上で読者を批判、アッパレ! といった記憶がある。

実際、この結果を受けて『ロードショー』を買わなくなったのだった。
雑誌に対してではなく、その読者に違和感を抱いてのことである。


作品そのものの評価だけで決定出来そうで出来ないのが、賞というもの。

スコセッシは功労賞の意味合いが強く、
スピルバーグは売れっ子であることが妬まれて「なかなか」手に出来なかったし、
もちろん、時代や政治も絡んでくる。

そういうことを理解してうえで楽しめばいいのだけれども、
好きであればあるほど、いろいろいいたくなってしまうものなのだ。


※えらく分かり易いスコセッシのキャリア解説。




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